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音楽に包まれた一日 ~ 大阪クラシック2012最終日 [音楽のこと]

一週間に渡って大阪(の御堂筋界隈)をアーティスティックに彩った「大阪クラシック ~ 街にあふれる音楽 ~」も今日が最終日。聞き逃してしまった公演は多くあったけれど、それでも十分"秋の風物詩"を楽しめた一週間。
平日は時間が取れなかった分、最終日の今日はたっぷり楽しみたいところ。もちろん、一番のお目当ては最終公演。
"音楽は楽しむもの"と仰るマエストロ大植英次がプロデュースを勤める音楽祭も数えて今年で7回目。"ラッキー7"とも仰っておられたが、その間マエストロは大阪フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を辞され、桂冠指揮者となられてもこのイベントを続けて下さって、エイリアン・トークとともに自ら指揮、演奏を精勤されておられるのが有り難くも頭が下がる思い。
その一方、演奏だけでなくマイクを持っても楽しませてくれた主席コンサートマスターの長原幸太やヴィオリストの吉田陽子が今回のステージにはいないのが寂しいところ。特に、毎年楽しみにしていた麗しき女性弦楽奏者5名によるモーツァルトの弦楽五重奏曲が今年は聴くことが出来ないこと。1番から5番まで毎年1曲ずつ演奏されて、今年が最後の6番となるはずだったのが聴けないなんて残念至極。

さて、今日の最終日。一番のお目当てが19:30からの最終公演でも、その整理券の配布は08:30。いい席をゲットしようと思えば自ずと朝早くに出向かなければいけないわけで。5時に自宅を出て、配布所の大阪市役所に5時半。長い一日の始まり。
頂いたメールを見落としていたようで、行き違いになって、ヨッシュさんとポコ☆さんが少し遅れて列に加わる。申し訳ないことをしました。ヨッシュさんはBROMPTONとともに参列。
途中降り出した雨を避けるために庁舎内へ誘われての長い待ち時間。

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08:30、配布が開始されて、手に入れたチケットは「す列-18」。オープニング同様、2列目のほぼセンター。ポディウム正面の座席。フィナーレはステージを使わず、アリーナにオーケストラが展開するとかで前列が幾つか撤去されたために880席が770席。よって、オープニングの「き列」とフィナーレの「す列」がほぼ同じ位置。
座席が確保出来てひと安心。
さて、フィナーレまでをどう過ごす? 今日の口開けは11:00だが、それはこども向け公演。その次が11:30からの「第79公演」。チェロとコントラバスのデュオで「THE LOW BOYS」というらしい。ジャン・バリエールとジョアキーノ・ロッシーニのソナタ2題。面白そうですな。

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お仕事があるというポコ☆さんは、ヨッシュさんともども一旦帰宅されるというので、そこで暫しのお別れ。ヨッシュさんとは「第79公演」で待ち合わせて、その前に独りでちょっとブレーク。
「第79公演」が行われる"京阪神不動産御堂筋ビル"のはす向かい、EXCELSIOR CAFFE 淀屋橋で遅いブレックファースト。"ジャンボハム・レタスサンドセット"にロイヤルミルクティー。

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開場時間が近付いたので会場となる"京阪神不動産御堂筋ビル"へ。ヨッシュさんと再合流。
"LOW"と名乗る低音弦楽器のデュオは、伸びやかに唄うVcとズンッ(!)とお腹に堪えるCbが絶妙に絡み合って柔和なハーモニー。近藤浩志(Vc)と新真二(Cb)、お二人のやりとりも楽し気。残念なのが会場のせいで"鳴り"がよろしくない。

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途中、イベント・プロデューサー大植英次乱入のサプライズ。
演目はジャン・バリエール/「チェロとコントラバスのためのソナタ」、ジョアキーノ・ロッシーニ/「チェロとコントラバスのためのデュオソナタ」。それに加えてアンコールは近藤さんが編曲された「団子三兄弟 低音デュオ・ヴァージョン」。
マエストロのご好意(?)でアンコール以降は写真撮影可となって、その後は撮影会・サイン会。マエストロとヨッシュさん、ワタシの3ショットまで撮って頂いて、先達ての昼公演のおまけのバッグにサインを頂き、感謝感激アメアラレ!!

