SSブログ

『陶の博物誌』を見て、ハンバーグを食べて、その他色々 [散歩・散走]

時節柄すっきりしない空模様が続くが、せっかくの休日、疲れた身体を休めるよりも自転車に乗って出掛けてしまいたい。訪ねたいエキシビジョンやイベントは幾つもあるし、「BD-1リフレッシュ大作戦」のためにパーツやアクセサリも物色に行かないといけないし、美味しい物も喰いたいし、雨が鬱陶しいとか蒸し暑いのがしんどいとか言っている暇は無い訳で・・・。

 

よほどに疲れが溜っているのか、身体は休みたがって、隙があったら寝てしまいそう。
西宮市香櫨園まで美術展を拝見に伺いたいけど、そこまで走れるか? 市内のサイクル・ショップを巡ってパーツ集めに専念するか? iPhoneの中で「あめふるコール+」がケロケロと雨を告げるが、さて、降り出してしまうのか?
懊悩している時間が惜しい。疲れて行き倒れたら輪行してしまえばいい。雨が降るなら濡れればいい。開き直れば、行動は速い。
夜勤から帰宅後、入浴と朝食を済ませ、自転車を準備して、自宅を飛び出したのが午前8時過ぎ。雨雲が立ちはだかる西にハンドルを向けて、バテ感を振り払うようにペダルを踏んで、西宮市までひた走り。
目指す西宮市大谷記念美術館の開館時間は午前10時なのだが、随分早く着いてしまい、通りを挟んだ駐車場にバイクを停めて時間までお庭を散策。

『杉浦康益展』.jpg
『向日葵の花』.jpg


1972年、実業家の大谷竹次郎から寄贈されたフランスおよび日本の近代絵画を中心とするコレクションと邸宅を展示室としたのが大谷記念美術館の始まり。1991年に大規模な改修が行われ、旧邸宅のエッセンスを残す日本庭園と近代的なストラクチャアのコントラストが面白い。
今日の目的は、6月7日(土)~8月3日(日)を会期とする、『杉浦康益展 陶の博物誌-自然をつくる』。現代陶芸を代表する美術作家・杉浦康益(1949年〜)のアート・エキシビジョン。
東京藝術大学在学中、恩師の「やきものは石である」という言葉に触発され、《陶の石》を造り始め、1979年に《陶による石の群れ》を発表し、注目を集める。その後、石から岩へとモチーフをスケールアップさせ、《陶の岩》シリーズを展開。2000年からは、植物をルーペで詳細に観察し、その内部構造を精緻に再現する《陶の博物誌》シリーズを発表している。
今回の展示会では、タイトル通り《陶の博物誌》シリーズを中心に、《陶の岩》、《陶の木立》が一堂に会するという。これは見逃せないっしょ!?

