SSブログ

ダルマ・ブダヤ with 日曜ガムラン in まちかね祭2018 [音楽のこと]

(たまに)音楽を幾何学で説く学究的な(?)「ワンコイン市民コンサート」と(緩ゥく)インドネシア・ジャワ伝統の音楽を研学、修学する(?)「日曜ガムラン」で、月に二度ばかり大阪大学豊中キャンパスに通う、なんちゃって阪大生(?)なワタシ。
今日も朝から通学なのですが・・・。

今日はジャワ・ガムランのワークショップ「日曜ガムラン」の特別編。
一昨日の金曜日から今日までの三日間、同キャンパスで開催される秋の大学祭『まちかね祭2018』に、「日曜ガムラン」を主催、運営されているジャワ・ガムラン・グループDharma Budaya(ダルマ・ブダヤ)」が、研究室公開の一環として、定期演奏会と体験教室を執行するにあたり、ワタシを含む「日曜ガムラン」メンバーもその演奏に連なることと相成って・・・。

一昨年の11月に「ワンコイン市民コンサートシリーズ第59回」として上演された『ジャワ曼荼羅(JavaMandala)』。
そこで”「昼下がりの王宮」と「煌めく影たち」”と題して演じられた影絵劇、ジャワ歌謡曲、古典曲、ジャワ舞踊に魅せられ、それに併せて、その会場である大阪大学会館でも催されたワークショップで青銅製の楽器に触れさせて頂いて、ハマっちゃったのがご縁の始まり。それがワタシとDharma Budayaとの出逢いで、ワタシとジャワ・ガムランの邂逅。

ワタシが”音楽宇宙の創造神”として崇め奉るクロード・ドビュッシーがパリ万博でジャワ・ガムランに出逢い、影響を受けた・・・云々というエピソード。それが俄かに信じ難くて、それなら追体験してみたいというのがキッカケでもあったのですが・・・。
ドビュッシーは博覧会場で一度耳にしただけで自分のテクニックに変換出来ちゃったのかも知れませんが、その足元にも及ばない・・・どころか、三歩下がって影を踏むのさえ恐れ多いワタシとしては、聴くだけではムリで、演奏してみて、頭で理解し、身体で慣れないと、今迄慣れ親しんだ西洋音楽とは異なるジャワの音楽を自分の知識として取り込むことが出来ません。
で、ワークショップに通ううち、気が付いたらドビュッシーを忘れて、ジャワ・ガムランにドップリと・・・?!

そして、月に一度の「日曜ガムラン」の総浚い、その発表会(?)となる、春の『いちょう祭』、秋の『まちかね祭』にも都合3回出演させて頂いて、今日がその4回目。
そこでのDharma Budaya(with 日曜ガムラン)のコンサートは13h00開演。
ですが、その仕込みがあって、10h00の集合。

IMG_E0977.jpg

少し早めに豊中キャンパスに着いてみると、一昨日から続く大学祭の模擬店こそメイン・ストリートに並ぶものの、ゴミなどが散乱している風もなく、一部に演し物の稽古や模擬店の仕込みに当たる(本物の)学生さんがいるものの、人影もまばらで、まだひっそり閑とした朝の静けさ。
なんちゃって阪大生(?)のワタシが指定された集合場所、文学部芸術研究棟に着いてみると、まだ何方もお見えで無いようで、鍵も閉ざされたまま。
ひとり、またひとりと集まり出して、全員が揃ったところで、楽器のセットアップから。
ガムランに使われる楽器は、そのほとんどが持ち重りのする青銅製。中には一人では持てないほどのものもあって、手分けして、手伝いあって運ぶのですが、当初予定された研究棟内の講義室ではなく、その横の空き地(?)。

IMG_E0978.jpg

ガムラン
は、西洋音楽とは異なる音階から作られて、それはララスと呼ばれ、スレンドロ音階ペロッ音階の2種類あり、スレンドロは1オクターヴをほぼ均等に5等分し、ペロッは1オクターヴを不均等に7で割る。
その二つの音階には、それぞれ3つずつの調(パトゥッ)があり、その2×3通りの組み合わせを元に楽曲が構成される。
咄嗟の調律が出来ない青銅製のガムラン楽器は、スレンドロ用とぺロッ用がそれぞれにあり、全部を用意するとなると、倍加して、かなりの大荷物。今回演奏されるのはペロッ音階限定で、楽器もそれ用の設え。それを敷き並べた茣蓙の上に配置。それだけでもかなりの見映え。
さらに、茣蓙が追加される。観客用の桟敷席かしらン? ・・・と思ったら・・・、

急遽2名のダンサーさんが参加されることになって、その踊りのスペースを確保するために屋外でのライヴとなったとのこと。
何しろ、それぞれがそこそこに大きな楽器。それが幾つも並んで犇めいて、狭い教室だとそれこそ足の踏み場もない状態となってしまう。そこに観客まで詰め込むとなると、踊れるスペースはごく限られてしまう。