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今日は精力的にコンサートを巡りましょ。といっても難波まで下るのはちとシンドイ。大阪市中央公会堂地下の「中之島倶楽部」でオムライスを食してから、2つ目は大阪市役所で13:30からの「第82公演」弦楽五重奏へ行くことに。

4日目の水曜日は「ピアノ・スペクタキュラー」で4台のピアノの競演、協奏を十分楽しんだ。今日は弦楽アンサンブルを楽しんで最後は怒濤のフルオーケストラとしたい一日。
ピアノやオルガン、鍵盤楽器は平均律の理から逃れることが出来ない。YAMAHAのシンセサイザーDX7等一部のキーボードでは平均律以外の音律も選べたが、使いこなすのは困難だった。弦楽器や管楽器は自由度が高く、よりピュアなハーモニーを構成することが出来る。"数学的に正しい"うえに耳に心地いい。長い一日の疲れさえ癒してくれそう。よって弦楽アンサンブル中心のセレクト。

「中之島倶楽部」でノンビリしたあと大阪市役所へ行ってみると、ノンビリし過ぎたのか既に超満員の人出。大フィルの首席客演コンマス崔文洙率いるクインテットの人気か楽曲の由縁か、立錐の余地もないほど。崔文洙、高木美恵子(Vn)、岩井英樹(Va)、松隈千代恵(Vc)、三好哲郎(Cb)での、アントニン・レオポルト・ドヴォルザーク/「弦楽五重奏曲 第2番 ト長調」もさることながら、アンコール曲のヴィットーリオ・モンティ/「チャルダッシュ」も流石の名演。

 

続いて15:00からの「第85公演」は中之島ダイビルでの弦楽四重奏。ここでmotoさんと合流。今日は"CARRY ME"で参戦。確かに市内を散策してホールやカフェに立ち寄るにはこれが一番便利っぽい。
徳岡裕紀、鈴木洋子(Vn)、ステファン・ポポフ(Va)、分藤美紀子(Vc)のカルテットで、演目はモーツァルト/「ティヴェルティメント ヘ長調 K138」、他。"大阪"に所縁の楽曲を"ということでブリッジの「横町のサリー」と「熟したサクランボ」。"法善寺横町"や"ジャンジャン横町"があって、大阪市の市木が"サクラ"だからというのが選択理由らしい。アンコールはポポフさんの故郷からブルガリア舞曲。

さすがに少し疲れて来た。次もダイビルの公演と決めて、ヨッシュさん、motoさんと3人でお茶。

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ティー・ブレーク後に中之島ダイビルに戻る。何れの会場もすごい人出。年々観客が増えているような。
17:30からの「第88公演」はオーボエ:佛田明希子、クラリネット:梅本貴子、ファゴット:星野則雄によるトリオ・ダンシュ。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/ディヴェルティメントよリ、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/「奥様お手をどうぞ」による変奏曲、ジャック・フランソワ・アントワーヌ・イベール/木管三重奏のための五つの小品より、というのが演奏曲目。途中木管ひとつずつの解説なども交えた楽しいコンサート。アンコールはスコット・ジョプリン/「ジ・エンターテイナー」。

motoさんとはこれでお別れ。さて、いよいよ本日のメインエベントであるフィナーレ公演へ向かう。

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「大阪クラシック2012」のフィナーレとなる第90公演は大阪市中央公会堂にて19:30開演。《新世界&通天閣100周年記念》と名付けられた本公演のプログラムはヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲、アントニン・レオポルト・ドヴォルザーク/交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界より」、他となっている。演奏は大阪フィルハーモニー交響楽団、指揮はもちろん大植英次。"ラッキー7"に拘って77名の編成となって、ステージに収まり切らず、平場に展開。おかげでワタシの席からは手が届きそう。

