何れがアヤメかカキツバタ [散歩・散走]
池田市鉢塚にある水月公園は、池と人工滝を配した水の公園で、その池端には友好都市である中国江蘇省蘇州市から贈られた斎芳亭が置かれ、それを囲むように多種の花菖蒲。その横には梅林が広がり、早春の彩りは紅梅、白梅、枝垂梅。
梅の実が落ちて、梅雨の頃に咲き始めるのが花菖蒲。
今年は、近くの梅や古都の桜は観に行けたものの、音楽イベントを優先するから、屋号に掲げる春薔薇まで見逃して、季節の花を愛でる余裕がほとんど無い日々が続きます。
忘れることなく季節ごとに花をつけ、時期を弁えて花開き、役目が終えると散っていく。あくまで規則正しく真っ当に生きる花たちを見習わなければ、それこそココロが病んでしまう。
・・・と訪ねた菖蒲園。
ここには60品種約6,000株もの花菖蒲が植えられているという。先週末には「花菖蒲まつり」も開催されて、見頃はその頃だったのでしょうか。今日は初夏の陽射しに炙られて少々凋んでいるようにも見受けられる。
「何れが菖蒲か杜若」・・・「五月雨に沢辺の真薦水越えていづれ菖蒲と引きぞ煩ふ」と詠んだのは、”鵺”を退治て、その褒美として、「獅子王」と名付けられた太刀一振りとともに、12名の美女の中から菖蒲前という女房を賜った平安末期の武将兼公卿で歌人の源三位こと源頼政。
後宮3,000名の中からトップ12として選出された絶世の美女の筆頭は”あやめ”さんで、この歌でも”菖蒲”は”アヤメ”と詠む。
「どれがあやめちゃんか、分かりません」見分けがつかないからひとつを選んで引き抜くなんて出来ません・・・という返答としての歌なのでしょうが、英勇色を好むで、12人全員を頂戴したかったんでしょうな、もしかして。
怪鳥を撃墜したり、高倉宮以仁王を奉じて平氏政権と戦ったりと武勇の人でありながら、その平家からも認められて従三位まで出世するほど公卿としても優れたお方だったのでしょうが、歌人としても有能で、その主題として多くのお花を詠んでおられる。出家しての法名は真蓮ですし、英雄色を好む、花の色香も好まれたのでしょう。
ハナショウブはキジカクシ目アヤメ科アヤメ属の多年草、ノハナショウブから園芸種として作られたもので、アヤメ類は総称として、ハナショウブまで含めてアヤメと呼ぶからややこしい。コンピュータでも”あやめ”と入力、変換すると”菖蒲”が当てられる。
一方、カキツバタもアヤメ科アヤメ属。
菖蒲湯に用いられるショウブはショウブ目ショウブ科ショウブ属。古くは、アヤメもこちらの仲間に括られて、花弁に網目状の模様、”文目(あやめ)”があることから「ハナアヤメ」と呼称されていたというから、さらに紛らわしい。ハナショウブやカキツバタの花に”文目”はない。
本来のアヤメは乾燥地に育ち、ハナショウブとカキツバタは頼政公が詠んだ通りに水辺、湿地に多い。ってことは、「何れがアヤメかカキツバタ」の”アヤメ”は花菖蒲。
頼政公は摂津國渡辺・・・現代の大阪市中央区のご出身。そこから都への往来で見かけたお花を詠んだとしたら、淀川水系の何処かの風景を詠ったのでしょうか。上皇さまは源三位に対して、「浅香(あさか)の沼の菖蒲(アヤメ)を与える」と仰ったそうで、察するにあやめちゃんは東北・安積(あさか)出身の色白美人(推定15〜16歳?)。浅香を夢想しつつ、実際には目に馴染んだ淀川水系の風景を想い描いたのかしらン。
・・・と、本当は都大路を自転車で奔走したいところであるが、そんな余裕がなくて、夢想してみる今日のワタシ。
3,000分の12、”神12”が何れも見分けがつかないくらい美しいのだから、もう、一緒でもいいじゃん。12分の1なんて選べない。全部まとめて欲しくなる。今でいうところの「色ち買い(いろちがい)」的な・・・??
梅の実が落ちて、梅雨の頃に咲き始めるのが花菖蒲。
今年は、近くの梅や古都の桜は観に行けたものの、音楽イベントを優先するから、屋号に掲げる春薔薇まで見逃して、季節の花を愛でる余裕がほとんど無い日々が続きます。
忘れることなく季節ごとに花をつけ、時期を弁えて花開き、役目が終えると散っていく。あくまで規則正しく真っ当に生きる花たちを見習わなければ、それこそココロが病んでしまう。
・・・と訪ねた菖蒲園。
ここには60品種約6,000株もの花菖蒲が植えられているという。先週末には「花菖蒲まつり」も開催されて、見頃はその頃だったのでしょうか。今日は初夏の陽射しに炙られて少々凋んでいるようにも見受けられる。
「何れが菖蒲か杜若」・・・「五月雨に沢辺の真薦水越えていづれ菖蒲と引きぞ煩ふ」と詠んだのは、”鵺”を退治て、その褒美として、「獅子王」と名付けられた太刀一振りとともに、12名の美女の中から菖蒲前という女房を賜った平安末期の武将兼公卿で歌人の源三位こと源頼政。
後宮3,000名の中からトップ12として選出された絶世の美女の筆頭は”あやめ”さんで、この歌でも”菖蒲”は”アヤメ”と詠む。
「どれがあやめちゃんか、分かりません」見分けがつかないからひとつを選んで引き抜くなんて出来ません・・・という返答としての歌なのでしょうが、英勇色を好むで、12人全員を頂戴したかったんでしょうな、もしかして。
怪鳥を撃墜したり、高倉宮以仁王を奉じて平氏政権と戦ったりと武勇の人でありながら、その平家からも認められて従三位まで出世するほど公卿としても優れたお方だったのでしょうが、歌人としても有能で、その主題として多くのお花を詠んでおられる。出家しての法名は真蓮ですし、英雄色を好む、花の色香も好まれたのでしょう。
ハナショウブはキジカクシ目アヤメ科アヤメ属の多年草、ノハナショウブから園芸種として作られたもので、アヤメ類は総称として、ハナショウブまで含めてアヤメと呼ぶからややこしい。コンピュータでも”あやめ”と入力、変換すると”菖蒲”が当てられる。
一方、カキツバタもアヤメ科アヤメ属。
菖蒲湯に用いられるショウブはショウブ目ショウブ科ショウブ属。古くは、アヤメもこちらの仲間に括られて、花弁に網目状の模様、”文目(あやめ)”があることから「ハナアヤメ」と呼称されていたというから、さらに紛らわしい。ハナショウブやカキツバタの花に”文目”はない。
本来のアヤメは乾燥地に育ち、ハナショウブとカキツバタは頼政公が詠んだ通りに水辺、湿地に多い。ってことは、「何れがアヤメかカキツバタ」の”アヤメ”は花菖蒲。
頼政公は摂津國渡辺・・・現代の大阪市中央区のご出身。そこから都への往来で見かけたお花を詠んだとしたら、淀川水系の何処かの風景を詠ったのでしょうか。上皇さまは源三位に対して、「浅香(あさか)の沼の菖蒲(アヤメ)を与える」と仰ったそうで、察するにあやめちゃんは東北・安積(あさか)出身の色白美人(推定15〜16歳?)。浅香を夢想しつつ、実際には目に馴染んだ淀川水系の風景を想い描いたのかしらン。
・・・と、本当は都大路を自転車で奔走したいところであるが、そんな余裕がなくて、夢想してみる今日のワタシ。
3,000分の12、”神12”が何れも見分けがつかないくらい美しいのだから、もう、一緒でもいいじゃん。12分の1なんて選べない。全部まとめて欲しくなる。今でいうところの「色ち買い(いろちがい)」的な・・・??
いろちがい・・・色違いといえば、土壌の酸性度(pH)に影響されて、pH依存性を持つデルフィニジンに補助色素とアルミニウム・イオンが加わることで花の色を変える紫陽花。この時期になるとよく眼にすることになって、紫陽花の名所と言われるところに出掛けてみたくもなるが、おそらく今年はこのひと枝で見納め。
お花は何れもリラックスさせてはくれても、観ているだけではお腹が膨れない。「ワンコイン市民コンサート」の前に阪急宝塚線石橋駅近くのトラットリア「ステヴァーレ」へ。
「お花よりインスタ映えするイタリアン 腹が減っては頭廻らず」 余りに俗っぽい?
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