大阪クラシック2017 第50公演

仕事を休んで「大阪クラシック」。今日のためにチケットを２枚買ってある。１枚は先の「第48公演」。もう一枚は「特別公演」となる、大阪能楽会館での『Classic&能』。その公演は18:15開場、18:45開演。「第48公演」がハネたのが14時を少し過ぎた頃で、随分間が空いてしまう。ランチかお茶か、感動で胸がいっぱいで何も入りそうにない。「第50公演」から「第54公演」までなら、時間的にちょうど埋められる。欲張れば、50と52と54？ とりあえず、「第50公演」の会場となる大阪市立科学館へ向かいます。

大阪中央公会堂から大阪市立科学館までは、同じ中之島内とはいえちょっとした距離。到着したのが、開場時間の14:30を過ぎて、開演の15:00は間も無く。

「第50公演」はShionこと「Osaka Shion Wind Orchestra」からパーカッション・セクションの３名がご出演される 。
「第４師団軍楽隊」をルーツにもち、2014年までは大阪市営「大阪市音楽団」を名乗り、前市長のお陰をもって一般社団法人「Shion」となった吹奏交響楽団。その中から打楽器奏者三名、池田千瑞さん、高鍋歩さん、多畑秀城さんが「第50公演」の出演者。

ワタシも最近はジャワ・ガムランの、いわばパーカッショニストですから、多少なりとも参考になるかなァっと。

パーカッションといっても、この公演で用いられるのはマリンバが２台とドラム・セット１組。
マリンバは、ガムランで使うガンバンに似ているけれど、こちらはピアノと同じ十二平均律で調律された木製鍵盤打楽器。小学校時代が懐かしくなる木琴の、音域を広げて共鳴管を備えて、豊かな音が出るようにした本格仕様。様々なヴァリエーションがあるようで、ここに並ぶ２台も、タイプが異なる。

開演時間となって、最初にマイクを持ったのは、激励かたがた訪れたプロデューサー大植英次。
その労いを受けて、Shionのパーカッショニスト３人による演奏は、ディミートリイ・ボリーソヴィチ・カバレーフスキイ作曲「道化師のギャロップ」からスタート。マリンバ２台とドラムでのトリオ演奏は、なんとなく運動会を思い出して走り出したくなる?!

マリンバはピアノよりはるかに大きな音板が並び、ピアノと違って指先で演奏することは難しいから、マレット(ばち)を使うが、片手に２本ずつ、両手で４本、それが目紛しいほどの速度で５オクターブの音域をもつ鍵盤上を躍り、単音から４和音、１台でメロディーもハーモニーもリズムも賄ってしまう。それが２台。それぞれがトレモロしたりグリッサンドしたり、とてもじゃないが記譜出来ないほどの音が連なって、驚くほどの表現力を見せつける。

ビックリさせられたところで、マリンバについてのレクチャア。
その木製鍵盤打楽器を演奏するために使うのはマレットと呼ばれるスティック状の撥。その先端には主にゴム製の球が付くが、それには多くの種類があって、この公演にもひとり20〜30本ずつ持ち込まれたようで、ご自宅にはそれぞれその100倍近くのマレットが所有されておられるとのこと。

なぜ、それほど多くのマレットが必要になるのか？

マリンバの鍵盤(音板)は低音域では薄く、高音域では厚くなるそうで、薄い低音域を堅いマレットで叩くと割れてしまう。分厚い高音域を柔らかいマレットで叩いても音が出ない。演奏する楽曲、その時々の奏法に応じて、使い分けなければいけないのだという。

その違いを示すために選ばれたのが、シャンソンを原曲とする「きらきら星」。３名で２台、一方を連弾としたマリンバでの演奏。堅いマレットではシャープに、柔らかいマレットではソフトに、それらを組み合わせての３つの変奏曲集。アマデウス・モーツァルトもびっくらぽんな「きらきら星 スリー・ヴァリエーションズ」。

続いて、ラグタイムが２題。スコット・ジョプリン「ジ・エンターテイナー」とハリー・ブリュワー「マレット・ア・ズーク」。シンコペーションが齎らすまったりしたリズム感が気持ちいい。

会場がプラネタリウムを兼ねた大阪市立科学館ということからか、次の曲はディズニー映画「ピノキオ」の主題歌としてコオロギのジミニー・クリケットが歌った「星に願いを」をしっとりと。

最後はビル・ウィーラン作曲「リバーダンス」。哀感たっぷり、はんなりまったりのアイリッシュ・ダンス・ミュージックに、立ち見で観てると自然に足が動き出す?!

アンコールも引き続き「リバーダンス」。

この公演も楽しませて頂きました。マリンバも奥が深いわ。いいお勉強になりました。

さて、まだまだ「特別公演」の開演まで間があるのだけれど、立ち見(とリバーダンスで??)で足も疲れたので・・・、お茶の時間。
次は大阪能楽会館に向かいます。

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コメント 2

いつも本当に楽しく読ませて頂いております、有難うございます。　「第50公演」には私も伺っていました！　ワンコインコンサートが30日に延期になりましたが、息子に会いに仙台に行きますのでパスします。ついでに「仙台クラシック」を覗いてきます。 また10月のコンサートでお会いしましょう。
by mitubati (2017-09-17 23:10) 

mitubatiさん、コメントありがとうございます。
「第50公演」に・・・というより、「大阪クラシック」にもお越しだったのですね。全く気付かず、お逢い出来なかったのが残念です。
「ワンコイン市民コンサート」が台風の影響とはいえ中止になってしまって、私も悲しい思いをしていたのですが、30日に再開と決まってひと安心。急なことでスケジュール調整が大変ですが、何せ広報担当ですから伺うつもりにしています。
そちらでもお逢い出来ないのは残念ですが、「仙台クラシック」を楽しんで来てくださいね。
では、10月の『ウィーン、夢の街』でお逢いしましょう。
by JUN1026 (2017-09-18 00:03)