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お仕事へ出向いていたポコ☆さんもギリギリに滑り込んだようで、満員のホールは開演を待つ緊張感。オーケストラのメンバーが徐々に集って定刻を過ごしてマエストロの登場。館内は割れんばかりの拍手!!
まずは演奏曲の解説。今回「タンホイザー序曲」を選んだのは、会場となった大阪市中央公会堂の落成後に演奏された最初の楽曲が同曲であること、現シチョーとハインリッヒ:タンホイザーが同じイニシャル"H・T"となることからだそうで。
水曜日に4Pf版で聴いたのもド迫力だったが、やはりフルオーケストラ、圧倒的な音の厚みが半端無い。これだけで5時起きした価値がある。
毎回衣装や小道具で楽しませて下さるマエストロ。今日のネタはと思ったら、まず、衣装がワーグナーから賜っもの・・・に似せて作ったというジャケット。それを脱ぎ捨てての2曲目は「新世界より」。
こちらの選択理由は、もちろん新世界&通天閣100周年ということ。もしかして、何気に"大阪都"や"維新"を意識しているのか? それともこれからの"大フィル"に対するリスペクト?
ドヴォルザークの子孫から伺ったという作曲秘話は興味深いが、通天閣やら阪神タイガースやらウンチクトークに付いて行くのがタイヘン。
演奏の方は揺るぎない安定感で胸にヒシヒシと迫る。感動という詞だけでは言い足りません。賛辞と拍手が鳴り止まない。
予定の演目が終っても"他"が残っている。ジャケットをさらに脱ぎ捨てて2度目の衣装替えは法被姿。となると、他ならぬ恒例の「八木節」は満場立ち上がっての手拍子で異様なほどの盛り上がり。
熱狂覚めやらずアンコールを求めるが、公会堂は21時30分には完全撤収しなければならないそうで、残念ながら時間切れ。

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外に出て、ここでも密かにマエストロを出待ち。幾つかある公会堂の出口、どこからお出でになるか判らなかったが、ポコ☆さんのファインプレイでタクシーに乗り込む直前の大植さんを見つけることが出来ましたァ。パチパチ!!

今日一日で5公演、期間中1週間90公演のうち3日で8公演。もっと観たいところもあったが、十分堪能出来た今年の「大阪クラシック」。ぜひぜひ来年も、いやいや、大阪がどんなに変わろうと"秋の風物詩"として末永く続けて頂きたいと切望するばかり。 まァ、プロデューサーが「来年も」と仰ったんで大丈夫・・・でしょう!?


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yosshu0715

昨日は一日中お世話になり、大変ありがとうございました!!(笑)
お宝写真はちゃんとメールしておきましたよ!!(笑)

今年はオープニングを見逃しましたがそれでも7公演、大植さんのサイン2つ、一緒の写真1枚、握手2回と成果は絶大でした!!(笑)

昨年のフィナーレは滂沱の涙、今年は新世界で温かい涙とまた違った感動で、大いに盛り上がった大阪クラシック、来年も是非開催して欲しいものですね!!(笑)
(早起きは大変ですが!!)
by yosshu0715 (2012-09-09 05:24) 

moto_tip_sp

昨日はお世話になりました。
大阪クラッシック名前は聞いたことがあったのですが、クラッシックって何か敷居が高そうだったので行かなかったのですが、もっと早くから行っていればと思いました。こんなに気軽に楽しめるイベントがあったとは(^^;;
ファイナルの素晴らしさが伝わってきてうらやましいです。今年は用事があったのでファイナルは行けませんでしたが、来年もあるようでしたら朝早くから並んでみようかと思います。
今度はポタ会でお会いできればと思います。
by moto_tip_sp (2012-09-09 08:45) 

JUN1026

ヨッシュさん、コメントありがとうございます。
こちらこそお世話になりました。お宝写真も確かに頂戴しました。
まだまだ暑いし、年々観客は増えるし、多くの公演を廻るのは大変ですが、フィナーレだけでも十分すぎるほど楽しめるし、早朝から並ぶ価値があると思います。
来年以降も続くといいですね。
by JUN1026 (2012-09-09 12:53) 

JUN1026

モトさん、コメントありがとうございます。
私も最初は半信半疑、どうかと思いつつも早朝から並んでオープニング公演を観てショックを受けました。
イベント自体が思いの外楽しめたのもそうですが、これだけ多くの音楽愛好家が観客として集まることに驚きました。
(開催されるなら)来年はぜひオープニング、フィナーレもご一緒しましょう。
そうそう、ポタ会でもぜひご一緒させて下さい。和歌山までラーメン喰いに・・・とは行きませんが・・・。
とりあえず「第3回 御堂筋サイクルピクニック」ですね。
by JUN1026 (2012-09-09 13:03) 

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