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雨音はショパンの調べ、なの? [音楽のこと]

以前のブログ『たーぱぱ徘徊記』の記事を加筆修正のうえ転載しました。
雨の日に思い出す楽曲といえば・・・。

 

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木枯らし1号に続いて、今日は一日中冷たい雨。
日本では季節ごとに、季節に合った雨があったはず。春雨、菜種梅雨、五月雨、梅雨、夕立、秋雨、氷雨、etc.それが最近は、話題になるのは空梅雨だったり、災害を伴うような豪雨やら酸性雨やら、ある意味暴力的な降雨ばかりで、そんな風情めいた雨は少なくなってしまいました。忙しさに追われて、軒下で雨だれの音を聴いているなんて余裕はなくなってしまいましたねェ。


タイトルに掲げた「雨音はショパンの調べ」とは1984年発売の小林麻美さんのヒット曲。
Gazeboの「I like Chopan」に松任谷由実が日本語詞をつけたカバー曲。以前取り上げた「Lunatic月影のパラノイア」と同じですね。英語版の原曲はあえて(?)稚拙な歌詞なので情景は読み取りにくいのですが、日本語版はさすがユーミン、ドラマティックにまとめてしまっています。
雨の日に聴くショパンは思い出を呼び起こす。小林麻美さんのアンニュイなヴォーカルによくマッチしているように思われます。

恥ずかしながら、この曲が流行った当時、ワタシは英語版でもなくユーミン版でもないオリジナルの日本語詞を付けてカバーしておりました。奥様も知らない黒歴史ですが・・・。

貴女の髪に指を絡め
 熱い吐息で遮る雨音

聴いてこのショパン
 想い出ならディミヌエンド

で、未だに思い出深い、と。

今日みたいな冷たい雨が降り続く日はこの曲が思い出されてシミジミ懐かしんでしまいます。

Gazeboの「I Like Chopin」、小林麻美さんの「雨音はショパンの調べ」で歌われているのは・・・。

」×ショパン、といえば「24の前奏曲(24 Préludes) 作品28」。その『第15番 変ニ長調』が誰言うともなしに「雨だれの前奏曲(プレリュード)」ですが、他の曲も"雨だれ"を表現しているとかいないとか・・・。

24曲のプレリュード、全て異なる調性で書かれていますが、これはヨハン・ゼバスティアン・バッハJohann Sebastian Bach 1685年3月31日 - 1750年7月28日)の「平均律クラヴィーア曲集」を範としリスペクトして作ったからとか。
病いに冒された身体で転地療養・・・というのは建前の理由。ジョルジュ・サンド(George Sand 1804年7月1日 – 1876年6月8日)との道ならぬ恋に対する醜聞、大作を物しようと思いつつもそれが出来ないもどかしさ、もしかしたら、パリの社交界でもてたいと思いながら、交友関係は結べても、ポーランドから来たポーランド調のピアノが達者なお上りさん扱いされていたのかもしれない。人一倍ポーランドの事を想いながら、それを隠してフランス人らしく振舞わなければならない不自由さがあったのかもしれない。消すに消せないお国訛りもあったでしょうし・・・。いろんなプレッシャーから逃げ出して、ジョルジュと二人の逃避行。都落ちして辿り着いたのがスペイン・マヨルカ島。
逃れ落ちた二人の生活、本来なら暖かいはずのマヨルカで、外は冷たい秋雨が降り続く。寂しさを紛らすために、手遊びに弾いてみたのが敬愛するJ.S.バッハの「平均律」、それが面白くなって、24の調で雨の音とシンクロさせてみたのが「前奏曲集」じゃないかしらン?

調性も違えば、拍子やテンポも色々。身体が癒えたら大作に挑もうと、習作集として書き纏めたものが以外に秀作揃いなので「プレリュード集」として出版しちゃった?

ハ長調を起点として長調・単調を交互に配した五度循環形式の24曲の「前奏曲集」はジョルジュとともに綴った24編の連作短編集なのかもしれません。
24曲全曲通して聴くと、都会の喧騒を逃れてマヨルカ島、果敢ない諦観と忍び寄る不安、病いの苦しさから解放されたひとときの安らぎ、穏やかさを感じないでもありません。どこかノスタルジックなのはショパン自身雨の音に、ワルシャワやパリへの追憶を重ねたからか。
彼が愛した男性名を名乗る男装の女流作家は『第6番 ロ短調』を「天から彼の胸に落ちる涙」と言ったらしいが、それは降り止まないようにも思える、あまりに陰鬱な雨。で、誰かが『第15番』にすり替えてしまったか!?
聴いているうちにそのピアノの音色が全て雨音に変わってしまうような錯覚を覚える。『第15番』だけを聴くのもいいけれど、余裕をもって24曲全曲聴くのもおすすめ。

長雨に降り込められて出掛けられないのは困ります。土砂災害を伴うほどの激雨も難儀ですが、時折はのんびりと雨の音に耳をすませてみたいですねェ。

雨だれ.jpg


雨だれ」といえば、太田裕美のデビュー曲もいい感じ。三連符が特徴的でピアノっぽい楽曲。こちらも懐かしいですねェ。

雨音はショパンの調べ.jpg
悲しみのスパイ.jpg


小林麻美
さんヴァージョンには「哀しみのスパイ」という続編めいた楽曲があります。こちらに登場するのはショパンではなくラフマニノフ
"キーワードはラフマニノフ それはショパンから始まった" そのココロは・・・。(つづく!?)


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