スペシャル・プレートと特別なお茶：黒薔薇堂随想LOG：SSブログ

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スペシャル・プレートと特別なお茶　[散歩・散走] [編集]

クリスマスやら忘年会やらで、この時期ついつい過食、暴食ぎみ。体重が増える分にはいいのだけれど、体脂肪率も上がってしまって、これは戴けない。時間があれば、脂肪燃焼のために自転車で走ろう。

というわけで、寒風吹き荒ぶ街に漕ぎ出す。
今日の大阪は、曇りがちで風が強い。ちょっとココロが折れそうだけど、雨さえ降らなければ自転車日和としてしまう。
走り出すと、身体が冷える。手足の指先が冷たくて、感覚が鈍る。軽いギアを選んで、ケイデンスを高めて、運動量を上げる。
マーキュリーブルーとマーキュリーグレーがせめぎ合う空の色。青勝ちになると、日差しが暖かくて幾分か心地いいのだけれど、灰色が分を広げると風が勢力を強めるようで、刻々と体感気温が変わる。ビル風が煽る。それでも走っているだけで、気分は晴れやか。

遠くまで出掛ける時間もないので、今日も「オレの庭」散策で、上町ヒルズを駆け上がる。天神橋筋から松屋町筋を南下して、愛染さんこと西国愛染十七霊場・第1番札所「愛染堂・勝鬘院」を目指す。
松屋町筋から「天王寺七坂」のひとつである「愛染坂」を登って行くことも出来るが、そこは自転車通行不可・・・というか、自転車は降りて押さないといけない。松屋町筋を「七坂」の南端、かつての「逢坂」である国道25号を左に折れて、上町筋に迂回。そちらから愛染さんにアクセスする。

愛染堂のご本尊は縁結びの仏さま。もともとは煩悩(愛欲や欲望、執着)を悟りに変えて、菩提心(悟りの境地)にまで導いてくれる力を持つ仏さまであるところの愛染明王がご本尊。梵名は「ラーガ・ラージャ」といい、全身はギラギラと燃えたぎるような赤色で、三目六臂(三つの目と六本の腕)を備え持ち、まるで私たちの不甲斐無さを叱りつけているかのような忿怒の形相をされているが、それは衆生済度の為、諸々の悪者を追い返す為であり、根は優しく、愛敬開運を授けて下さるご利益があるとされる。秘仏とされて、愛染明王の大縁日にあたる「愛染まつり(06月30日～07月02日)」とお正月の「修正会(12月31日の深夜～01月07日)」のみ御開帳されている。
今日はそのお姿を望めないが、願いは聞き届けて頂ける。
「愛染」＝「藍に染める」という言葉から、染め物屋、アパレル関係者からの信仰も篤く、愛敬をアップしてヒットを祈願する芸能人、商売繁盛を願う商人・企業家、出世を願うサラリーマンとその家族、身体健全を祈る人たち、必勝祈願の受験生と、愛染明王は不動明王と並んで多種多様の方々から支持されていて、そのの霊験は「無病息災・増益・敬愛・降伏・鈎招・延命」で、特に良縁成就や結婚成就・夫婦円満においては仏教神の中では最強最高、その手に持たれた弓と矢で愛のキューピットのように人と人、心と心を結び付けとされる。
縁結び・・・新しい縁も望みたいが、今年一年良縁に恵まれて、そこそこ幸福に過ごせたことのお礼参り。今年も様々なヒトと出逢い、色々なモノに触れて、面白く過ごせた。まァ、夫婦というか、家庭も円満・・・だったかな。
欲張りですから、来年の良縁も願っておく。天使過ぎるカフェ店員とか美し過ぎるカフェ店員とかキュートなカフェ店員とか・・・。５円玉ひとつで多くのご縁を願いすぎ?!

