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Fly With The Black Swan(注1) ~ BROMPTON P Lineの衝撃 ~ [自転車のこと]

今日は神戸・三宮にあるBROMPTON JUNCTION KOBE(BJK)を訪ねます。
BD-1乗りのワタシがどうしてブロンプトンの専門店に行くかと言うと・・・。


昨年唐突に発表されたBROMPTONの新ラインナップ。装備の組み合わせから命名される暗号めいた呼称が変更されて、バリアント・モデルにあたるSuper Lightは「P Line」と呼ばれることになり、スティール・モデルとの差別化が進んで、装備するパーツも別仕立て。それに食指が反応しちゃって、限定4台の予約抽選に応募してみたら希望のモデルを得ることになって・・・というのが前回までのあらすじ(→記事参照)。

当選から仮契約が昨年12月末、本契約が今年01月初めのことで、それから待つこと約5ヶ月。スティール・フレームのC Lineは年明け早々にデリバリーされても、(一部)チタニウム・フレームのP Lineは待てど暮らせど音沙汰すらない状況。何しろ、「CYCLE MODE RIDE」などのイベントでもお披露目されることなく(→記事参照)、情報すら希薄、首が長くなるどころか諦めて他のバイクを買っちゃおうかと思ったところへ入荷のお報せメール。それが05月末日。
05月入荷予定にはギリギリ間に合わせたようで、代理店から各々割り当て通り配送されて、そこで整備組み立てが行われ、引き渡し可能の連絡を頂いたのが今月07日。週末しか動けないので受け取りに出向いたのが今日のこと。クリスマス・プレゼントかお年玉が、ほぼほぼ父の日ギフトになった感?!

初めてのBROMPTON、初物のP Lineで帰宅かたがたシェイクダウン&ファースト・インプレッションとなるのですが・・・。

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さて、BJKで受け渡されたワタシのP Line Urban Low Handlebar
フラットバーハンドルの外装4速でフェンダー有りのラック無し、そしてチタン・モデル。以前の呼称でならS4L-Xとなるでしょうか。
店頭で受け取る自転車の場合、Apple StoreやAmazonなどでのお買い物と違って、Un-boxing、開封の儀という楽しみは無いのですが、きっちりと整備されて引き渡されて見送られ、万全のコンディションで走り出せる安心感があります。
何より、真新しくてピカピカと光り輝く車体の美しいこと。Mercury BlueBD-1を初めて見て一目惚れしちゃったことを思い出します(本当はBlack Specialを買うつもりでいたのが思いっきり目移りしちゃったのね)。
このP Lineはメイン・フレームを専用色のMidnight Blackとして、他のパーツもC Line Black Edition譲りの黒塗装でマックロクロスケ。
リア・コンポーネントを始め、多くのパーツが専用設計となり、Super Lightより一層独立した別系統、別ラインになったと言えるでしょうか。BJK店内にずらりと並ぶC Lineと見比べてみて、パッと見には変わらないように見えて似て非なるもの。ここも違う、あそこも違うと、プラスティッキィなところも眼に付くけれど、スペシャル感の高いメイクアップで、そこそこ高級感も感じられて思わず若気てしまいそう。
夜半ばを表現する黒色は大きめのラメが目立つメタリック・カラー(あッ、Laméは仏蘭西語ね)。この色目は好みが分かれそうですが、ワタシ的には嫌いじゃない。ほの暗い店内では控えめなラメが入った黒色塗装に見えて、陽光煌めく屋外ではラメが踊って黒には見えないほど。地味なようで結構派手ハデ。
チタン製のステーで支えられるプラスティック製のフェンダーもテカテカと光る黒なら、シートポストやハンドルバー、ブレーキ・レバーやキャリパー、クランク周りもオール・ブラック。カセット・スプロケットはさすがに無塗装ながら、新型のディレーラも黒色。全体が妖しく黒光り。自宅まで還るに当たって、後付けした保安部品はちょっと差し色。
引き渡しは06月上旬になるとご連絡を頂いていたが、店舗に届いているなら取り敢えず実車を見ておかないと、Midnight Blackがどの程度黒いか観ておかないとアクセサリも決めかねる。何しろWeb上の画像・映像だけ観てポチっちゃってて、ラメの具合も真夜中っぷりも分からない。
ついでに、法規上の保安部品だけでも事前にインストールしておいて頂こうと06月04日に訪問、手配しておいたわけで。

