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「まちかね祭」でセカンド・ステージ [音楽のこと]

ワンコイン市民コンサート」とジャワ・ガムランの体験教室「日曜ガムラン」でほぼほぼ月に2回ばかり大阪大学豊中キャンパスへ通う、なんちゃって阪大生なワタシ。本日も同キャンパスへ”通学”なのですが・・・。

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本日はジャワ・ガムラン・ワークショップの特別編。

今日、11月03日(祝)から05日(日)までの3日間、豊中キャンパスでは、秋の大学祭「まちかね祭」が開催されて、ライヴ・コンサートや模擬店、研究発表、講演などなどが賑々しく執り行われ、同キャンパスを拠点に活躍し、「日曜ガムラン」を主催・運営するジャワ・ガムラン・グループDharma Budaya(ダルマ・ブダヤ)」もそれにご出演・ご出展、コンサートとワークショップを展開するとあって、ワタシたち「日曜ガムラン」参加者もそれに加わって大いに盛り上げる・・・となればいいのですが・・・。

昨年11月の「ワンコイン市民コンサート」でDharma Budayaの演奏を拝見・拝聴(→記事参照)、そこで開かれたワークショップでお誘いを受けて、12月から「日曜ガムラン」に通い始めてほぼ1年。春の「いちょう祭」にも参加させて頂いて(→記事参照)、今日がワタシのセカンド・ステージ。今日に備えてお稽古にも励んで来たので余裕綽々・・・のはずなのですが・・・。

コンサートは午後からの予定となっているが、その準備、重くて大きいガムラン楽器の搬送、設置、その後リハーサルがあるとのことで、集合が09:30。

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コンサートとワークショップ終了後はキャンパスの外に繰り出しての打ち上げが予定されているので、今日は電車通学。キャンパス近くのコンビニエンス・ストアで昼食用のおにぎりとお茶を買って、正門を潜る。
まだ早いからか、人の気配も疎らで、祭りの雰囲気も希薄。メインストリートには多くの模擬店ブースが並ぶが、そちらもまだ仕込み前といった雰囲気。2つ用意された屋外ステージもまだ鳴りを潜めている。

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我らがガムラン演奏は、そのメインステージから外れた芸術研究棟の教室が会場。春の「いちょう祭」の折りはその傍らの広場で屋外ライヴだったが、今回は悪天候を想定したのか、ちょっと手狭なインドア・ライヴ。
手狭というのも、ジャワ・ガムランに用いる楽器は、小さいものでも経卓程度で、大きなものはベビーベッドサイズ?! それぞれガッチリした木製のフレームがあって、その上に持ち重りする青銅製の鍵盤や銅羅が並び、種類も多数。
鍵盤打楽器のサロンが大中小の3種類。それを薄くしたようなのがスルントゥムグンデル。木製鍵盤打楽器がガンバン。眼を引くような、大きなゴングはゴン・アグン。それを小ぶりにして、木製フレームに連ねるのがクンプール。平置き型のコブ付きゴングは、ボナンクノンクトッ。曲のテンポを司る両面太鼓がクンダン・アグンクティブンチブロン。彩りを添える弦楽器は、胡弓のような2弦のルバブと小さな琴のようなシトゥル
ガムランには、スレンドロペロッ、2つの音階があって、一部の楽器は、音階に合わせてそれぞれ別々の組み合わせとなるので、それだけでも相当量。使い分けるとなると、その配置にも考慮が必要で、ズラリと並ぶとそれなりに圧巻となる規模。小さな教室を客席とシェアするとなると、それこそ足の踏み場もないくらい。
そして、それらはひとりでは抱えられないくらいの重量を持つので、別棟の倉庫から搬出、会場となる教室まで運搬、設営がなかなかの重労働。(自他共に認める?)オットコマエなワタシは率先してチカラ仕事をお引き受けいたしますよ。
セットアップ完了が10:30で、リハーサルが11:00から。その間に小休止。

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向かいの教室から可愛らしい文楽人形が覗きに来てくれたり、そちらへお邪魔してお人形を操作させて頂いたり、本番前だというのになんかキンチョー感の欠片もない。
が、いざリハーサルが始まると・・・。

本番と同じ流れでゲネプロ・・・ドイツ語のGeneralprobe(ゲレラールプローベ)ですな。
演奏曲目は全部で5曲。そのうちワタシたち「日曜ガムラン」組が加わるのは2曲。ワタシが担当する楽器は、1曲目の『シンゴヌバー(SINGANEBAH)』ではクンプールゴン・アグン、3曲目の『ウィルジュン(WILUJENG)』ではサロン・ドゥムン
シンゴヌバー』に備えて、差し向かいに設置されたクンプールゴン・アグンの間に入ってスタンバイ・・・なのですが・・・。