かくいうワタシも、細長ァァァ~~~い腕を存分に振るえない・・・どころか、細長ァァァァ~~~い脚を折り畳んで座るのもひと苦労。狭い教室で窮屈な思いをするくらいなら、伸び伸びと屋外ライヴの方が文字通り腕も振るえるというもの。
折しも、小春日が躍り、秋らしい涼やかな風もあって、絶好の路上演奏日和(?)。
もう手慣れたもので、指示された通りの位置に楽器を配置。30分ほどでセットアップ完了。

IMG_E0984.jpg
IMG_E0980.jpg

ほどなくリハーサルの開始。
今回のコンサートで演奏されるプログラムは5曲。何れもジャワ伝統の古典曲。
この時間帯は主に、最後に披露される踊り付きの楽曲「ラドラン アユン・アユン ペロッグ音階ヌム調」のお浚いに当てられて、Dharma Budayaの演奏するガムランに踊り手2名が優雅なダンスを合わせます。
ダンサーはウィジャヤクスマ西岡美緒さんと坂口裕美子さんのお二方。
もうひとりの助っ人は、『ジャワ曼荼羅(JavaMandala)』では影絵芝居と演奏の掛け持ちで活躍された、ナナンことアナント・ウィチャクソノさん。今回は太鼓と唄を担当される。
まだドレス・リハーサルでもないので、普段着にカインと呼ばれる腰布だけを着けてのリハーサル。それでも十分に優雅さを見せつけ、そのはんなりとした動きに眼が釘付け。
そろそろ賑わい出したキャンパス。メイン・ストリートに面したメイン・ステージからはキャピキャピした嬌声が聞こえたりもする中、よく通るガムランの楽音を聞きつけたのか、来訪者の何人かは研究棟横に覗きに来られたりもするので、ワタシは受付の案内係としてその対応に当たっていたのですが、来られた方にパンフレットをお配りしつつ、耳と眼はリハの方に7:3位に向いたまま。

その後、ワタシたち「日曜ガムラン」組も加って、その課題曲のお浚い・・・なのですが・・・。
穴があったら入りたい。なんなら逃げ出したい・・・ような・・・。

ガムラン楽器は家には置けません・・・というか、置けても、独りじゃあ成立しない。練習時間もごく限られる・・・と今更言い訳したところで始まりません。
今回演奏するのは「ラドラン パンクル ペロッ音階バラン調」。舞踊の伴奏にもなる華やかな曲調の古典曲で、歌まで入ります。
で、何が難しいって、途中でテンポが二度、三度と変わって、それに連れて演奏パターンも変わってくるところ。
本来は楽譜も無くて、指揮者のいないガムラン・アンサンブルでは、太鼓がテンポを司って、他の楽器はそれに従うことになる。太鼓の音と、周りの音をよく聴いて・・・。

ガムランは、特に担当する楽器が特定されないようで、楽曲ごとにそれが変わります。「日曜ガムラン」組はやりたい楽器を選んでくださいと事前に割り振り、今回ワタシが選んだのはサロン・プキン
大・中・小と3種類あるサロン類は、ガムランの骨組みとなる定旋律・・・主旋律を演奏する鍵盤打楽器で、西洋音楽のオーケストラで言えば弦部に相当し、プキンはその中で一番高い音域、言わば第1ヴァイオリン?
この楽曲では、同じ定旋律を演奏する他のサロン2種より音数が2乃至4倍も多くて、テンポが変わって演奏パターンが変わる際に1/8拍前を先行しないといけない、大事なパート。テンポを決める太鼓がコンダクターなら、こちらはアンサンブルをリードするコンサートマスター・・・的な?!
難しいのは難しいのだけれど、これくらいチャレンジしないとなかなかガムランの真髄に近づけない・・・?
が、不安が倍増するリハーサル。

IMG_E0985.jpg
IMG_E0986.jpg
IMG_E0987.jpg
IMG_E0988.jpg
IMG_E0989.jpg
IMG_E0990.jpg

取り急ぎの昼食と着替え。卒煙ブースで一服つけてココロを落ち着かせたら、いよいよ本番。
ボナンと呼ばれる小さな銅鑼を叩きながらの呼び込み・・・をするまでもなく、三々五々とオーディエンスも集まって。

IMG_E0979.jpg
IMG_E0991.jpg
IMG_E0992.jpg

今回のプログラムは、
秋のひとときをガムランの響きとともに
1. 「ガンサラン~ロニン・タワン~ガンサラン」ペロッ音階ヌム調
2. クタワン「プスパンジョロ」ペロッグ音階ヌム調
3. ドラナン「コピスス~スワラスリン~ソピルベチャ」ペロッグ音階ヌム調
4. ラドラン「パンクル」ペロッ音階バラン調
5. ラドラン「アユン・アユン」ペロッグ音階ヌム調

