SSブログ

台風見舞いと終活の母 [日記・雑感]

今日は本当は、京都までピカソの版画を拝見に行く予定になっていたのだけれど、先日関西を襲った超大型台風21号の残した爪痕の、その一部がワタシの身内にまで及んで、今日はその見舞いに参ります。

幸いにも我が家には直接的な被害はなかったものの、自宅前の拡張工事中の道路に敷設された仮説ガードレールが大きな音を立てて倒壊して路を塞いだり、街路樹が何本も薙ぎ倒されたり、住まいするアパートメントが地震かと感じるくらいに激しく揺れたり、色んなものが宙を舞ってそれが窓を直撃しないかとお昼間自宅に居た奥様が少々恐い思いをされたという程度に止まって、まずはひと安心ではあったのだが・・・。

自宅も心配ではあったのだが、独居老人独身女性となった母が住まう実家も気掛かり。気丈なようでも、オンナ独り。強がってみても、世間的にはお年寄り。
ええ、昼日中公園で屯ろし、そこの花壇を汚すヤンキーを箒一本で蹴散らしたり、父の死につけ込んで掛かってきた還付金詐欺の電話を撃退しちゃったり、未だにメッチャ強いオンナ独りではあるのだけれど、然りとて自然の猛威、それも半端ない規模の暴風雨には抗う術は持たないはず。
本人も古いが、住まう家屋も老朽化。それが持ち堪えるのかと案じてしまう。まさか、ペシャンコにはならないだろうが、窓が割れたの、屋根瓦が飛んで雨漏りするのとなったら・・・。

気掛かりではあるが、辺り一帯が停電になったとかで、固定電話が通じない。こういう時のために携帯電話を持ってくれと言ったところで、勿体無いの、使い方が分からないのと、持ちたがらない。
だからと、高齢者向けの緊急通報サーヴィスに加入していたものの、それも停電の際はどうなのよ。

が、よくしたもので、遠くの(頼り無い)息子より近くの他人様。予備電源をお持ちのご家庭が独り身の母を案じて、彼女を保護してくださっていて、曽孫のような小さなお子さんが遊び相手になってくれていたのだとか。
翌5日の午前中に停電も復旧。近隣に破損した家屋があるものの、実家はほぼ無傷で済んで、母もごく平静を保っているとの報せ。

遠くの息子・・・といっても、阪神高速道路を全開バリバリで飛ばせば30分とかからない。仕事のある日中はともかく、それが撥ねた後実家に向けて走ってみると、大阪市内は何処もなかなかに酷いことになっていて、改めて自然の猛威の恐ろしさを知る。
実家の雨漏りや被害状況を確認したいが、暗くてそれも進まない。まァ、母さえ無事なら家なんて壊れちゃっても構わないと言えば構わないのだけれど、こういう状況下では修繕依頼を出したとてすぐには対応されないだろうし、とりあえず何事もなかったと胸を撫で下ろしはしたものの・・・。

被害が大きかったのは、弟が暮らすアパートメント。何かが飛来してリビングルームとバルコニーを仕切る掃き出し窓が割れちゃったとかで、そこに雨が打ち込んで水浸し。地上5階だと言うのに浸水被害?!
水を掻き出さないといけないわ、割れた窓の補修もしないといけないわ、なってしまった被害はともかく、そこからの復旧作業が大変で、仕事どころではなかったらしい。窓ガラスもすぐには対応してもらえないとかで、とりあえずホームセンターで板やらビニールシートを買って来て応急処置。暴風雨がいつまでも続けばどうなっていたやら・・・とのこと。
その弟でさえ、まず母の安否を気遣ったとか。

その近隣の親類、友人・知人宅も同じような状況のようで、カーポートが破損したの、植栽が薙ぎ倒されたの、人的被害こそ免れたものの、まだ停電が続く地域もあって、災禍は甚大。
一人ひとりに安否確認や被災見舞いは出来ないものの、連絡のつくところは無事を確かめ合って、それも漸くひと段落したところ。

無事ではあったものの、この厄災を受けて、それまで思いつきの希望であった母の願いはいよいよ現実味を帯びた様で・・・、
自宅とそこに安置された古いお仏壇と先祖累代の墓所は処分し、それをお金に換えてワタシと弟に相続し、自身は老人養護施設に入る・・・とは、一昨年に父が没したときからの母の希望。
もしも自力で食事が出来ないほどに衰えたら延命処置は必要ない。摂食や排泄を他人に委ねるのは、受け入れられないのだとか。自立出来ないほどに永らえたくはないと仰言る。ワタシと弟、その家族に余計な手数を掛けたくない、ご近所の迷惑になるのは心苦しい・・・とのこと。
父が亡くなった時に、大掛かりに断捨離してしまって、オンナ独りのシンプルな暮らしぶり。これを機に、旧い因習も断ち切って、ワタシや弟には、自分の(新しい)家族と自身の仕事や生活だけに専念しろとの仰せ。
とはいえ、今回の場合でも、ワタシや弟はともかく、母が無理矢理ご近所の保護を求めたわけでなく、あちらから差し伸べられた善意の手。誰も迷惑がってはいないはず。状況が状況だけに、甘えられるものなら甘えても、非難されることでもないはず。
自宅はともかく、お仏壇や墓所となると、母の一存だけで、はいそうですかと応えてよいものやら。要親族会議の議案ではないかと。祖父母やご先祖様たちにワタシが怨まれちゃう・・・のはいいとしても、軽々には判断出来ないこと。自力摂食出来無くなったからといって、その後のケアは止めてしまうなんてことが出来るわけもない。
まだ独りで生活出来る程度に元気でもあって、もう少し考えましょうということに落ち着きはしたのだが・・・。
とりあえず、次の東京オリンピックも観て、85歳まではこのまま活きるつもり・・・ということにはなったが、「母の終活」をどうサポートするか。老いては子に従えとは言うけれど、それほど老いたという自覚に欠けるのかしらン。なかなかに難儀な難問。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント