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ゴジラ! GODZILLA!! ゴッズィーラ?! [散歩・散走]

午前中に城北菖蒲園への「花巡りポタ(ハナショウブ編)」を終えて、午後は映画鑑賞です。
今日封切初日の『Godzilla:King of the Monsters (字幕版)』を観てきました。

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1954年公開の『ゴジラ』からこれまでに、「昭和ゴジラシリーズ」が15作、「平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)」が7作、”巨大なイグアナ”と揶揄された1998年公開のハリウッド版「GODZILLA」を挟んで、1999年12月からの「ミレニアムシリーズ」が6作、庵野秀明脚本による『新世紀』ぽくてちょっと毛色の違う『シン・ゴジラ』が2016年に公開されて、その後、さらに血統の異なる「GODZILLA」三部作はアニメーション作品。
今日観る『Godzilla:King of the Monsters』は、「ミレニアム」後の2014年に公開された、ワーナー・ブラザース提供、レジェンダリー・ピクチャーズ製作による『Godzilla』の続編に当たり、通算第35作目で、ゴジラ生誕65周年記念作品ともなっている。

さすがに1954年から’70年前後の「(昭和)ゴジラ」はリアルタイムでは観ていなくて、後年レンタル・ヴィデオか何かで観たのでしょうか。
劇場で観たゴジラは、すでに息子ミニラが出来て、プチ整形されたのかお目々がパッチリになって、宇宙から来た凶悪怪獣や海から湧出してきた化物相手に戦うヒーロー・パパ・ゴジラ
記憶を補完するように、ヴィデオで全作品も観てみました。
数度のリブートを経ながらも、それ以前の設定や遺伝子を引き継ぎ、初代のDNAを伝え続けて60数年。
着ぐるみがミニチュアの町並みを破壊するSFX特撮映画はコンピュータグラフィックスを駆使したVFXに変わり、まるっとアニメーション化もされて、今回の作品はヴィジュアル・エフェクトの本場(?)ハイウッド版。マイケル・ドハティ監督作品。

この公開に先立って、Amazonプライム・ビデオで過去のゴジラ作品が(アニメ版以外)全部公開となって、『ゴジラ』から「平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)」の最終作『ゴジラVSデストロイア』まで観て、もちろん2014年のレジェンダリー版Godzilla』も観て、ついでに『シン・ゴジラ』まで観て、予習はバッチリ!! 「ミレニアムシリーズ」まで観ている余裕は無かったのね。

以下、ネタバレ注意・・・ですかね。

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前作(2014年版)でのゴジラ・・・アッ、Godzilla(ゴッズィーラ)ですか・・・と2体のM.U.T.O(ムートー Massive Unidentified Terrestrial Organism/未確認巨大陸生生命体)の食うか食われるかの戦いから5年後。
今や公然となったゴジラ・・・あッ、ゴッズィーラですか・・・を始めとする巨大怪獣の存在。そのモンスターズ・・・未確認巨大陸生生命体を調査、監視するのが謎めいた特別研究機関「MONARCH(モナーク)」。1946年にハリー・S・トルーマン大統領によって設立された(となっている)アメリカ合衆国の特務研究機関ではあるのだけれど、英語の「MONARCH」とは「絶対的君主」を意味する。「怪獣王」に対して唯一無二の絶対君主。あッ、トルーマンは日本への原爆投下を承認した・・・とされる大統領ですね。

前作『Godzilla(ゴジラ)』とそれに続く2017年公開の『Kong:Skull Island(キングコング: 髑髏島の巨神)』、そして今作はひとつの世界で繋がって、「MonsterVerse(モンスターバース)」としてシリーズ化。第4作となる『Godzilla vs. Kong(ゴジラ対キングコング)』が2020年公開に向けて製作中。
シリーズ3作目にして、懐かしいゴジラの盟友(?)のモンスターズが居並ぶことになる。