本堂裏の多宝塔へ回る。大阪市内に残る、桃山時代の唯一の遺構であり、国の重要文化財(旧国宝)に指定され、その内部には二臂(12本の腕)をそなえ持つ、世にも珍しい大日如来さま「大日大勝金剛尊」が安置されているが、それも「愛染まつり(06月30日～07月02日)」の折りしか拝見することは出来ない。

ついでというと不遜だが、お隣の大江神社にも立ち寄る。
こちらには、狛犬ならぬ狛トラがあって、阪神タイガース・ファンの聖地とされているが、とらちゃん(仮)こと息子さんの成長と学力向上を願っておく。

で、ちょうど時分どき。脂肪燃焼で走り出したのに、時間が来ればお腹が空くのは逃れられない。今日も、おひとり様カフェ・ランチに向かいたい。
今日を走り納めのカレー納めとするか、明日もチャンスはあるかと考えながら、TwitterのTLを追っていると、お気に入りのカフェが今年最後の営業で限定ランチが用意されるという。それを逃してなるものか。

お気に入りのカフェ、Cafe Toki onaは北区天満にあるオシャレな人気店。ランチメニューには日替わりプレートと日替わりパスタ、その他があって、本日の日替わりプレートは・・・、
国産若鶏とゴロゴロお野菜のクリームシチュー
海老とアスパラのアヒージョ風オイル漬け
プチトマトこんがりのオーブン焼き
ごはんとベーグルが選べて、"幸せベーグル"はクランベリーとなっている。
それも美味そうなのだけど、わずか５食限定のスペシャル・プレートをオススメされて、0.3秒考えてからそれをオーダー。

クリームシチューを「ぜいたくゴロッとフォアグラ入りハンバーグ」に置き換えたスペシャル・プレート。
脂肪燃焼に出掛けながら、フォアグラやハンバーグを食っていいものか・・・という自問自答は0.1秒で払拭されてしまう。

別添えのトマトスープが冷えた身体をほっこり暖めてくれる。
ハンバーグは、無駄に肉汁を含まず、よく焼かれたワタシ好みの仕上がりで、なかなかに美味・・・なのだけど、その中に仕込まれたフォアグラはビミョーに怪しい。不味くはないが、値段相応。
一瞬ウメボシかと思ったプチトマトのオーブン焼きも良い感じ。
もちもち食感のベーグルにはママレードが添えられて、それもグッド!! プレーンとクランベリー入りの半分ずつがちょうどいい分量。
今日はドリンクを追加注文せずに完食。

食後のお茶はいきつけのGallery Cafe S'n緑anに移って。

今日は和紅茶を頂こうと思ったら、珍しい嬉野産の和紅茶があるという。有機栽培された希少な品種らしいのだが、あまりに繊細で淹れ方が定まらず、試行錯誤して、中国茶風に淹れるのがベターというところまで来たので、テイスティングしてみて欲しいという。
中国茶用の小さな急須に適量の茶葉を入れ、熱い湯で急須ごと蒸らす。慎重に時間を計ってから、温めたポットに移す。それを中国茶用の小さな茶碗で頂く。
水色(すいしょく)は鮮やかな赤で、香りはかなりフルーティ。
ひとくち飲んでみる。お茶らしい甘みや渋みより、フルーツ系のフレーバー・ティーのような、甘いような、酸味があるような、不思議な味わい。茶葉以外は入っていないはずなのだけど、香り付けされたかのような、アールグレイなどのフレーバー・ティーに近い感じがする。
三煎まで楽しめるとのことで、二煎目を頂戴すると、最初と違って、角がとれたような円やか風味となる。一煎目が濃すぎた・・・ということでもないと思うのだが・・・。
とおしゃべりに夢中になっていると、お茶が冷めてしまったのだが、アラ不思議!! 冷たくなると、香りや風味が少し薄れて、より円やか。夏場に、濃いめに淹れて、氷を入れたグラスでたっぷり飲むのにいいかもしれない。
三煎目は、香りも風味を抜けて、心もとない味わい。口直しのチェイサーって感じで。

こちら、S'n緑anでは来年から、季節ごとのチャイニーズ・ティーなど、お茶のメニューも充実を図るのだとか。ヴァリエーションが増えると、立ち寄る回数も増えてしまう・・・かな。
暖かい室内で熱い和紅茶を頂いて、夜勤明けの身体は眠気を催す。ランチ・プレートでお腹は満たされ、お茶で少し酔ったような・・・。幸せベーグルに特別なお茶。あとは、帰って、午睡を貪るだけ?!