クンプールは、縦型の木製フレームに直径50~60㎝前後のコブ付きゴングを紐でぶら下げた打楽器で、ひとつのフレームに4~5個のゴングが並ぶ。楽曲に応じてそレイアウトを変えるが、前回の練習時に本番はこの状態で並べるので覚えておくようにとご指示があったのに(も関わらず)、コンサート当日になってそれが変更。
今日ワタシが演奏する『シンゴヌバー』では、3番と6番、5番の3つだけを使い、それが隣接するように真ん中に集められたのはいいのだが、練習時と導線が変わってしまう。
それと差し向かいになるゴン・アグンガムランの中心楽器にして、お花とお線香が手向けられるほど神聖で、一番大切な楽器。叩き方も細心の注意が必要と教えられている。
両の手にゴン用のタボ(バチ)とクンプール用のタボをそれぞれ持って演奏することになるが、まだまだ不慣れなワタシ、それぞれをフォアハンドで叩くかバックハンドで打つか、つまりは、クンプールを左に見て、左手でゴン、右手でクンプールにするか、その逆か。身体の向きと腕の使い分けに悩むところ。神聖にして細心の注意が必要なゴンを利き腕で打つのがいいか。3つのゴングを打ち分ける方に利き腕を使った方がいいのか。
幅の広いクンプールに対しては身体を捻る必要があったので、お稽古の時は、クンプールを左側、ゴンを右側に見て、それぞれをバックハンドで叩くポジションを確立していた。左右の腕で、各々近い側の楽器を叩くわけですな。
ところが、客席を確保した分教室が手狭になって、クンプールゴンの間隔もぎゅっと接近。座ってみると、胡座をかいたワタシの細長ァァァ~~~い脚の、膝頭がクンプール6番とゴンに触れてしまう。クンプールのレイアウトが変わって、導線が短くなった分、ワタシの細長ァァァ~い腕はかえって持て余すほど。膝が当たらないように、腕を振り過ぎてしまわないようにしないといけない。あーした方がいい、こーした方がいいとご指導頂くのだが、ワタシは他の方々と違って左利き。それより問題は、細長過ぎて持て余す手脚。本番直前だというのにアレコレと悩んで、少々パニック気味?!
リハーサルを繰り返し、それなりに格好がついた・・・かしらン? 不安が、解消されるどころか、募る一方で・・・。

2曲目は、楽器の隙間に待機して、3曲目の『ウィルジュン』は次の持ち場、サロン・ドゥムンへ移る。
大中小と3種類、それぞれが1オクターブで3オクターブをカバーし、ガムランの骨格となる旋律を演奏するサロン類の中で一番大きく、低い音域を持つサロン・ドゥムン
ガムランは殆どが第1拍目を外す弱起で始まり、ボナンルバブ、太鼓類がリードするボカ(Boka/前奏)にサロンクンプールゴンなど他の楽器が加わるのも、頭の拍は外して2拍目以降となる。
本来は楽譜の類いが存在せず、身を以て覚えるガムランも昨今は学習や記録用に文字譜が使われ、ワタシたちもそれを使ってのお稽古。それ自体は単純で、ひとつひとつの楽器の動きもパターン化されてシンプルではあるのだが、慣れ親しんだ西洋音楽とリズム感も違い、頭を外した弱起のフレーズに対してタイミングを取り損なったり、ノリ損ねたり・・・。

前述の通り、ガムランには1オクターブをほぼ5等分するスレンドロと1オクターブを不均等に7分するペロッ、2つの音階(ララス)があって、さらにそれぞれにパトゥッと呼ばれる調があって、その時々で使い分ける。
これまでのお稽古で演奏してきた『ウィルジュン』は「スレンドロ音階マニュロ調」。それが前回のお稽古から、曲の途中で「ペロッ音階バラン調」を挟むことになって、そのパートはダルマ・ブダヤのメンバーが担当して、「日曜ガムラン」組はお休み。引き継いでお仕舞いなら気が楽なのだけど、スレンドロペロッスレンドロと進行するので、それなりに長い休符が続いた後再び演奏を始めないといけない。ペロッのパートに聴き惚れていると、先にもあげた通り弱起の拍、カウントを見失って、どこから入ればいいのか判らなくなってしまう。
こうして思い出しながら文字にするだけでもアタマが頭痛、不慣れな現場では卒倒レベル?!
本番直前のリハーサルが一番緊張・・・というか、不安感増大。