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the black swan’s beak is red.
CATEYE HL-EL145 URBAN(笑)

折り畳み/展開方法のレクチャーと注意事項を伺って、いよいよシン・大阪の自宅まで約35kmを自走で帰りながら慣らしを兼ねて最初の検証。
シェイクダウンから飛ばせないし、南京町(中華街)やメリケンパークで軽食を摂ってから帰ろうかと思ったらどちらも驚くほどの混雑ぶり。今日はよく晴れて、陽も高くなって気温もウナギのぼり。あんまりのんびりしていては日焼けもするし、体力も消耗してしまう。観光スポットは人出が多過ぎてスルー、海に近い道路を大阪に向かって直走り。

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C Line
や旧来のBROMPTONのことは知らず、どうしてもBD-1との比較になってしまうが、キャスターオフセットがほぼほぼ無くて直進安定性に欠けるBD-1とは比べ物にならないくらい、ゆっくりと走り出せる安心感があって、反面スポーティという感覚は薄く、どちらかというとママチャリに近いような?!
BD-1同様細めの小径タイアを履いて路面状況などの外乱影響を受け易いかもしれないが、まずまずフツーに乗れる自転車。ともかく、ドロップハンドルにシマノ・デュアルコントロールレバー ST-5800-SをインストールするBD-1とは勝手が違う。
フラットバーハンドルはいいとして、外装4速のシフターは左手側にあって、オートリターン式のレバーはちょっと大ぶりでやっぱりママチャリチック(?)。頻繁にシフト・チェンジをしてケイデンスを維持するというより、道なりに走れということなのでしょうか。カスタマイズ前のBD-1に備わっていたSHIMANO Capreo9速のシフティング・レバーSL-F700とも仕組みが異なって、1本の樹脂製レバーでアップもダウンもコントロール、C Lineの外装2速や内装3速用のシフターに近しい仕組みなのでしょうが、それらとも違って4速用のインジケータが備わる。
2×11からたったの4速。物足りなくもあるのだけれど、Urban仕様はこれくらいで十分ということなのでしょう。

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で、問題は4速のギア比。

チェーンリングが50Tで、カセット・スプロケットが11、13、15、18Tという組み合わせ。ギア比にすると、4.545、3.846、3.333、2.778となり、2×11速化したBD-1の53×11-28Tと比較するとほぼほぼ5~10速辺りに相当する。
BD-1では、22速全部は使えないのだけれど、街中で多用するのがアウター×2~9速で、状況が許せば10、11速までシフトアップし、登り勾配になったら積極的にインナー・ギアを使っちゃう。
2×11速化は最高速度の向上も望みつつ、登り対策も含んで、脚弱なワタシ的にはどちらかというとそちらの方が深刻に重要。

で、P Lineの外装4速は、どうなのか?

かなり以前からBROMPTONを持つならSuperlightをと考えていて、外装4速化されて更に軽量化されたモデルが出ると知ったら、細かいスペックを調べる前にポチッとしちゃって、本契約後にギア比問題に直面したような次第で、いざとなればギア比は変更出来るとたかを括っていたわけで。
納車待ちの5ヶ月、車重のことよりギア比が一番の懸案事項でもあって、スペシャライズでパーソナライズなカスタマイズを施すに当たって、一番最初に手をつけないといけないと考えてもいて、受け取る際にチェーンリングを44Tなり40Tにしておいてもいいかなァと思いつつ、素ノーマルの外装4速も試してみないことには新生P Lineのインプレッションにならないんじゃないかという、ある種義務感。
外装2速を勝手に後付けで4速化されちゃってるのを横目で見ながら密かに開発されていたであろう(と推測される)新型の外装4速は見た目のコンパクトさとともに、ギア比も絶妙。
平坦路を1速で走るには脚が余る。
2速スタートはちょっとだけ重い、しんどい。
信号の多い市街地では2、3速を多用することになって、下り基調で前が開けていたら4速。
ロー・ギアでスタートし、2nd、3rdでケイデンスを保ちつつ、飛ばせるところではトップ・ギア。
BD-1と較べると重いように思えるが、意外に軽々と走れるのは車重の影響でしょうか。シフターのタッチも軽いし、4速全部を使い切れるのがなんとも気持ちいい。
欲を言えば、そりゃあ、もう少し飛ばせるようにしながら尚且つ坂道対応で上下に2枚程度追加したいのは山々なれど、この4速でちょうどいいかもねとも思えてしまう。