本来は楽譜の無いガムランでは、最小の旋律単位であるゴトロ、平置き型のコブ付きゴングのクノンが鳴るところをひと区切りとするクノンガン、大銅鑼ゴン・アグンが鳴るところを区切りとするゴンガンとし、その組み合わせであるクタワンドラナンラドランなどは楽曲の形式を表し、楽曲のビートを決定づける。それに音階(ララス)と調(パトゥッ)が合成されることで曲調が決まる。サロン類が奏でるメイン・メロディとなる定旋律はララスパトゥッで変化し、それぞれの区切りに鳴るクノンクンプールゴンの手数はその形式によって変わる・・・ということなのでしょう。
それを理解するのが、なかなかに難しい?!

ワタシの出番は4曲目。それまでは、受付の案内係。
Dharma Budayaのメンバーからの楽曲紹介や解説を交えながらプログラムが進行するのを少し離れて聴いていると、その金属的ながらやんわりとした楽音が秋風の清搔と相まって、歌声はその風に躍り、色無き風がブロンズ色の、律の風がひととき呂調の調べを帯びて・・・。

・・・と悦に浸っている場合じゃあない。4曲目のラドラン「パンクル」ペロッ音階バラン調は、出番です。

今回の『まちかね祭2018』に出演する「日曜ガムラン」メンバーは、ワタシを含めて6名で、手が足りないところはDharma Budayaのメンバーが助っ人、覚束ないところにはフォローも入って、万全のバックアップ体制。
ワタシにしたところで、確かに4回連続出場ともなれば、某国営放送の大晦日恒例の歌番組でも中堅どころ・・・となるのでしょうが、毎回難易度の上がる楽曲の、難易度高いパートともなると・・・。フォロー・ミー!!
なんちゃら48で言えば、神セヴンと並ぶのさえ憚られる研究生みたいなもんで、トップ・アイドルの後ろでわさわさ踊るなんちゃらジュニアみたいなもん、おっさんですけど。
でも、ね。
緩やかなガムランに身を委ねてしまうと、緊張感が齎されることなく、多少なりとも気持ちいい。とは言え、達成感や高揚感までは至らないのは練習不足と理解不足によるところ。反省点多々・・・どころか、多々々々々々々々!!!! 北斗百裂拳なみ?!

テンポが変わって、手数が変わって、難しいのは難しいのだけれど、音楽的には折り合いをつけられても、数学的に割り切れない部分、論理的に正しくない(と思われる?)点があって、それが解明出来なくて、釈然としなかったり。やっぱりアタマで理解し、身体で慣れないと成功には近づけませんわ、ワタシ。
お稽古の段階では余裕があれば唄も歌えという指示だったのですが、それどころじゃあなかった、な。
(機会があれば)次は頑張ろッ!?

IMG_1012.jpg
IMG_E0996.jpg

・・・と反省している場合じゃない。
最後の曲は、優美な踊りが加わった、ラドラン「アユン・アユン」ペロッグ音階ヌム調
拙い演奏の後だけに(?)、一層巧く聴こえる? いやいや、踏んでる場数、練習量の差をまざまざと見せつけられますなァ。
鮮烈で豊満なアザレ色の衣装も鮮やかに、その伝統衣装を誇示するかのようにゆったりと舞う踊り手の、まさにウィジャヤクスマ(Wijaya Kusuma)・・・月下美人の花のよう。お昼間ですけど・・・。客席からは深いため息さえ漏れていたような。
ご来場の方から、良いものを観せて頂いた、素晴らしい演奏でしたとのお声も頂戴しました。

IMG_E1002.jpg
IMG_E1003.jpg
IMG_E1004.jpg

予定の5曲でコンサートは終演。間を置かずにワークショップはジャワ・ガムランの体験教室。
ランチャラン ウダンマス ペロッ音階バラン調」を課題曲に、野外教室はメイン・ストリートのメイン・ステージに負けないほどの盛り上がり?
代わる代わるに、物珍しい楽器に触れ、その音を確かめて、さすがに「ウダンマス」が仕上がるところまではいけないものの、次があれば必ず伺うと仰有って下さる方もおられて、和やかないい時間でした。

楽音賑わう音楽の祭宴。楽器を片付け終わってしまうと、残るのは一抹の寂しさ。
反省点は多々々々々とあるのですが、次があれば、その時はもっと上手く演れるようにと思っちゃうのは、もうすっかりハマっちゃってる証拠でしょうか。
次こそリベンジ・・・で連続4回。達成感や高揚感を得られる時が来るのでしょうか。
次回『いちょう祭2019』に乞うご期待・・・?!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント