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谷本綾香 メゾソプラノリサイタル "España" [音楽のこと]

今日は今年最後の「ワンコイン市民コンサート」で、大阪大学会館のステージに登場するのは英国ロンドンを中心にオペラ歌手として活躍中の谷本綾香さん。

 

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歳より声楽を始め、2005英国王立音楽大学(Royal College of Music)声楽専攻に入学、オペラのレパートリーは20役を超え、モーツァルト作曲「コジ・ファン・トゥッテ」のドラベッラ、「フィガロの結婚」のケルビーノ、シュトラウス作曲「ばらの騎士」のオクタビアン、ビゼー作曲「カルメン」の主役などを演じ、いずれも好評を得ているという。ロンドンのオペラ・ホランドパークやフランスのオペラ・ドゥ・ボージェの専属オペラ歌手として活躍するかたわら、ソロとしてリサイタルを開き、スペインのギタリスト、ホセ・マリア・ガジャルドとデュオを組み、クラシックとフラメンコ音楽のフュージョンにも挑んでいるのだとか。
今日はどんな歌声を聴かせて頂けるか、楽しみなところ。
そんな綾香さんを
ホール常設のBösendorfer252でサポートするのは松尾久美さん。彼女も英国王立音楽大学を卒業されて、ロンドンを中心にワールドワイドに活躍されている由。

予定されるプログラムは、
   アグスティン・ララ(Agustín Lara)
      「グラナダ(Granada)」
   ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet)
     オペラ「カルメン(Carmen)」より『ハバネラ(Habanera)』
   フェルナンド・オブラドルス(Fernando Obradors)
     1.「その柔らかな黒髪で(Del cabello más sutil)」
     2.「山のあの帽子(Aquel sombrero de monte)」
   レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)
     オペラ「キャンディード(Candide)」より『影響されやすいの(I am easily assimilated)』
   エドワード・エルガー(Edward Elgar)
     1.「ダマスクローズのように(Like to the Damask Rose)」
     2.「ロンデル(Rondel)」
     3.「羊飼いの歌(The Shepherd's Song)」
   エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos)
     1.「18世紀の詩人の歌(Canção do Poeta do século XVIII)
     2.「サンバ・クラシコ(Samba Classico)」
   ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet)
     オペラ「カルメン(Carmen)」より『セギディーリャ(Seguidilla)』
   パブロ・ルーナ(Pablo Luna)
     サルスエラ「ユダヤの子(El niño judío)」より『私はスペインから来た(Zarzuela “De españa vengo”)』

テーマ通りにスペイン風味。

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開演前、ステージにはBösendorfer252とともに、何やら四角い箱がひとつ!?

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何かと思えば、ペルー発祥の打楽器カホン(Cajón)で、綾香さんと久美さんに加えて、パーカッショニストのKris Rocheさんがサプライズ・エントリーするとのこと。

15:00となって、開演。ステージに登場した綾香さんは鮮やかなローズ・オルタンシャのドレス。前だけミニ丈でセクシーですこと。舞台に季節外れな花が咲いたよう。

メキシコ人の作曲家が訪ねたことのないスペインの古都を賛美した楽曲からプログラムが始まる。
綾香
さんの歌声は、若々しいハリがあって、伸びやかに存在感も高く、表現力も十分、ホールに心地よく響く。力強くて、雄々しい歌詞との違和感も感じさせない。
久美さんがパーカッシヴに
Bösendorfer252から弾き出すリズム・・・というか、クリスさんのカホンと相まって、そのビート感が小気味いい。今日のベーゼンドルファーは打楽器かと思いきや・・・。

綾香さんはトークが苦手ということで、楽曲の紹介と解説はピアニストの久美さんが担当。で、謎の箱型打楽器カホンの解説はクリスさん。綾香さんのスペインでの幼馴染だというそのパーカッショニストが、一番日本語が流暢というのも・・・?!

二曲目はビゼーの「カルメン」から『ハバネラ』。第1幕でヒロインが奔放に歌い上げるアリア・・・なのだけど、綾香さんから客席の聴衆に注文がついて、コーラスで盛り上げて欲しいとのこと。歌劇の舞台を埋め尽くす群衆役を演れということか?! 予習してきたとはいえ、フランス語の歌詞までは頭に入っていないぞ!! ・・・と心配するまでもなく、"L’amor!"のコール&レスポンス。
そこだけ少しリハーサルして、すぐに本番。空調が故障中とかで冷え冷えしていたホールがセビリアのタバコ工場に・・・なりはしないけど、ほっこりした""が溢れて少し暖まったように感じられて。華やかで快活で優艶なカルメンがその中心にいる。
お花を投げてくれたら、ドン・ホセになって『花の歌』を歌おう・・・ってわけにはいきませんな。

スペインの作曲家オブラドルス溌剌なラヴソング2曲に続いて、「キャンディード」から『影響されやすいの』。フランス語からスペイン語、英語と使い分けて、次々に役柄を変えていく。カルメンからオールドレディーまで。ここではコーラスは・・・要らないのですね?!

ここで前半終了。15分の中休み。

後半は、衣装を変えて、深いペルヴァンシュ、あるいは夜の
ともに英国王立音楽大学卒業後ロンドンを中心に活躍されている綾香さんと久美さんはOutré(うーとれ)"というユニット名でデュオとしても活動されているそうで、差し当たっての目標はCDデヴューを果たすこと。念願叶ってリリースされたアルバムに収められているのがエルガーの楽曲。伸びやかな歌声と叙情的なピアノ。メゾソプラノの表情が変われば、それに連れて、ピアノの伴奏形態もそつなく変化する。ベーゼンドルファーもメロディアスに唄う。

それに続くエイトル・ヴィラ=ロボスの歌曲はラテンアメリカ的なリズムと古典的なメロディーのブレンド。
そして再びカルメンの登場。ドン・ホセを蠱惑的に誘う"誘惑のアリア"はアンダルシアの舞曲のリズムでセンセーショナル。コケティッシュ過ぎず、キュートなカルメン
プログラム最後はサルスエラ。海の幸いっぱいのカタルーニャの海鮮スープ・・・じゃなくて、スペイン風味のオペラ。そこはかとなくエスニックでダンサブル。そのリリカルな"お出汁"の風味にいろんなエッセンスが加えられて、なんとも美味。濃厚なんだけどしつこくない!? スペイン料理を食べに行きたくなってしまうぞ。

アンコールは、ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ (Jose Maria Gallardo Del Rey)「愛の歌(la cancion de amor)」。故くて新しい、そして、エスニックでダンサブル。この楽曲も、いろんな風味が加味された濃厚なラヴ・ソング。
さらにもう一品。フェルナンド・オブラドルス(Fernando Obradors)「エルビート(El vito)」。懐かしけど刺激的なスペイン民謡。
スペイン料理らしい盛りだくさんでお腹いっぱい(?!)・・・と感じるくらいに堪能させていただいた。
ピアノもいい、ヴァイオリンやチェロ、管楽器もいいけれど、磨き上げられたヴォーカルは何よりエモーショナルでエクスプレッシヴで直接的に胸を打つ。十分に満足させていただきました。

次回、1月30日(日)の「シリーズ 第50回」は『沼沢淑音ピアノリサイタル ”幻想・Fantasie・ファンタジー”』で、プログラムは、
シューマン「幻想小曲集 Op.12

リスト「メフィストワルツ

フォーレ「夜想曲 第六番 変ニ長調

ドビュッシー「前奏曲集より

ドビュッシー「喜びの島」
が予定されています。行かねばッ!!!!


 


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