「Performance. The lightweight transformation.」をコンセプトとするP Lineを所有するに当たって、スペシャライズでパーソナライズなカスタマイズを念頭に、妄想構想すること5ヶ月。自走による高速移動性能はBD-1に譲って、輪行を含む利便性がP Lineに求める機能。物理的重量のlightも重要だが、走行感覚、フィーリングも軽快であって欲しい。ワタシ仕様のコンセプションは「Light Performance」。
大阪市内はBD-1でビュンビュンと疾駆し、京都市内はP Lineではんなり(?)と奔ろうという使い分け。京都の細い路地を縫うように走り、お庭やカフェを巡るのに多少ではあるが登り勾配にも遭遇してしまう。常用する速度域は15~20km/h程度でしょうか。4速もいらんやんとも思えるが、そこはそれ、平坦なようでそれなりにアップダウンもある。使い勝手のいいギア比を検討するのがカスタマイズの嚆矢かなっと。

それ以外は特段、可も無く不可も無く、スポーツ車というより軽快車の範疇。帰路はそれなりに距離もあって飛ばそうという気にもならないし、撮影かたがた休みやすみの走行。慣れさえすれば、さして手を加える必要もないくらいよく纏まっているように感じられる。そこはそれ、1980年代からほぼ変わらず続くBROMPTONの妙味とP Lineの特別感。
左手の4速シフターは一瞬戸惑うがすぐに慣れて、信号の多い街中でも平坦路であれば不自由は感じない。
シフト・タッチも軽く、ペダリングもスムース、走っている分には全体に軽さを感じることが出来る。ただ、チタニウム合金製のフロント・フォークとリア・フレームが硬いのか、P Line専用のサスペンションが硬いのか、グリップする手のひら、サドルの上のお尻、ペダル上の足にそこそこの衝撃。グリップもC Lineの樹脂製のものとは異なりスポンジ状で、それがワタシの手には細過ぎるうえに対衝撃性、対振動性が低いのでしょう。
帰りがけLORO CYCLE WORKS(LCW)に立ち寄った際に、珍しいMidnight BLackP Lineをスタッフご一同に見せびらかしていたところ、ホイールのスポーク組みがシングルクロスに変わっていて、それがチタンの硬さを緩和しているはずで、その分瞬発性に欠けるかもしれないとかなんとか。フレームとサスペンションが硬くなった分、ホイールが衝撃を往なす役割りを担っているらしい。走り屋仕様にしようと思ったら、要ホイール交換・・・ですか。
あとは・・・、強いて気になる点をあげるとしたら、フリーハブのラチェット音でしょうか。わりとカリカリと響く音。
BD-1は20インチ化するに当たって組んで頂いたホイールにSHIMANO製のシクロクロス用のハブを選んで、ほぼほぼ無音でとても滑らか。それと比較すると少しうるさい。
ギア比の最適化に合わせて、ドライブ・トレイン系をまるっとカスタマイズしちゃおうか?
早くも沼にハマってしまいそうな予感。自制心が必要。

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BROMPTON
はフォールディング・バイク。折り畳んでの移動、輪行に備えてイージー・ホイールが装備されて、P Lineにも専用設計のそれが用意されている。バトン・ホイール風のプラスティック製で、C Line用より若干大経化されているものの、厚みはさほど変わらず、両輪の間隔も広くはない。ベアリングは入っていないのか、それほど滑らかに転がるわけでもない。リア・フェンダーに付けられた小さなローラーは一層廻らない。
折り畳んだP Lineはシートポストを下げ切らず中途で止めてサドルをハンドルとして押し歩くことが出来るが、まァ不安定で、屋内の平らな床でなんとか、屋外のアスファルトを真っ直ぐ進むにはかなりコツが要るような・・・。リア・キャリア付きで4輪化されれば状況は多少違うのでしょうが、ハンドル・ポストを立てて引いても、シートポストで押してもまどろっこしいくらいに進み辛い。先端をグリップ化したサドルがいい感じなだけにちょっと惜しいが、オマケの機能と割り切って、担いて歩く方がよほどスマート。
日本国内の場合、駅構内やプラットフォームではパッケージングが必須でもあるし、あまり使い出はないかもしれない。見た目も少々安っぽいし、ベアリング内蔵でよく転がるホイールとリプレイスすべきか、1gでも軽量化したいところでもあるしフェンダーともども取っ払っちゃうか。取ったら取ったで駐輪しづらくなるだろうし。さて。

はなからスペシャライズでパーソナライズなカスタマイズが施されたようなP Line。待ちに待って、日本に輸入された第1便は150台程度だとかで、そのほとんどがStorm Grayであるそうな(BJKの4台はワタシの分だけがBlackで、他の3台はGray)。となると、P Line Urban Low Handlebar Midnight Blackは益々稀少で、恐らく同色の同仕様と街中で出逢うことは暫くないとは思うが、それはそれ、よりワタクシ仕様なパーソナライゼーションは必要かと。
ところが、メイン・フレームより前側はともかく、リア・フレームの形状が従来型に等しいC Lineと異なるから、現在市販されているキック・スタンドは使えない・・・らしい。サスペンションの形状も違う。カスタマイズするにも使えるパーツは限られる。代替パーツが限られるなら、保守部品を含むアクセサリーはちょっと拘りたいところ。特に色合いでしょうか。
何しろマックロクロスケで、メイン・フレームにはラメが施され、それがために無駄な差し色はかえって邪魔になる。
緩やかに曲線を描くフレームとラメからイメージ・コンセプトは『白鳥の湖』のオディール。
というのも、(さらに難しい状況になってしまったが)自粛が解かれ渡航が可能になればサンクトペテルブルグへ行きたいと蟄居期間中にロシア語の勉強を始めた奥方の横でワタシはマリインスキーやボリショイのバレエばっか観ていたり、何しろ4台限定の予約抽選に当たっちゃって寝耳に水(?!)的な散財にもなってちょっと「black swan theory」。待ち望んでいたチタン・モデルが手に入ったことが奇跡的で、「有り得なくて起こり得ない」ことが起こったような感。ナタリー・ポートマン(注2)もビックリな「黒い白鳥」と呼んでいいでしょう。
アナスタシア・コレゴワ(注3)演じるところのオディールのラメ入りの黒いチュチュ的なエレガントな雰囲気に仕上がれば・・・と。アダージョのテンポで走るんですな。

まぁ、ね。卸したてからカスタマイズを考えるのもどうかと思うが、乗って走るばかりが自転車の楽しみ方ではないはず。
P Lineはともかく、BROMPTONは(某アニメーション作品以来?)人気車種で街中でも多く見掛けるようになっちゃったからそれなりにindividuationなりpersonalizationが必要かと。
無機物なので愛着とまでは言わないにしろ、長く所有するには私好みに最適化しておかないと、乗り辛いでは飽きが来ること必至。ワタシがP Lineに感じるネガティヴな部分を取り除いていくのがパーソナライズと考えます。希少なうちは出来るだけ現状を維持しながら、personalized P Lineのお披露目は来年辺りを目処にして、まずはしっかり走れるようになりましょう。

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さてさて、本日の「BROMPTON P Line引取シェイク・ダウン&ファースト・インプレッションゆるっとポタリング」は、BJKから南京町を抜けてメリケンパーク、兵庫県立美術館のなぎさちゃんを見上げて、今津灯台に立ち寄って、阪神甲子園球場の福岡ソフトバンクホークス戦はナイターだからスルーして、西宮~伊丹~大阪間は川が多くて橋を探さないといけないから自走が面倒になって、甲子園駅から西九条駅まで輪行のお試しで、西九条駅からLCWに回って希少なマックロクロスケを見せびらかして、そこから帰宅というコース。
脚を止めるとかえって日差しが暑くて、六甲颪だか浜風だか風を感じながら走る心地良さ。自転車はBD-1にしろP Lineにしろビュンビュン走っている時が愉しいわけで、これから一層暑くなるけれど、京都の夏は特別暑いけれど、早朝の庭巡りは当分P Lineで出向くことになるでしょう。

LCWに寄って、P Lineで盛り上がっていたら、肝心なことを依頼し損ねたような。来週は自転車屋巡りかな。

注1・「Fly With The Black Swan」はフィンランドのパワーメタルバンド、Sonata Arctica(ソナタ・アークティカ)の5枚目のオリジナルアルバム『Unia((夢記))』に収録された楽曲。
注2・ナタリー・ポートマン(Natalie Portman・イスラエル出身のアメリカの女優、監督、プロデューサー)
注3・アナスタシヤ・コレゴワ(Anastasia Kolegova・ロシア連邦チェリャビンスク出身のバレエ・ダンサー)

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