才色兼備のコスチューム・プレイヤー!?

音楽家に必要なのはもちろん演奏スキルと音楽的センス・・・なのだけど、最近は"音"だけでなく、ミュージック・ヴィデオやプロモーションの関係でヴィジュアルまで問われるようになってきました。男性なら「イケメン」であることが望まれ、女性なら容姿端麗であることに加えてセクシャルな要素まで時に要求されたりもします。

 

で、ここにひとりのピアニスト・作曲家あり。Sonya Belousova(ソーニャ・ベルソヴァ)。
ロシア・モスクワや米国・カリフォルニア、ボストンなどで研鑽を重ね、ピアニストとして活躍する傍ら作曲も手がけ、その両方で幾つもの賞を得ているご様子。
オリジナル曲をCDやiTunesなどで発表するとともに、イマドキらしくYouTubeにもアップロードされて、卓越したテクニックとともにクールビューティーな横顔を拝見することが出来るのだが、面白いのは既存の楽曲を彼女流にアレンジして、時にソロ・ピアノ、時にピアノ２台４手の連弾、時にチェロとのデュオでプレイしているところ。
選曲もユニークで、英国のロックバンドQUEENの名曲「Bohemian Rhapsody」だったり、日本のアニメーション映画「AKIRA」から『金田のテーマ』だったり、英国のTVドラマ「Doctor Who」のテーマ曲だったり、ゲーム「Tetris」のBGMとロシア民謡「коро́бушка」のメロディをサンプリングしたDr.Spinの『Tetris』だったり、そうかと思うと、иколай Андреевич Римский-Корсаков(ニコライ・リムスキー＝コルサコフ)作曲「Полет шмеля(熊蜂の飛行)」を連弾してみたり、Sergei Prokofiev(セルゲイ・プロコフィエフ)作曲のバレエ音楽「Romeo and Juliet(ロメオとジュリエット)」から第２場・第13曲の『Dance of Knights(騎士たちの踊り)』、ピアノ組曲「『Romeo and Juliet』からの10の小品」の『Montagues and Caplets(モンタギュー家とキャプレット家)』というべきか、だったり・・・。
で、ただ演奏しているだけでなく、その楽曲に合わせたセットを用意し、それに相応しいコスチュームまで纏って、まさにコスプレ、コスチューム・プレイであるところがとても映像的。
そのセットもなかなかに豪華絢爛。 ピアノまでブルーにカラーリングしてみたり、『Tetris』ではピアノをゲームセンターのピンボールマシンのように設えてみたり、ディズニーのテーマなら可愛いパペットと絡んでみたり、カメラのアングルが変わるたびに衣装が変わってみたり・・・。
そそられるのが「Batman」でのCat Womanのコスプレ!?
どうやらそれらのミュージック・ヴィデオの製作にはTom Greyなるディレクターが絡んでいるようで、二人で「PLAYER PIANO」というユニットになるらしい。パフォーマンスとアレンジがソーニャちゃんで、プロデュースとデレクションがトムくん。
サウンドだけでなく、ヴィジュアルまで込みで観てみたいアーティストは何人かいるにはいるけど、彼女もその一人。
「PLAYER PIANO」としてコスプレするだけでなく、オリジナル楽曲も披露すれば、Rodion Shchedrin(ロヂオーン・シチェドリーン)のピアノ協奏曲ではオーケストラとの共演もこなしている。
グネーシン音楽大学で作曲と音楽理論、ピアノを専攻し、UCLAやバークリー音楽大学でフィルム・スコアリングを学んでいた由、さて、どんな頭角を表すのか。先が楽しみですな。

以下は、YouTubeからコスチューム・プレイの数々。

まずは「Bohemian Rhapsody(Queen)」

 

「Montagues and Caplets(Prokofiev)」

 

「Duel of the Bumblebees(Корсаков) feat. Arturo Cardelus」

 

「Doctor Who Theme」

 

「AKIRA(Kaneda's Theme) feat. Eru Matsumoto」

 

「Batman」

 

「Superman」

 

「Ghots Waltz」

 

「Tetris Theme(Korobeinki)」

 

「Desney Themes」

 

「Nintendo Themes」

 

「Street Fighter(Guile's Theme)」

 

「The Walking Dead」