SSブログ

いちょう祭への道2018 [音楽のこと]

弥生三月。
そろそろ桜も咲き始め、卒業式や入学式などなどの学校行事が賑わう頃合い・・・だからというわけでもないのですが、今月はワタシも大阪大学豊中キャンパスに3週連続の登校。11日(日)と今日、24日(土)がジャワ・ガムランのお稽古日に当てられて、その間、18日(日)が恒例の「ワンコイン市民コンサート」。

月イチ恒例の「ワンコイン市民コンサート」は、他では聴けない、お眼に掛かれないようなレアなプログラムが面白くて欠かすことの出来ない音楽イベント。

一方、ガムランのお稽古も、本来は月に一度開催されるジャワ・ガムランのワークショップ・・・体験教室なのですが、今月と来月は特別編。

そのワークショップを主催・運営されているのが、阪大豊中キャンパスを拠点に活動するジャワ・ガムラン・グループの「Dharma Budaya(ダルマ・ブダヤ)」で、来月末、4月30日(振替休日)に開催される同キャンパスでの大学祭『いちょう祭』にもコンサートとワークショップで出演・出展されるとのことで、ワークショップ参加者からも是非ぜひご加勢(?)をとのお誘い。アンサンブルは人数が多い方が盛り上がりますからね。

ワタシは一昨年の11月に、「ワンコイン市民コンサート」でDharma Budayaの演奏を拝見(→記事参照)し、そこでガムラン楽器に触れさせて頂いて、翌12月から月一回のワークショップに通い始めて、昨年春の「いちょう祭(→記事参照)」と秋の「まちかね祭(→記事参照)」で日頃の練習の成果を発揮し(?!)、次が三度目のステージとなる・・・はず。
まァ、「出ますか?」と尋ねられているうちが花。せいぜい足を引っ張らないようにしないといけない。

が・・・。

身体に馴染んだ西洋音楽とあまりに勝手の違うジャワの音楽。

ワタシの場合、かのクロード・ドビュッシーが、1889年にパリで催された万国博覧会で耳にしたガムランに衝撃を受け、その作風にまで影響を与えた・・・というエピソードから興味を持ったのだけど、もとよりドビュッシーのような天才でもないので、一度聴いただけで自らの作品に出来るようなことはなく、何度も咀嚼してキッチリ消化しないと身に付かない、理解にまで及ばない。ならば、聴くだけではなく、演ってしまえと潜入捜査?!

西洋音楽が多彩な音色と広い音域で拡散するメロディアス・ハーモニーなら、ジャワ・ガムランは狭い音域に近しい音色が犇いて、収束するリズミック・ハーモニー。方やきっちりとチューニングされた音の重なりで美しさを求めるなら、もう一方は微妙な音のズレから揺らぎとうねりを生み出す。どこか読経にも似た、ヒーリング・ミュージック。そして、やはり、大勢でワイワイと盛り上がるのが楽しい民族音楽。
エスニック・ミュージックというと、プリミティヴなものを想像してしまいますが、ジャワ・ガムランは意外にも論理的で数学的なニュアンスも感じられるような気がします。
耳馴染みのある西洋音楽の音高、音階とは違う独自の音階は1台ずつではちょっと気持ち悪くもあるのだけれど、アンサンブルになると不思議なほどに心地よく響いて、そのフシギになんだかハマっちゃったンですな。

ドビュッシーが創造する音楽宇宙の、ほんの一端・・・などという些細なものでもなく、ワタシにとってはそれはひとつの星どころか、銀河系に匹敵するくらいの小宇宙。奥が深くて、未だ全容を掴み切れない。近づくと逃げ出せないブラック・ホールなのかも?

ガムランは主に青銅製の鍵盤打楽器や大小の銅鑼を使うのですが、楽器の種類も限られて、それら1台ずつはほぼ1~2オクターブの音域で、6~12音の音高しか持たないシンプルな民族音楽と高を括ったのが大間違い。聴くと演るとは大違い。独自のビートにカラダが上手く反応しない。キレイに響かせようなどという余裕がまだ持てない。

IMG_1885.jpg

何を戸惑うって、まず譜面がない。
現地では恐らくみんな生まれた時から身体に染み付いて、阿吽の呼吸で合奏出来るのでしょうが、こっちとらァ五線譜にオタマジャクシで育った西洋人? 今は便宜上簡易な文字譜も使われているが、それもくせ者。
お稽古の度に板書される文字譜を書き写したり、iPhoneで撮影したりはするけれど、そのシンプルなスコアじゃあ譜面というより暗号に近しい。
アンサンブルの中核となる鍵盤打楽器のサロン類や区切りを示すクノンクンプールゴンなどの銅鑼類は、文字譜(数字譜)の数字に対応する鍵盤や銅鑼をほぼそのまま叩くのだけど、装飾的なパートになると文字譜に示された以外の、より細かい動きを要求されて、暗号解読というか、因数分解的な演奏で・・・。
「Don't Think. Feel!」とはブルース・リーが『燃えよドラゴン(Enter the Dragon)』の中で言い放った台詞。が、こっちとらァ生来の理系脳で、感じる前に、そのリズミック・ハーモニーの法則を考えちゃう。計算出来るんじゃないかとオツムをひねる。感性のドラゴンより、論理のバルカン人。耳はとんがっていないけれど、頭デッカチなのよ。「Live long and prosper(長寿と繁栄を)」

