Mercury(の)Blue [日記・雑感]
ワタシが乗っている"r&m BD-1"は"マーキュリーブルー"というカラーで、2007年モデルだけの限定色だったのか、不人気だったのか、同色車と出逢った事がない。BD-1ミーティングや御堂筋サイクルピクニックなど同好の士が多く集まる機会でも何故か全然お見掛けしない。
「キレイな色ですね」とか「いい色ですね」とお声を掛けて頂く事も結構あるので、それほど不人気とも思えないが・・・と記事にしたのが昨年11月のこと(→記事参照)。
さて、マーキュリー(Mercury)な青である。
マーキュリーといっても、英国のミュージシャンのことではない。♪Bicycle bicycle ・・・♪
マーキュリーといっても、美少女戦士アニメに登場したセーラー戦士のこともでない。水野亜美ちゃん?
もちろん、1959年から1963年にかけて実施された、アメリカ合衆国初の有人宇宙飛行計画で使用された宇宙船のことでもない。
マーキュリーといえば、ギリシア神話におけるヘルメース(Hermēs)と同一視される、ローマ神話に登場する神、メルクリオス(Mercurius)の英語名。
だが、MercuryBlueは"伝令神"の青ではない。
では、その"伝令神"の名を戴いた、公転周期約88日、自転周期58日で忙しなく動く、太陽系の惑星のことかとも思うがそうではない。
MercuryBlueは水銀の青。
原子番号80の、常温で凝固しない唯一の金属。原子記号はHgであるが、これはラテン語「hydrargyrum」 の略で、古典ギリシア語の「hydrargyros(水+銀)」に由来するらしい。凝固せず流動することから"生きている銀"とも呼ばれたとか。英語名の「Mercury」は、天球上をせわしなく移動する水星を流動する水銀に結びつけたもの。また、液体で金属であるという流動性が、神々の使者として天地を 自由に駆け巡ったヘルメースの性格と関連づけられたためともいわれる。
発光体や顔料としても利用されるその液体金属は、光の当たり方によって銀白色または銀灰色に見える。振り返って、わがBD-1のMercuryBlueもまた光の具合によって、銀白色、銀灰色に見えたり、薄瑠璃色に見えたりする。その微妙さゆえにMercury(の)Blueと名付けられているのだと思われる。キラキラと輝いて見えるからと言って、メタリックライトブルーとかブリリアントパールブルーとかウォーターブルーマイカとか自動車めいた呼称でないのがいい。神話めいた、錬金術的な、ミステリアスなMercuryBlue。
靑(蒼、碧、あお)自体ヴァリエーション豊富。水色、空色から瑠璃色、藍色、紺色も青と総称される。はては、葉っぱや信号機の"すすめ"も青と呼ばれたりする。
自転車の世界でブルーといえば・・・。
イタリアのブランド「GIOS」はロジャー・ドブラマンクが駆ったバイクのフレーム色を引き継いだ"ジオス・ブルー"。これはかなり濃く深い青。同じくイタリアの「BIANCHI」には、イタリアの空の色を映した"チェレステ・ブルー"がある。こちらは緑がかった柔らかい青。イタリア語の"Celeste" は碧空、天空。かつて、マルゲリータ王妃に歴史上初の女性用自転車を彼女のために制作し献上した縁から、王妃の目の色をモチーフにしたという伝説もあるらしい。ロマンティックやね。
少し前までは、BD-1のカタログ上には「MercuryGray」というカラーも存在したが、今は単純に「Gray」となっている。「COMFORTモデル」に「Candy Green」、「Peal White」 という色目があるが、他のモデルでは「Blue」、「Red」、「Brown」、「Black」などえらくアッサリした呼称が与えられてちょっと寂しい。
花時となると、梅や桃、桜が咲き出す今時分から「Giro d'Italia」が開催される頃合いになると、何故か、超有名なロボット・アニメで主要キャラクタが搭乗したモビルスーツに倣った濃淡ピンクの2トーンに塗り替えてしまいたくなってしまうのだが、陽光の下で、それも海辺で眺めると、このMercuryBlueも悪くないと思ってしまう。
キズ隠しにオールペンしたい気もするが、おっさんですから、「赤い彗星」ではなく、「青い巨星」なカラーリングにすべきか?
アニメといえば、最初に取り上げた美少女戦士アニメは「誕生20周年記念作品」として新作が発表がされるらしい。ワタシはオッサンですから全然縁がないのですが、うちのおちびちゃんが幼稚園に上がる前、大きくなったら「セーラーマーキュリーになりたい♡」と言っていたのを思い出しました。まァ、美少女どころか男の子・・・なんですがね。
そういえば、セーラーマーキュリーのイメージカラーもブルーでしたな。
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