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ぐぜり鳴き聴く あしたかな [散歩・散走]

きょうのお散歩は、お礼参りかたがた、北野天満宮梅苑へ向かいます。
お参りが主なのか、がメインなのか、ちょっと微妙なんですけどね。


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・・・というのも、ワタシは信仰心を持たない。
神様や仏様を信じないというか、未だに分からない。
経典や仏典に眼を通してみて、成る程と得心はするところも多々有るけれど、それだけが真理とは思えないし、やや概念的に過ぎる。
耳や胃腸が壊れたり、ここ数年の体調不良は、悪いことばかりしてバチが当たったのだと奥様は仰るが、それが自業自得ではあっても神罰、仏罰とは思えないし、奇蹟を眼にしたこともなければ、ご利益を感じたこともない。
それ以前が比較的息災であったことが、そもそもご利益だったのか。

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例えば、ブームとなっている御朱印を幾つも集めたからといって、何か変わるとは思えない。仏閣まで脚を運んで、祈りを込めたご写経を奉納するに及べば、多少なりとも自分の心持ちが変わるとは思うが、それでさえ、それが契約であるなら相当の覚悟をもって臨まなければバランスが取れないようにも思う。ましてや、代価に置き換わるものでもないはず。契約したからには、その義務を果たさないといけないのでしょ? 集めてお仕舞いということではないのでしょ?
それこそ「献身なき信仰」という罪になりそうで、数カ所、三十三箇寺も巡ろうと思えば、三十三年超を要しそう。そんなには時間を掛けていられないし、多分もう間に合わないし、三十三通も契約書を交わしたら安堵するよりその拘束、プレッシャーに負けちゃう・・・かも知れない。
とにかく、解らないものには手の出しようも無い。
内容の把握出来ていない契約書に署名押印することは出来ないでしょ。生半可な気持ちでは、契約するどころか、ご神域に立ち入ったり、拝殿で手を合わせることさえ憚られるように感じる。

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そんなワタシにとって「信心」とは、文字通り自分のココロを信じること。
神仏に頼るのではなく、自らの内なる神性、仏性を高めることが何より肝要なのではないかと常々考える。
(本当に)神の似姿に作られて、善悪を知る智恵の実を食べちゃったのなら、良し悪しの判断は自身でつくはず。判断出来ないでは困る。
善悪を弁えて良し悪しの判断がつくにも関わらず、自らの心に背いていい加減なことをするから、それが罰、体調不良になっちゃったりするのでしょう。自業自得なのね。
幼い頃からそのように躾けられもして、そういう風な教育を受けてきたはずで、知恵が100%は覚醒していなくてまだその境地に至れないとも取れるが、それもなんだか言い訳めいているように感じる。
やはり、今更、努力が足りないと言われても困ってしまう。
煩悩や罪源を自制的に封印して、美徳を以って飾りと為す。罪が浄化されるように美徳をつめなどと言われても・・・。それも何かに依拠しているように思えるし、罪を背負っていると考えるだけでストレスになってしまいそう。

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社会に関われば関わるほど、見たくも無い罪を見てしまう、知らず識らず不要な罪を重ねてしまうし、とはいえ、現実から眼を背け、リヒャルト・ワーグナーに心酔し、絢爛としたお城を作っちゃう・・・こともなく。ワーグナーはキライやし。
そんなストレスをデトックスするには、難しいことを考えるより、お花やアートに触れているのが良いのではないか、それらを通して研鑽を重ねる・・・振りをしながら自分の殻に閉じ籠っているのが楽なのではないかと、結局判断を先送り。あら、バイエルンの王様みたい?
解らないものに依存する気にもなれず、それに代わるほどには徳を積んでいる訳でもなく、埒が明かない。とりあえず、何があっても対応出来るようにと、知識を得ることに没頭して、自分のココロを信じるがそれがいつの間にか知識の殻、妄想上の白鳥城に籠ることになって、これでは神の域に届くはずもなく、仏の境地に至るはずもない。

でね。
信仰心を持たず、初詣すらしないワタシではあるのですが、自分のことはともかく息子さんのこととなると・・・。
これがねェ。ワタシとママリンの子供であるにも拘らず、勉強はあまり好きではないと言うのだから始末に負えず、神頼みしか無いわけで。あッ、お利口さんではあるのですよ、それなりに。
で、学問の神様だけは別扱い。右大臣にまでご出世された菅原道真公に肖りたい、お縋りすべきじゃ無いかと。

勉強しろとか努力しろとかは言いません。そういうことは、檸檬と梅干しをテンコ盛りにしたくらい教育ママリンが酸っぱくなっちゃっていて、ワタシは中和させるために酸っぱいクチは出さずにお金と態度だけ示して。塩基になろうと、塩対応??
オマエのためにお札を頂いて、お守りまで買って来ているのだから、それに応えてくれ・・・と無言のプレッシャー。
まァ、よくしたもので、神様に頼ることなく、彼なりに励んで漸く何とか卒業の目処が立ったと。
勉強、学習はそこで終わりじゃ無い。社会に出てからの方が学ばなければいけない、身に付けないといけないことが多くある。多少の苦労はしろ、身を以て知れと言わないけれど、言わなくても、検定を受け、資格を取り、必要な知識を身に付けようとはしているようで、学校へ通えない最近は英語力を高めようと、語学学習に精を出している・・・らしい。
語学留学どころか旅行もままならず、通学すら出来ないながら、それを補うためにそうしたことを重ねて、暖かくなる頃には遥々海を超えてサーヴィス業に就くようで。
カタコトの英語でも、まァ、続けているうちに話せるようになる・・・のかしら。

社会に出ていく息子に向けて・・・
梅ヶ枝()に ぐぜり鳴き聴く 朝(あした)かな

あまりいい句ではないですね。
ぐぜり鳴きとは、初音・・・その年、その季節の最初の鳴き声に向けての発声練習。まだ幼さの残る若鳥たちが美声で歌うために、見様見真似、鳴き真似のサブソング。カタコトの外国語にも似て、旋律的に美しく歌い上げる前の短い囀り。
果たして、ぐぜり鳴き初音に成るのは、初鳴日はいつの頃やら。

気節もちょうど「立春」、「東風解凍(はるかぜ こおりを とく)」から「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」を経て、「魚上氷(うお こおりを のぼる)」。
氷が弛んで、鳥がぐぜり鳴きを始め、魚が氷から顔を出す頃でしょうか。
啓蟄蟄虫啓戸倉庚鳴はまだもう少し先。
俳句の世界では春の季語にはなっているが、声が整ったそれは老鶯(ろうおう)、晩鶯(ばんおう)、乱鶯(らんおう)として夏のものとされる。春告鳥(ハルツゲドリ)と呼ばれながらも、ぐぜり鳴きから初音に向けてのリハーサル期間は思いの外長く、鳴くのは雄だけで、それは自分の縄張りを主張する警告音であるらしい。
息子さんは初音で何をアピールするのやら。
歳をとるとわざわざ口にしなくてもいいようなことまで声に出して言っちゃう傾向にあるようで、クチはワザワイの元、ワタシも気をつけて慎まなければ。


語学力だけに関わらず、社会に出てどれだけ活躍出来るか。もしかしたら、自分の主義主張をアピールし過ぎて、周りとの軋轢もあるかも知れない。自分がどれだけ美徳を積んだところで、かえって周りからの妬み、嫉みで遠くへ追いやられてしまうことがあるかも知れないし・・・と天神さんに来る度に思ってみたりもする。
枝から飛び立った空は大きく開けて自由を謳歌出来るように見えるが、その反面、全方位的に注意を向けなければいけないと若鳥は気づくのだろうか。自在に飛び回るためには、それ相応の労力が必要であると知るのだろうか。
遠くへ飛び立っちゃってから、親元の巣の居心地良さを懐かしんでホームシック、気鬱になったところで戻れない、戻せない。

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「飛梅の原種」とされる、御本殿前の「紅和魂梅

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そうそう、北野天満宮梅苑でしたね。
01月30日から公開となって、「見頃」とアナウンスがあったのですが、それは50種約1,500本のうち早咲きの品種に限られたことのようで、境内から苑内を見回しても花開いているのは1/5ほどでしょうか。
東風が吹いたというのに、「飛梅の原種」とされる、御本殿前の「紅和魂梅」もまだ硬く蕾を閉ざしたままで。
それでも、紅梅白梅、一層愛らしいピンクの八重咲きは「八重寒梅」か「寒衣」か、あるいは「唐梅」、「鴛鴦」か。黄色い蝋梅はそろそろ見納めで、枝垂れ梅はようやく蕾に赤みが差した程度。早咲きと遅咲き、時間の隔たりが大きくて、苑内全部が満開、見頃となるのを観ることは出来ないようですね。

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やがて飛び立つものに未練を掛けはしませんが、多少なりとも心配と不安、何よりそのあとはママリンと二人っきりの生活でしょ。息子の心配より、我が身が不安?
(いつも絲の切れた凧とは言われてますが)いっそのこと、ワタシも何処かに飛んでっちゃいましょうかね。

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