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みんぱくでガムラン [音楽のこと]

今日は万博記念公園へ参ります。
みんぱく」と言っても、「民泊」ではありません。ホームステイしてる場合じゃない。
園内にある「国立民俗学博物館」略して「みんぱく」を会場として開催される『第17回 音楽の祭日』を拝見しようという算段で・・・。


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音楽の祭日』とは、”1982年にフランスで生まれ現在世界約120ヶ国以上で06月21日(夏至)に開催される「Fête de la Musique(音楽のお祭り)」を開催各国とも呼応しながら日本で同日開催”されるという音楽イベント。
日本国内では、6月初旬から、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、山口、愛媛など各地の会場でそれぞれに催されるようで、大阪府下だけでも10数カ所、教会でパイプオルガンが奏でられるかと思えば、ホールで管弦楽や吹奏楽、アンサンブルの演奏があり、お寺さんで「聲明」が唱えられ、ショッピングモールではゴスベルやらフラダンス、モノマネまで披露されて、ワタシが伺おうとしている「みんぱく」ではその会場に相応しく、民族音楽が多数プログラムされて、特別展示館本館エントランスホールの2ステージが用意されて、それも10h00から16h00ごろまで、びっしりと。

その『第17回 音楽の祭日 2019 in みんぱくエントランスホールでのプログラムのトリを飾るのが我らがDharma Budayaのご一行。

ひょんなご縁からその演奏に興味を持っちゃったワタシが参加させて頂いているジャワ・ガムランのワークショップ「日曜ガムラン」。それを主催されているのが、Dharma Budayaのメンバーさん達で、この『音楽の祭日』にも四年前から四期連続でご出演されているとのこと。

ワタシが「日曜ガムラン」に通い出したのが2016年12月で、一昨年の「第15回」も昨年の「第16回」もお声掛け、お誘いを頂いたのですが、両日ともたまたま「ワンコイン市民コンサート」と日時が重なっていて、万博記念公園国立民俗学博物館より大阪大学豊中キャンパス大阪大学会館、エスニックよりクラシック、民族楽器より「ウィーンの至宝」ベーゼンドルファーを選んでいました。
万博阪大、場所的には近いのですが、開催時間も近過ぎて・・・。
朝から「みんぱく」で他のユニット、グループの演奏を拝見して、ダルマ・ブダヤの登場前に阪大に移動するという訳にもいきません・・・でしょ。
といって、「ワンコイン市民コンサート」も見逃し難いコンテンツ。公認広報(?)という職責も御座いましょ。

で、今年は両イベントが重ならず、どちらも楽しむことが出来たわけですな。

第17回 音楽の祭日 2019 in みんぱく』には多くのユニット、グループが参加されておられて、特別展示館エントランスホールでそれぞれ14組ずつ、計28組もプログラムされていて、アフリカや北米ネイティブアメリカン、南米、中国、アラブの音楽があるかと思えば、ヨーロッパ中世ルネサンス時代の古楽器や箏曲の演奏があって、何故かロボット5体のバンドまで登場し、インドネシア音楽からはジャワ系3組とバリ系、都合4組もご出演。
各々持ち時間は20~30分程度。入れ替わり立ち代わり数曲ずつのご披露で、さて、どこから観始めたらよいものか・・・と思案しつつも、午前中はショッピング・・・の荷物持ちがあって、ランチ後に万博記念公園入り。

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・・・と、宴も酣。
特別展示館では「インドネシア、バリ島のガムラン音楽と艶やかな舞踊」が披露されて、エントランスホールでは「西アフリカの太鼓、ジェンベとドゥンドゥンを使った音楽を歌や踊りとともに演奏」中。
エントランスの外、先に演奏を終えた打弦楽器ダルシマー奏者がそこで即席のワークショップを開催されておられたので、ピアノの大ご先祖様でもある、その珍しい古楽器を触らせて頂いて・・・。
いや、これが面白い。2~3本ずつ組みになった金属弦が十数組。それをマドラーのような小さなスティックで叩くのだけど、その1組の弦が途中で区切られて、それぞれ3つの音高を受け持つような構成で、変則的なクロマティック・スケールと小さい割りにそれなりの音域を実現。音色もハープシコードのようでトイピアノのようでカワイイ系。
打弦楽器フェチとしては、時間を忘れてしまいそうで・・・。

エントランスホールへ戻ると、「耳馴染みのあるポップス・歌謡曲をゆったりとお届け」中で賑やかな盛り上がり。それを拝見しながら、即席の観覧席に腰掛けて、お目当の大トリまで観るとはなし、聴くともなしにうたた寝気分で。
プログラムは順次進んで、先ほどのダルシマーに似たシターのソロがあって、スティール・パンのアンサンブルがあって、15h35となっていよいよDharma Budayaのご登場。

ジャワ・ガムランに用いる楽器は主に青銅製。木製枠に載った青銅製の鍵盤打楽器。大きくて、重くて、嵩張るそれらは朝一番、09h00に搬入、設営されて、出番はオーラス。準備も大変なようで。

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このブログでも度々ご紹介させて頂いているジャワ・ガムラン・グループ「Dharma Budaya」は、
1979年に、植野アジア芸術文化振興財団との共同事業として、大阪大学文学部音楽学研究室を拠点に結成された。
一貫して中部ジャワスタイルの古典音楽を学びつづける一方、ガムランのための新しい作品の演奏を手がけ、現代のガムランの展開に大きく貢献してきた。国際的な舞台にも参加、1996年にはインドネシア4都市での演奏旅行を成功させた。
近年は、伝統の体現を目指し、古典音楽の演奏に一層の磨きをかけ、毎年、春と秋には大阪大学で古典音楽を中心にした定期コンサートを行っている。同時に、オリジナルの創作にも積極的に取り組んでおり、1999年からは3年にわたり劇団態変との公演でコラボレーションを行い、2000年にはジャワのガムランによる、日本初のオリジナル ガムランのCD「壺から溢れでるもの」をリリース。2004年には舞踏家、ジャワ舞踊家とのコラボレーションによる自主公演「スクエア」を成功させた。一般向けのワークショップや誰でも気軽に参加できる日曜ガムランも行っており、関西における開かれたジャワ・ガムランのグループとして幅広い活動を行っている。
メンバーは10代~40代の社会人と学生。代表は山崎晃男(樟蔭女子大学)。
「Dharma Budaya(ダルマ・ブダヤ)」とはジャワ語で「文化を担うもの」を意味するとのこと。

社会人と学生さんがメンバーとあって、その構成は時によってフレキシブル。今日は、Nanang(ナナン)ことAnanto Wicaksono(アナント・ウィチャクソノ)さんと西田有里さん、インドネシアからの留学生アユちゃんが演奏に加わって、それをバックにジャワ伝統の舞踊をご披露くださるのは岡戸香里さん。総勢15名。
ダルマ・ブダヤが拠点とする阪大豊中キャンパスで月に一度催される「日曜ガムラン」では優しく(?)ご指導頂いて、ことあるごとにこうしたライヴにも脚を運んで、気心知れた方々なのですが、こうして伝統の衣装に身を包んでおられるのを拝見すると華やかでもあり、ちょっと憧れてしまいます。

今回は、民族音楽フェスとなって、持ち時間も短くて、演奏されるのは、
ランチャラン「トロポンバン〜ラグン・ギト」ペロッ音階ヌム調
舞踊「ゴレッ・マニス」
ラドラン「トゥダッ・サキン」ペロッ音階バラン調
の3曲。何れも、中央ジャワの伝統音楽。
シンプルな楽器で演奏されて、音楽的にもシンプルな構成なのですが、それが決して単純でなくて奥が深いのがガムランの面白いところ。
それぞれの楽器のピッチの差異が揺らぎとなって癒してもくれるし、金属打楽器と太鼓が齎すビートが心地よくもあって、西洋音楽とは成り立ちから異なる、深遠で奥妙な響き。
太鼓がテンポを司って、それが終わりを示すまで繰り返されるシークェンス。即興的なセッションのようでもあって、伝統芸能でありながら、ある意味時間芸術の究極、極北でもあって、耳にする度に新鮮でもあってそこが面白いんでしょうな。

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それに更なる彩りを添えるのが、華やかな出で立ちでの舞踊。
今日ご披露された「ゴレッ・マニス」は、若い娘が美しく装い、化粧をする様子を舞踊化した作品とのことで、可憐で愛らしい振り付け。
指先の動きひとつ、足の運びひとつ、僅かな所作にもそうした意味が込められているのでしょう。演奏共々、そのデザイン的なコレオグラフも堪能させて頂きました。

古いようでいて新鮮な伝統音楽、単純なようで深遠で奥妙なエスニック・ミュージック。それが十分に味わえたひとときでした。

おまけは・・・、

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大阪のランドマークでもあり、「芸術は爆発だ!!」的巨大芸術作品でもある太陽の塔

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