どうにかゲネプロを終えたのが、12時前後。本番前に腹拵えと衣裳替え。
春の「いちょう祭」の時は、ジョシダイセイの呼び声に惑わされて(?)、超レアでかなり水っぽいヤキソバを食べて調子が悪くなっちゃった(?)ので、今日は事前に買っておいたオニギリ。混雑する模擬店を物色している時間もありませんし。
お腹は満たされても、ココロの不安が払拭されない。で、喫煙ブースに駆け込んで紫煙に癒しを求める。
それで人心地はついたものの、ただ寛いでいるわけにはいかない。ワタシのミスで演奏を台無しにするわけにもいかないので、対策を考えておかないと・・・。
アタマの中で演奏曲をトレースしながら、リズム・パターンをお浚いして、導線の確認。長い手脚を持て余すなら、カラダの近くで叩くとなったら・・・、七重の膝を八重に折り、腕を振り回さないよう、コンパクトなスイング。腕を振るのではなく、体幹のひねりで対応しようとシミュレーション。作戦さえ出来上がってしまえば、それで仕上がった気になれるのがいいところ。何事も、迷いがあってはいけない訳で・・・。

今回の衣装は、直前にお譲り頂いたバティックシャツで、柔らかいピンク地にガルダをあしらった伝統柄。馬子にも衣装?
本番直前。リハーサルの時より落ち着いているような気がする。
徐々に聴衆も集まって、さて、いよいよコンサートの開演。

今回演奏される演目は、
ランチャラン「シンゴヌバー」ペロッ音階バラン調
(Lancharan SINGANEBAH laras Plog pathet Barang)
グンディン「マジュムッ」ペロッ音階リモ調
(Gendhing MAJEMUK ketuk 4 krep minggah 8 laars Pelog pathet Lima)
ラドラン「ウィルジュン」ペロッ音階バラン調/スレンドロ音階マニュロ調
(Ladrang WILUJENG Laras Pelog pathet Barang/laras Slendro pathet Manyura)
クロッシング
(Crossing・山崎晃男作曲)
ラドラン「ムギ・ラハユ」スレンドロ音階マニュロ調
(Ladrang MUGI RAHAYU laras  slendro Mantra)
の計5曲。うち、ワタシが参加するのは、1曲目と3曲目。
Dharma Budayaは、中部ジャワの伝統曲を主なレバートリーとしながら、新作も手掛け、「クロッシング」は代表の山崎さんの作曲によるもの。ペロッ音階スレンドロ音階が交錯するから「Crossing」。

スタンバイ。クンプールゴン・アグンの間に身体を滑り込ませる。後は野となれ山となれ?!
短い開演の挨拶からすぐに「ランチャラン『シンゴヌバー』ペロッ音階バラン調」。
リハよりは落ち着いて演奏出来ている・・・ように思えたのだけど、さて、どうでしょう。iPhoneにiPad、Apple Watchまで持参しているのだから録音しておけば良かった・・・と思っても後の祭り。
グンディン『マジュムッ』ペロッ音階リモ調」を影で控えて、サロン・ドゥムンを担当する3曲目の「ラドラン『ウィルジュン』ペロッ音階バラン調/スレンドロ音階マニュロ調」。ボカに乗り遅れず、上手く入れた・・・はず。スレンドロ音階のパートも、じっくり聴ける余裕も生まれて、ペロッ音階へ戻る時にも遅れることなく追従出来た・・・つもり。まだ客観的に全体の音を拾えるほどにはゆとりもないけれど、大きな乱れはなかった・・・と思うのだが・・・。
クロッシング」と「ラドラン「ムギ・ラハユ」スレンドロ音階マニュロ調」は、ただただその緩いビートに身を任せていればいい。特等席で、リズムの只中に浸っていればいい。

終演後、「日曜ガムラン」組だけでのプティ反省会では、ミスは無かった・・・ことになったが、どうなんでしょう。

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コンサートの後はワークショップ。ご来場された方々を交えて、ワイワイ楽しいジャワ・ガムラン体験教室。課題曲は、コンサートでも演奏した『シンゴヌバー』。「ランチャラン」形式がシンプルで覚えやすいので。
ガムランに使う鍵盤打楽器は音域も広くなくて、初心者でもそれなりに演奏出来る。ほとんどが打楽器だから、叩けば音は出る。西洋音楽のような小難しいメソッドもないし、ごくごく気楽に、ウルゥく楽しめる。間口が広くて、敷居が低くて、でも、極めようと思えば他の芸事と同様にとてつもなく奥が深く・・・、一年経っても上達した感が得られない・・・ような。

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ワークショップが終わってお片づけ。重い楽器を倉庫に運び、演奏会場を教室に戻して。これでようやった肩の荷も降りたような・・・。
さて、お待ちかねの打ち上げ・・・はもう少し先。反省会をされておられるDharma Budayaメンバーより一足お先にキャンパスを出て、夕暮れ迫る商店街へ。

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