ゴジラ・・・あッ、ゴッズィーラですか・・・とムートーのバトルの後処理をする一方で、その存在が全世界に知られた「モナーク」は批難を受けながらも、懲りずに巨大生命体・・・彼らはそれを「Titans(タイタンズ)」と呼称する・・・を観察、管理している。
この世界には、ゴッズィーラムートーコング以外にも多くの巨大生物が太古の昔から長い長い眠りについていて、その総数は17頭!!
どこに居るかも突き止められて、名前まで付けちゃって、それぞれが「モナーク」の監視下にある。
ただ観察しているだけでなく、それらをコントロールしてしまえと開発されたのが「ORCA(オルカ)」という構造が不明のデヴァイス。5年前の怪獣同士の戦いの声やら、(もしかしたら)眠りにつく怪獣たちの寝息や心音、脈動、果ては鼾や寝言まで採録したのでしょうか、彼らの生体音を合成、エミュレート、それによって彼らとコミュニケーション出来るという夢のような装置。対タイタンズ用翻訳機みたいなものでしょうか。ド、ドラえもん的な?

その開発を手掛けたのは動物学者のマーク・ラッセル博士(演:カイル・チャンドラー)なのですが、彼は5年前にゴッズィーラムートーと「モナーク」が引き起こした「サンフランシスコの惨劇」で息子を亡くし、そのショックから、タイタンズとの共存を図る特別研究機関を辞して、家族とも離れて、人里離れた所で隠遁生活。
装置の開発を引き継いで完成させちゃったのが、妻のエマ・ラッセル博士(演 :ヴェラ・ファーミガ)。彼女は今も「モナーク」に席を置く純古生物学者。
ママと一緒に生活しつつ、パパのことを気遣って、ママには内緒でパパとメール交換をする娘はマディことマディソン(演:ミリー・ボビー・ブラウン)ちゃん。
ママ博士マディちゃんは、いましも孵化しそうなモスラの卵のもとを訪ねます。

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モスラ
というと、南洋諸島・インファント島の守り神でもある巨大蛾・・・だと思っちゃう旧来のゴジラ・ファン。
モンスターバース」の世界では、そんな架空の島ではなく、卵があるのは中国・雲南省の密林に隠れた古代遺跡。もしかしたら、インファント島を飛び立った成虫モスラが急に産気づいちゃって、そこで産み落としたのか?! それとも、古代の中国人がパクって運んで来ちゃったものか?
で、モスラといえば付き物の双子の小美人も登場しないのが、ちょっと残念。代わりに、アジア系美人女優が隠れキャラ的に一人二役で双子役。それはそれでいいのだけど、やっぱり、双子のアイドルからモスラに、祈りの歌と踊りを捧げて欲しいよねェ。

・・・と、それはともかく・・・。

その様子を本部で見届けるのは、芹沢猪四郎博士(演:渡辺謙)やアイリーン・チェン博士(演:チャン・ツィイー)とその他の科学者や事務官、軍事部門Gチームの指揮官などなど。
芹沢博士は親子二代に渡ってゴジラ・・・彼はゴッズィーラではなく、ゴジラと発音します・・・を研究する生物学者。アイリーン・チェン博士も親子三代、双子の妹(!!)がいて、古い神話や伝説、伝承から怪獣を研究する、考古人類学者。

5年前のゴッズィーラムートーの戦いの余韻のせいか、何によるものか、世界中に四散する17頭のモンスターズが何らかの波動によって一斉に目覚めようとしている・・・らしい。で、モスラの卵も孵化を迎える。
早速「オルカ」の効力を試す時・・・ではあるが、生まれたての赤ちゃんモスラはきかん坊。警備員を薙ぎ払い、エマ博士マディちゃんにまで襲い掛かりそうな勢い。
オルカ」のチューニングによって、モスラが沈静したのも束の間。そこに現れる環境(エコ)テロリスト集団。未確認巨大陸生生命体はとんでもなくお宝、お金になる・・・らしく、それを捕獲するのが狙い。
というのも、先のゴッズィーラVSムートーで街(文明)こそ破壊されたけれど、それら未確認巨大陸生生命体が持つ治癒回復力、再生力の影響でその後は緑が繁茂し、人工物を置き去りにして急速に自然が復活しているそうで、65年前から死んだと思われながらも再生し怪獣王となったゴジラに肖り、モンスターズの細胞には不老不死に近い効能があって、環境の復元に止まらずスッポンの血やイモリの黒焼き、サイのツノどころじゃあないほど妙薬として珍重される・・・らしい。臨床試験とかはお済みでしょうか?
エコテロリストはエマ博士マディちゃんを拉致し、「オルカ」共々南極へと運んでしまう。
その氷の大地の下に眠るMonster Zero(モンスターゼロ)を目覚めさせるのが目的。

人間同士が争う隙に幼虫モスラは逃亡、脱出し、遺跡近くの滝の中に繭を作り、そこに潜んでしまう。幼虫期、短かッ!! 孵化した途端に蛹化って、どんだけセッカチやねん!! が、彼女は早く成虫にならなければならない使命がある。

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南極のモンスターゼロとはGhidorah(ギドラ)のことで、コイツは他の16体とは別格。昔むかし世界中で猛威を振るい、中国の伝説に僅かに残るだけで、余りの恐ろしさに文献には書き記せない、その名を口にすることさえ憚られると畏怖された存在。
それを目覚めさせれば、それに呼応して残りの怪獣が起き出してくる・・・らしい。それを一網打尽にしようというのがテロリストの魂胆。

そうはさせじと芹沢博士を筆頭に「モナーク」御一行が南極へ向かうのですが、元「オルカ」の開発者マーク・ラッセル博士とコンタクトを取って対策を協議し、愛娘を救出したい彼と利害が一致、超大型全翼機で極地へと赴きます。
ところが、実は誘拐は狂言で、エマ博士ゴッズィーラたちの自己回復力で緑豊かな太古の環境に戻したい、文明なんか滅びちゃっても構わないと、ママも息子を亡くしたことで(精神的に)ちょっと壊れちゃったのか、マッド・サイエンスティスト化。環境が復元することで、死んだ息子が戻ってくるとでも思ったのでしょうか。真に攫われた被害者はエディちゃんだけ。
ギドラが眠る氷の大地には大量の爆薬が仕掛けられ、「モナーク」の軍事部隊やマーク・ラッセル博士が迫る中、思い切ったようにそのスイッチを押すのはエマ。その表情が切ない。
氷原が裂け、氷塊が砕け散って、その下に眠っていたギドラが目覚め大きく翼を広げるのですが、その大きさたるやゴッズィーラを遥かに凌ぎ、南極大陸に巨大な影を落とす。その威容に、アイリーン・チェン博士King Ghidorah(キング・ギドラ)と名付けちゃう。
ゴッズィーラが体内に原子炉(のような器官)を持つならば、ギドラは超大型発電機。ひと吼えすれば雲を集め雷を呼び、天候さえも操ってしまう。さながら、雷(イカヅチ)の暴龍。

超巨大なギドラが天候まで味方につけたら、「モナーク」の精鋭軍事部隊も歯が立たない。そこに駆けつけるのはゴッズィーラ
南極での戦いは決着が付かず、二度目の対決は太平洋上。雷の暴龍VS怪獣王。ゴッズィーラギドラの3つある頭部のうちひとつを噛み千切るが、その切断面から新しいアタマがニョキニョキと生えてくる。トカゲのシッポか?!
地球上のどの生態系にも属さないギドラは、太古の昔に遠い宇宙から飛来した外来生物で、生物学上の常識も理りも通用しない。暴れるだけ暴れて、その時もゴッズィーラと対決し、疲労困憊し、南極で長い眠りについていた・・・らしい。どの怪獣より知能が高く、天候だけでなく、他のモンスターまでコントロール出来る・・・らしいが・・・。

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ゴッズィーラ
ギドラの戦いは凄まじく、その衝撃波は全世界に轟き、各地に散らばる17頭のモンスターズ・・・タイタンズが一斉蜂起。
メキシコ沖の火山島。その火口内にはRodan(ラドン)が眠り、「モナーク」メキシコ支部が巨大な蓋で火口を封印してあったものが、エコテロリストと「オルカ」に操られたギドラによって破られる。
日本名ラドンは英語版ではRodan(ロダン)。山中から飛び出すという設定は近しいのですが、火山の火口から炎を纏い巨大な翼を広げた姿は、まるで火の鳥、フェニックス。羽毛を持たず、翼竜のようにも見える、焔の怪鳥。
一度飛び立てば音速を上回る速さで、ソニックブームが発生し、並びかける戦闘機を撃墜し、眼下の街並みを破壊する。ヒトの力では到底敵わないことは、ゴッズィーラギドラに並ぶほど。
と、制空権を賭けた戦いは、ロダンラドンギドラ。焔の怪鳥VS雷の暴龍。火の鳥フェニックスも、三つの頭を持つ黄金の巨龍には知力も体力も及ばず、ラドンギドラの軍門に降る。

さて、ゴジラモスララドンギドラというと、「昭和ゴジラシリーズ」の第5作『三大怪獣 地球最大の決戦』が思い出され、その時は地球代表の三大怪獣、ゴジラモスララドンが宇宙から飛来したキングギドラと対決するという図式でしたが、三大怪獣が挙ってようやく退けることが出来た宇宙怪獣は、この作品では他のモンスターを操ることが出来るほどのチカラを示し、1対3から2対2のタッグマッチに持ち込む。そして・・・。

4大怪獣より凶悪なのは、実は人間。
南極で、太平洋の真ん中で暴れるゴッズィーラギドラに業を煮やしたアメリカ政府とアメリカ軍は禁断の兵器オキシジェン・デストロイヤーを使ってしまう。
オキシジェン・デストロイヤーとは、1954年版「ゴジラ」で芹沢大助博士が開発した化学装置(水中酸素破壊装置)で、芹沢博士はそれが兵器として悪用、転用されることを恐れて、設計図を焼却したうえで、自らもその効力が及ぶ水中に没し、ゴジラと運命をともにした。初代ゴジラの骨まで溶かした強力な化学物質。
それが、設計図も設計者も消滅してから60数年。何故か米軍が所有しているそうで、アメリカ版オキシジェン・デストロイヤーは半径3キロメートル圏内の生物が全て死滅するという、海洋汚染、環境破壊も甚だしい、まさに残忍酷薄なデストロイヤー(破壊者)。それを公海上で、一国の思惑だけで使用していいのでしょうか。
ゴジラ」も「Godzilla」も特撮SF映画。SF・・・、Science Fiction(サイエンス・フィクション)ですから、オキシジェン・デストロイヤーなりメーサー砲なりの架空の化学兵器が出てくるのはいいのですが、今のご時世に環境破壊はダメでしょう。
さらに、この後、ツッコミどころ満載どころか、突っ込みどころしかないような、ストーリーはSF(サイエンス・フィクション)からSF(スーパー・ファンタジー)な世界へと展開します。

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ゴッズィーラ
VSギドラの最中に投下された最終兵器。海面は一瞬にして静まり返り、その後沸き立つような波が起こり浮上したのは、勝ち誇ったように、ヒトの叡智を嘲笑うかのように大きく翼を広げたキング・ギドラただ一体。
ゴジラは? ・・・あッ、ゴッズィーラは?!
悠然と飛び立つギドラを追いもせず、「モナーク」ご一行はゴッズィーラの消息を気遣う。「モナーク」の最新科学はその微かな生存反応を頼りに、大型潜水艦で海底にゴッズィーラの痕跡を追う。
彼らの説によると、地球の至る所に地底へと通じるトンネルがあって、それが繋がっているのだとか。はァ、「地球空洞説(hollow Earth theory)」ですか!? ゴッズィーラやモンスターたちがひょっこり現れるのはその空洞を使って行き来しているかららしい。
そして、海底の長いトンネルを抜けると、そこは・・・、遥か昔に海没した超古代遺跡
その失われた超古代文明ゴッズィーラを世界最古の神と崇めたそうで、怪獣王を模した巨大なモニュメント、壁にはそのレリーフが残り、その横にはカタカナで「ゴジラ」と縦書き・・・。もうツッコムどころか、お茶吹いたわ!! せめて、「呉爾羅」でしょ。って、そんな問題でもないわ。
しかも、そこは今も地上と同じ大気が満ちて、巨大生物が跋扈していた約29,900,000年前~約25,100,000年前、ペルム紀と同様に天然の放射能が認められるそうで、古代の海底神殿はゴッズィーラが疲れを癒すお家でもあるそうな。ろくに調査もせずに、そこが最古の文明都市であることを決裁してしまう「モナーク」の科学力。
地球空洞説からの超古代文明。そういうのは嫌いじゃないけど、中学二年生辺りが大喜びしそうな設定を狙ったねと勘ぐっちゃうワタシはオトナ。
まさか、現生人類はギドラとともに宇宙からやって来て、超古代文明を滅ぼし、自分たちが住みやすいようにテラ・フォーミングしちゃったのが今の有り様ってこと? まさか、ねェ。そこまでは言ってない。
その最深部に、オキシジェン・デストロイヤーの脅威を間一髪に逃れたゴッズィーラが眠っている。それを見つけた「モナーク」ご一行は、ゴッズィーラの再生を促すために、気付け薬として、彼のエネルギーとなる核爆弾を打ち込むことを決めちゃう。
またも環境汚染ですか? アメリカ軍に続いて、「モナーク」まで、どうしてそう独断専行しちゃうかな。
海洋汚染、環境破壊どころか、超古代遺跡は世紀の発見。それを壊してしまうかね。世論も、考古学者も、黙ってないぞ、きっと。
ここから急にストーリーは日本調になって、大型潜水艦の魚雷発射装置が故障、核爆弾は時限装置を付けて手動で起爆させないといけないとなって、その任に当たるのは芹沢猪四郎博士。1954年版「ゴジラ」の芹沢大助博士が自らの死をもってゴジラを葬ったのに対して、こちらの芹沢博士は自らの命を賭してゴジラ・・・あッ、ゴッズィーラの再生を試みる。おまけにここだけ日本語の台詞「Goodbye Old Friend.」。

かくして、核爆弾がドカーンで、ファイト一発、ゴッズィーラがリバース!! 完全復活して、ギドラとの最終決戦に臨みます。
決戦の地はボストン。レッドソックスの本拠地、フェンウェイ・パークが闘いの場。
エコテロリストと”モンスター”なママの手から「オルカ」を奪い取ったマディちゃんは、怪獣同士の争いを止めるべく、単身その球場へと赴く。それに呼ばれるように、17体のモンスターズが各地から動き出す(画面に登場するのはそのうち数体だけ)。
ギドラがイカヅチを背に飛来する。ゴジラ、あッ、ゴッズィーラがそれを追って上陸し、雄叫びをあげる。火の粉を纏ったラドンが来襲する。そして・・・。
ゴッズィーラギドララドン軍。空飛ぶ2体のモンスターが相手では、胎内の原子炉(のような器官)が爆発寸前の、いわゆる「バーニング・ゴジラ」状態と言えども、分が悪い。

風雲告急!! 忘れちゃいけない、モスラちゃん。性急に孵化、蛹化した巨大蛾は雲南省の滝の中で羽化の時を待つ。
今がその時とばかり、巨大な繭が割れ、蛹から成虫へと変態したモスラが・・・!! んン??
昆虫の変態、脱皮は本当なら相当に命懸け。蛹から成虫になるにしても、すぐには完全な姿にはなれず、翅を伸ばし、本来の色形になるには相当な時間を要するのだけれど・・・。ましてや、変態中の白い肌は刺激に弱く、滝の中でのそれは多分不可能なはず・・・なのだけど、このモスラは相当にセッカチ。蛹が光ったかと思うと、もう極彩色の翅を持つ成虫が現れて、瀑布の水量を物ともせず、いきなり飛び立っちゃう!!
これが美しい。光の鱗粉を纏ってキラキラと輝く、光粉の巨蛾。
ゴッズィーラKing of Monstersなら、モスラQueen of Monsters。種を超えた強い絆で結ばれるのか、危機に瀕したゴッズィーラのもとへ、音速を遥かに超えて、雲南省からボストンまでほんのひと飛び。

4大怪獣の戦いはタッグマッチの様相で、ゴッズィーラVSギドラモスラVSラドン
ゴッズィーラの熱線とギドラの光線が交錯し、ゴッズィーラギドラに噛み付けば、ギドラの長い首がゴッズィーラに絡み付く。
ラドンの鋭い嘴がモスラの胸を貫けば、モスラの前肢がラドンを引っ掻き、留めはお尻の先の鋭利な針。
この映画に登場する成虫モスラは、もふもふとぬいぐるみみたいな日本版とは異なり、成虫でも糸を吐けば、その肢はカマキリのそれに似て、おまけにその産卵管(?)はハチのように鋭い針状になって、いかにもモンスター的。
それぞれに一進一退、デスマッチとなって、その結末は・・・。

コンピュータ・グラフィクスで表現された怪獣同士の闘いは白熱。ストーリーも単純なようでいて、ラッセル一家のホーム・ドラマを含んで、謎の特別研究機関にエコテロリストまで絡んで、単に怪獣映画にとどまらないエンターテインメント性で、サイエンス・フィクションというよりスーパー・ファンタジー。
情報量が多過ぎて、耳と眼、頭がかなり疲れてしまいますが、過去の特撮映画の美味しいところがふんだんに添えられてもいるし、本家ゴジラへのリスペクトも感じられて、子供から大人まで確実に楽しめる映画作品。

本作品は「モンスター・オペラ」なのだと言う。4体の怪獣による独唱と重唱、それを取り巻く人間の合唱なのでしょうか。で、BGMとして流れるサウンドトラック(ス)もかなり重要ではあるのだけれど、さすがに怪獣は歌わない。
日本文化へのリスペクトなのでしょうか、歌舞伎のようでもあって、モンスターそれぞれの登場シーンはその「型」を見る思い。ギドララドンモスラはそれぞれに、雷、焔、光を纏って、巨大な翼をこれ見よがしに拡げて見せる。ゴジラ・・・あッ、ゴッズィーラですか・・・は厄落としするかのような「にらみ」。
でも、ね。
ラストの、玉座に鎮座する(ように見える)ゴッズィーラの前に、ムートー(M.U.T.O.)、ベヒモス(BEHEMOTH)、スキュラ(SCYLLA)、メトシェラ(METHUSELAH)・・・なんや、コイツら・・・が跪坐くのはちょっとやりすぎ。

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映画といえば、忘れちゃいけない、サウンドトラック(ス)。
それを担当するのはベアー・マクレアリーではあるのですが、ゴジラ作品でお馴染みの伊福部昭作曲の「ゴジラのテーマ」や古関裕而作曲の「モスラの歌」も引用されて、管弦楽を使ったオーケストレーションはごく一般的なそれなのですが、ゴジラのテーマ」には日本語の掛け声『せいやッ、ゴジラ』が和太鼓のともにかなり過分に入って、「ギドラのテーマ」は『般若波羅蜜多心経』の読誦が添えられる。宇宙から来た外来生物は異文化的である種エスニック、ミステリアスで胡乱、神聖であると同時に異教的ということなのでしょうか。
対して、
芹沢猪四郎博士ゴジラの再生に自らの一命を賭すシーンで流れるGoodbye Old Friend」は聖歌、賛美歌的。
モスラの歌」には、やっぱり、『Mothra ya Mothra』、インドネシア語の歌唱を添えて欲しかった・・・かなァ。えッ、インファント島ではなく雲南省で産まれたから中国語化?! それはないやろ!!

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