ジャワ・ガムランドビュッシー作品にどう影響したかを読み解くためにも、暗号解読しないではおけない。
ハマった以上はモノにしないと収まらない。
大学祭とはいえ人前で演奏するとなったら、ある程度仕上げておかないと格好がつかない。
考えている遑はない。フィーリングから西洋音楽・・・ロックやポップスの、8ビートや16ビートとの違いに気付けば、トラップめいたアクシデントは回避出来る・・・はず。

演奏予定の楽曲を覚えるために、YouTubeを物色してみるが、同じ楽曲を見つけても、その編成は異なるし、自由度が高いからか演奏内容も違う。

kebogiro1.jpg
kebogiro2.jpg

シンプルな文字譜を眺めていても解答に至らないので、清書がてら全パートの総譜化を試みる。
それじゃあ、数字の羅列で、一層乱数表か暗号表。とはいえ、パターンは読めてくる。
理解しやすいように、五線譜のフルスコアにしちゃえばいいのだけれど、時間が掛かるし、面倒臭い。
ワタクシこと、テクノ世代(?!)で、Information Technologyに関わって、それでご飯を頂く身。DeskTopMusic(DTM)もお手の物。今やデスクがなくても、iPhoneiPad、通勤の電車内でスコア・ライティング出来る時代。


IMG_2117.jpg
IMG_2123.jpg
IMG_2124.jpg

最近愛用しているのが『MEDLY』というミュージックメーカー・アプリ。20~30分でチャチャッと一曲仕上げちゃう。鼻歌気分で作曲するのには適さないが、ガムランのような同一パターンの繰り返しならcopy&pasteであっと言う間に出来上がり。
このアプリ、何がガムラン向きって、音符を入力するいわゆるピアノロールなエディター画面が、クロマティックな半音階だけでなく、ピアノの黒鍵に当たる半音階を消しちゃって、ペンタトニック・スケールに出来るので、5音音階のガムランにピッタリ!?
標準装備される音色は少ないけれど、課金すれば多くの音色が使えて、なんとなくガムラン風なアンサンブルになってくれる。
もちろん、西洋音階の音高なので、正当なガムランの音階とは合わないのだけれど、そこは雰囲気。とりあえず、音の流れ、グルーヴが再現出来ればそれでいい。




ワタシが参加させて頂くのは、演奏5曲のうち2曲。通勤電車の中でその2曲、「Ldr. Mugi Rahayu Sl. Manyura」と「Lcr. Kebogiro Sl. 9」を入力してしまう。

IMG_2118.jpg
IMG_2120.jpg

出来上がりはしたものの、なんちゃってガムランチックなテクノ・ポップのような・・・。少々物足りない気もするが・・・。

根が凝り性なもので、やるとなったらもうちょっと頑張って雰囲気を近づけたい。

IMG_2127.jpg
IMG_2126.jpg
IMG_2128.jpg

で、『MEDLY』で作ったMIDI(ミディ、Musical Instrument Digital Interface)データをド定番なDAW(Digital Audio Workstation デジタル・オーディオ・ワークステーション)アプリの『Music Studio』へとシェアする。
MEDLY』でもパン(定位)やエフェクト(効果)を付加することが出来るが、『Music Studio』の方がより繊細な音作りが可能。
いちから打ち込むとなると面倒だが、『MEDLY』からMIDIデータをコンバート。ワタシが演奏するパートをセンターに置いて、他のパートは左右に振って、それぞれにエフェクトを効かせて、ハイ出来上がり。
こちらは有料アプリで、追加の音色までダウンロードするとそれなりの金額になるが、それだけの値打ちはあるでしょう。

暗号めいた文字譜もピアノロール譜に変換することで、ヴィジュアライズされて、グッと理解しやすくなる・・・?!
当然そのまま発音もするので、眼と耳の両方から理解を深められるっと。
iPhoneの小さな画面では無理だけど、iPadでなら2段鍵盤にすることで、上の鍵盤は自動演奏させておいて、下鍵盤でそれをトレース。指先でも曲の流れを追うことが出来る。

掟破りかもしれないけれど、文字譜を直感的なピアノロール譜に変換し、視覚的に理解する。アタマの中で、自動変換出来ればいいのでしょうが、今はとりあえず手っ取り早く覚えないといけない。
ドビュッシーガムランを弦楽四重奏やピアノ独奏曲へとアレンジメントしちゃったんだから、今の時代、DAWにしちゃってもいいっしょ。楽曲分析しやすいし、ドビュッシーガムランのどこに惹かれたかも視えてくる・・・かも。

今日を終えたら、4月中、本番までのお稽古はあと2回だけ。しかも、そのうち1日は「ワンコイン市民コンサート」と時間も重なっちゃって、とにかく練習時間が限られる。自主練習しないと追っつかない。と言って、自宅にガムラン楽器は揃えられない。
iPhoneiPadのアプリでサクッと作って、それをWAV(waveform Audio Format)データに変換。iCloudに置いて、『Music』アプリでリピート再生。これなら、睡眠学習も出来ます・・・よ!?

IMG_2113.jpg

イメージトレーニングしないといけないのだけれど、根が凝り性なもので、気がついたら、今までご教授頂いた楽曲をDAW化しちゃってたァ!!!!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント