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昇天?! [散歩・散走]

六月に入って、早い梅雨の、その晴れ間。
じっとしているのも勿体無いので、きょうもお庭散策。夏の庭の花を愛でに参ります。


きょう訪ねるのは宇治市にあるあじさい寺こと明星山 三室戸寺。千手観世音菩薩をご本尊とする、西国三十三所第十番札所にして、本山修験宗の別格本山。

ですが、例によって、参詣ではなく、お庭のお花がお目当てで。
与楽園」と呼ばれる5,000坪の庭園は、5月には20,000株のツツジ、1,000本のシャクナゲが咲き、6月には20,000株のアジサイ、7月には鉢植えのハスが並べられる。
昨年はハス園を拝見したのですが、あじさい寺紫陽花を観ない訳には参りますまい。

開園は08h30で、今は07h00を少し廻ったところ。想定したことではあるのですが、近隣の施設は何処もまだオープンしていないので、早朝の清しさを味わおうと酔狂にも山登り(?)に挑みます。
宇治といえば『源氏物語』の俗に言う「宇治十帖」の舞台でもあり、浮舟さん所縁の石碑もあって、それに因んで宇治市源氏物語ミュージアムが建てられ、その界隈の道には「さわらびの道」、「かげろうの道」と名前が付けられていたり、洛内よりもこちらの方が源氏の里といった様相。
ここ数ヶ月、縁あって「源氏絵」や「源氏系図」を拝見する機会を得て、ワタシの中の『源氏物語』熱が再燃、ここはやっぱり源氏物語ミュージアムにも行っておかねばと思いながらも長く臨時休館が続いてそれもままならず。
そうした施設がお休みなら、年中無休のハイキング・コースからそれらを見下ろしてやろうとの魂胆。

これが、ねェ。

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あじさい寺
のすぐ近く。宇治川に隔てられた平等院・鳳凰堂を見下ろせる高台にあるのが大吉山展望台
ややこしいことに、展望台は「大吉山」となっているが、それがあるのは「仏徳山」という標高131mのお山。仏徳山は中腹にある興聖寺の山号でもあるらしい。
標高も知れたもので、ハイキングコースにもなっていて、麓から僅か20分ほどのところというから登ってみたものの、九十九折りの山道は未舗装で一部は岩肌が剥き出し、例によってチャラチャラした装束のワタシには結構な難所。半ばの休憩所でひと息入れないと息切れハンパ無い。
その甲斐あって登り切ると展望台からの眺望はそれなりに素晴らしく、近隣に視界を隔てるような現代風の高い建物もないから、かなり遠くまで見渡せる。方角的には大阪の市街地の方を向いているのでしょうか。足元に深く樹々が繁って、眼下に川を隔てて旧い神殿が観えて、その向こうは近代的な市街地。コントラストがちょっと面白い。

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脚はそれなりにヘロヘロになっているのですが、ここまで来たら頂上を目指します。
と、ここからはつづら折りではなく、真っ直ぐな、それもコンクリート製の階段。なんかあるのかしらと期待しちゃうのですが、その階段を登り切ったところは・・・、
何もない?!
視界も開けていないし、階段以外に通路も無さげ。戻るしかないような。脳内自動再生されていたLed Zeppelinの「Stairway to Heaven(天国への階段)」もフェイドアウト。

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で、(当然のことながら)登ったら降りないといけないのね。とぼとぼと坂道を下って、宇治上神社まで戻ります。
隣接する宇治神社と二社一体で、国宝にも指定される本殿は平安時代後期の、神社建築としては現存最古のものであり、「古都京都の文化財」の構成資産としてユネスコの世界遺産にも登録されるところ。
創建年代も明らかではなく、境内に「岩神さん」と呼ばれる天降石があったり、「宇治七名水」のうち唯一枯れずに残る「桐原水」という湧き水があったり、興味深い場所ではあるのですが、きょうの目的はミステリアスな故事ではなくファンタジックでファンタスティックなお花、そろそろいい刻限でもあるしあじさい寺へ進みます。

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駐車場から参道づたいに受付を通って山門の脇に庭園があるのだけれど、入苑料を払っているとはいえ、その境内へ立ち入るのですから、まずは御本堂に安置される秘仏にお詣りだけはしておこうとそこに至る階段まで来たところ・・・、

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行列?
御本堂に向かう石段の片側には登り龍に見立てた紫陽花が並べられて、それが為に片側通行となるのですが、みんながみんなそれを撮影したいがために大渋滞。開門からまだ数分しか経っていないのにこの混雑。

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60段の石段に600鉢のあじさい。赤、白、青をレイアウトして「あじさい昇龍図」としているそうで、赤が目玉だったり如意宝珠を現していたり、コロナの終息、景気回復を祈願するための設えであるらしい。
どうしてもヒトが被っちゃうから、それらしく見えない。平日の早朝にこないとそれは望めない?

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本殿前のハス園はまだ花芽も伸びていないのですが、それが見頃となる頃に再訪することは叶うのでしょうか。先のことは全く予想出来なくて、予断を許さぬ状況下にあって、今こうして暢気に遊び呆けていられることを感謝しないといけないのでしょうね。職場や近場で感染者や死者も出て、現実を振り返るとあまりに生々しく悲惨で、半ば現実逃避のお庭散策、花詣で。ワタシ的には、神仏にお縋りするより花見でストレスを緩和しないとどうしようもなくて・・・。

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と、センチメンタルになっている場合ではありません。あじさい園に向かいます。
20,000株を数えるというあじさいは1/4から1/3程度の開花状況でしょうか。西洋アジサイ額あじさい柏葉アジサイ、幻と言われる山紫陽花七段花など50種あまりが杉木立の合間を埋め尽くす。
通路にまであふれるような手鞠咲きの本紫陽花、やや控えめな額紫陽花
花弁に見えるのは肥大化した萼片で、種子を抱かない装飾花。土壌のpH値に影響されて、アントシアニン系色素がアルミニウム・イオンと結合、その濃度で赤紫〜青紫に変化する・・・というメカニズムは理解出来ても、それがなんのためという目的(?)が解らない。お花に意識があってそうなろうとしているのか、ただ環境に左右されているだけなのか、何れにしてもナイーヴというかデリケートというか、センシティヴなのでしょう。
ワタシ的には、改良された園芸品種で装飾花がゴージャスな手鞠咲きのホンアジサイより、原種に近く額状の装飾花に縁取られた両性花が小粒の宝石にも見えるガクアジサイの方が「お花の宝石箱やァ!!」的にカワイく思えるのですがどうでしょう。

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見頃は来週以降でしょうか。ですが、花数が増えれば人出も増えちゃうでしょうから、初物、先物の有り難さもあって、状況的には今日辺りが見頃なのかもしれません。
それでも、花序の数は数えきれず、株ごとに形状や色目も異なって、見飽きることもないような。
と言っているうちに来園者も増え、狭い通路はヒトで埋まって身動きもままならず、写真撮影も困難になりつつあって、そろそろ引き揚げどき。まァ、撮れ高は十分でしょう。

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まだ時間的に猶予があったので、平等院のお池に浮かぶ睡蓮を眺めてから帰ります。お茶しようにも、ランチを摂ろうにも近隣の飲食店は開いていないようなので、早々に繁華なところへ戻ります。
来週は、美人とオシャレがテーマです、多分。

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