IMG_6430.jpg
IMG_6431.jpg
IMG_6433.jpg


開館時間となって、空調の効いた館内へエントリ。展示室1〜3と和室、庭園にまで杉浦康益の作品が展示されている。
1Fロビーの大きなガラスを隔てた庭園の、手前に配された池に同型の《陶の岩》が3基聳えているのが見える。
頂いた案内図に従って、まずは展示室1へ進む。ここに展示されているのが《陶の岩》によるインスタレーション。実物の岩から型取りしたセラミック製の岩が6つレイアウトされて、それぞれの足元には白砂があしらわれている。
岩にしろ、セラミックにしろ、無機質なものではあるのだけれど、人の手で造られたからかどこか有機的な暖かみがあるようにも感じる。それでいて、じっと見ていると、やはり岩のようで、険しい冷たさを秘めているようにも思える。"やきものは石である"を具象化したような作品。触れて見たい誘惑にかられるが、もちろんそれは自制した。
次に和室に向う。こちらは大谷竹次郎邸の名残りで、その一室、茶室の畳の上に沙羅双樹の花を象った作品『落花のしゃら』が60〜70個整然と並べられたインスタレーションであるのだが、そのひとつずつの表情が違う。
板張りの廊下にしゃがんで拝見していたが、畳まで踏み込んでもいいとお許しが出たので、間近で見させて頂く。
しゃら・・・沙羅双樹の花が、花弁のみならず、雄蕊や雌蕊までリアルに再現されて、具に見てもひとつずつ造形は異なる。
振り返ればガラス障子越しに庭園を見渡すことが出来るし、ここは何時間いても飽きないかもしれない。
靴を履き直して、2Fの展示室3へ向う。ここには大谷記念美術館所蔵となる《陶の博物誌》シリーズ27作品が並べられている。
無機質のセラミックで有機的なものを作り出そうとして、向日葵の花アネモネお茶の花、その他、団栗や木の実などなどが、いずれも精密に再現されているのだが、圧巻はその大きさ。『向日葵の花』や『朽ちゆくヒマワリ』、『ヒマワリの種子』たちは一抱え以上はあって、恐らく持ち上げることが出来ないくらいではないかと思われる。『アネモネ』や『お茶の花』、『葱ボウズ』や『白ツメ草』でさえヒトのアタマほどもある。
リアルなサイズに仕上げられているものもあって、『チューリップのブーケ』や『菫のリース』は、出来ることなら自宅に飾って、ずっと眺めていたいと思うほどに愛らしい。実物大の『ラ・フランス』もとても可愛い。
ここに置かれた花や木の実たちは、超写実的に出来上がっているようでいて、表面にあえて残した荒々しさや刷毛目の跡、よく見ると人の手で造り上げられたものであることが分かるようになっている。天然のものを写し取った工芸品ではなく、あくまでアート作品であるということか。
どの展示室のどの作品もガラスケース等には収められておらず、直接見ることは出来るのだけど、残念ながら撮影することが出来ない。Googleでイメージ検索するとかなりの数がヒットするので、ご興味のある方はソチラをご参照されたい(→コチラ)。
常設展示室で館所蔵の絵画を拝見したあと、1Fの展示室2へ。ここを最後にしたのはちょっとしたインスピレーション・・・というか何か予感めいたものを感じたから。
この部屋は《陶の木立》によるインスタレーション。
陶芸の大きさは窯の大きさから制限を受けてしまう。巨大なものを造りたいと思っても制約されることになる。《陶の木立》は、40×30×20㎝ほどのブロックを幾つも組み合わせることでひとつの巨大な作品としている。似ているようでいて二つと同じものがないブロックを横に並べ縦に積み上げ、恰も屏風のような、風か水の流れを思わせるようなレイアウトになっている。ライティングによって白い壁に映し出されるその影は、木立のようにも見えれば、波紋のようにも見える。
さらに、その木立を抜けた一番奥には巨大な花が一輪。幻想的でさえあって、ここだけでも一見の価値がある。

IMG_6437.jpg
IMG_6438.jpg
IMG_6439.jpg
IMG_6440.jpg
IMG_6441.jpg
IMG_6442.jpg
IMG_6443.jpg
IMG_6434.jpg
IMG_6435.jpg


杉浦康益展』を堪能したあと、撮影のために再度お庭の散策。お屋敷であった頃の名残りの合間には現代美術の作品が幾つか無造作に置かれていて、その取り合わせてちょっと面白い。四季の花が其処此処に散らばって、今はアジサイなのだけど、それらはもう盛りを過ぎてしまっているのが少し残念。

美術館で約2時間ほど過ごし、そろそろお昼どき・・・なのだがそれほど空腹を感じない。西宮か芦屋のカフェかレストランへ立ち寄るつもりでいたが、雨も降りそうにないし、身体も思いの外しゃんとしている。大阪市内に戻って、そこでランチを摂ったあと、サイクル・ショップ巡りもしてしまえ!!
大阪市靭公園近くに辿り着いて、飛び込んだのがDBL(ダブル)。公園に面したテラス席があって、店内の設えもおッしゃれェなカフェ・ダイナー。
煙草が喫えるテラス席がよかったのだけど、あいにくの満席。二階は貸切になっているとかで一階店内もそれなりの混みよう。喫煙席はカウンターしか空いていないとのこと。禁煙指定の壁際のソファ席を占める。場所柄もあって、ここはワンコを連れて入ることも出来るし、小さい子供を連れて来ても対応して下さる・・・が、どちらも今のワタシには縁が無い。スタッフさんの質が高いのが気に入っている点。

DBLぜいたくランチ」もそそられるけど、そんなには食べられない。今日はがっつりお肉と決めている。オーダーは「DBLハンバーグランチ」。パンとライスが選べるのでパンをチョイスして、アイス・ティーも追加。

IMG_6423.jpg
IMG_6424.jpg
IMG_6422.jpg


100%ビーフなハンバーグは肉の旨味そのままで想定より大きくて、たっぷりのサラダとその横に添えられたポテトサラダで十分満腹。スープまでついている。ライスだったら食べきれません、おそらく。

満たされたところで、午後の部はサイクル・ショップ巡り。3店舗ほどハシゴして「BD-1フレッシュアップ大作戦」に備える。探していたパーツが見つかったのだが、それは大き過ぎて持ち帰ることが出来そうになかったから、来週にでも再訪することにして・・・、そろそろ午後三時。お茶の時間です。

お茶は、いきつけのギャラリーカフェS'n緑anで。現在こちらでは『元永彩子 個展 - One day -』が開催中。今日は元永彩子さんご本人もご在廊されていた。
店頭にバイクを停めて、店内に入って驚いた。先日訪れた際に初対面となった生後六ヶ月の小さな可愛い天使さくらちゃんと偶然の再会。
カウンタ席に座って「奥八女茶」をオーダ。一煎目は冷たくして頂いて、二煎目は粟田尚子さんの作品、大熊猫シリーズの茶碗で・・・これがお気に入りではあるのだが、もう三度もこれでお茶を頂いていて、そろそろMy Cupと呼んでもいいのでは・・・?!

IMG_6426.jpg
IMG_6429.jpg
IMG_6427.jpg


ギャラリーでもあるこのお店のスタッフさんも陶芸に関心を寄せられていて、『杉浦康益展』へ行って来たことを告げると、彼女も近々行くつもりにしていたのだとか。
陶芸や杉浦康益作品について盛り上がっていると、なにやら店の外が騒がしい。ドアを開けてそっと外を伺うと、猫たちが大勢集まっている。親猫が3匹(メス×2+オス)とその子供と思われる子にゃんこが2匹。どうやら、メス猫2匹が言い争っているのをオス猫が黙って傍観しているような。子にゃんこは少し離れて無関心? にゃん角関係・・・三角関係かしらン!? ニンゲンさまがあれこれと想像していると、母猫は子供を連れて悠然と立ち去るし、もう一匹のメス猫もプイと消えてしまって、取り残されるオス猫。なんだか身につまされる光景ですこと。なにかの予兆かしらン!?

IMG_6428.jpg


元永彩子 個展 - One day -』で展示されている作品は、絵画・・・というのか、カッティングボードにウッドバーニングされた作品やエプロンにペン画と刺繍を組み合わせた作品で、そこに描かれるのもウィットに富んだポップなもの。5人乗りタンデム自転車が描かれた作品があって、それに惹かれてしまった次第。

IMG_6445.jpg


ここにいると、癒されるというか、ほっこり和み過ぎて、眠くなってしまうのが難点。 三煎目をバロック的な器で頂いたところでそろそろおいとましなければ。
今日は、興味深い作品に触れて、美味いハンバーグと癒しの緑茶を頂いて、天使に逢って、ニャンコの痴話喧嘩(?)まで見られて、自転車のための買い物までして、満たされ過ぎの休日。めいっぱい楽しめた日曜日・・・ですかね。
フラットバーハンドルを装備している自転車のために、何故かバーテープを買ってみたぞ。そろそろ「BD-1リフレッシュ大作戦」の全容が明らかになる日も近い・・・かなァ??

本日の結果
走行距離:54.20km
走行時間:03:35:30


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 4

moto_tip_sp

疲れていても遊びは別というのは同じですね。でもjojoさんの場合は仕事で夜勤。私はテレビ観戦なので遊び疲れがたまっているという、比べものにならない理由(^^;;
俺の庭を飛び出し西宮遠征、その後庭でのランチ、いい過ごし方ですね。ニューbd-1楽しみですね。早くみたいものです。
ところでTwitterの写真1枚逆さになっていたような気がしましたが、何かの暗示ですか(^^;;
by moto_tip_sp (2014-06-30 09:13) 

JUN1026

モトさん、コメントありがとうございます。
この時期いちいち天気を気にしていては動きがつかないし、休みは積極的に出掛けたいですね。
BD-1の入院がいつになるか分からないので、パーツ集めも早めに済ませてしまいたいし、見たいイベントもたくさんあって、とてもじっと休んでいられません。
写真が反転していたのは、恐らくiPhoneの仕様です(笑)。慌てて撮って、慌ててポストしたので確認していませんでした(汗)。
by JUN1026 (2014-06-30 10:19) 

yosshu0715

僕も経験がありますが、夜勤の連続は本当に大変ですよね!!
くれぐれもご自愛下さいませ!!

しかし、BD-1リフレッシュ大作戦、着々と進んでいる様ですね!!
(笑)
リフレッシュというより、効けば効く程「大改造」な気が・・・!!(笑)
by yosshu0715 (2014-07-01 07:26) 

JUN1026

ヨッシュさん、コメントありがとうございます。
ご心配頂きありがとうございます。本当に疲れてしまったら、ゆっくり休養したいと考えています。
BD-1リフレッシュ大作戦は、「新車」にしてしまおうというミッションになっています。仕上がりをご期待下さい(笑)。
by JUN1026 (2014-07-01 16:33) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0