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サクラサク 第2楽章 [散歩・散走]

暑さ寒さも彼岸まで。身を切るほどの寒風がおさまって、ようやく水が温んでくると、もう我慢が出来ず、今日も折り畳んだ自転車とともに輪行のヒトとなる。

 

先週は淀水路河津桜を目指したが、今日も目的は京都の早咲きで、その第2楽章。

サクラバラ科スモモ属サクラ亜属に分類される落葉広葉樹。『黒薔薇堂』主人としては、まんざら知らん顔もしていられない。
京都
大阪の開花予想は、平年より少し遅いらしく、4月1日前後となっているが、それはソメイヨシノ(染井吉野)をサンプルとしている。確かに、サクラというと、ソメイヨシノが圧倒的にマジョリティ。が、それはクローン栽培されているため、一斉に咲いて一斉に散ってしまう。見応えはあっても、少々気忙しい気がする。多数派よりも、マイノリティの方が面白い?!
また、園芸品種が多く、花弁の数や色、花のつけかたなどを改良しようと古くから多くの品種が作られ、日本では固有種・交配種を含め600種以上の品種が確認されているらしい。早咲きの品種も勿論あって、それらは主にカンピザクラ(寒緋桜)の遺伝子を受け継いでいる。
カンピザクラは旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)と呼ばれることもあり、他にも、ヒカンザクラ(緋寒桜)、タイワンザクラ(台湾桜)、ヒザクラ(緋桜)などの別名がある。先週観たカワヅザクラカンピザクラオオシマザクラの自然交雑種であるらしい。

例年以上に「サクラサク」の吉報を待ち望んだ今年は、ソメイヨシノの開花を待ってはいられない。早咲きのを求めて奔走する。

今日の目的は「オカメザクラ」。

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先週同様、日の出とともに家を出て、折り畳んだBD-1Rとともに阪急京都線で輪行。列車が京都に近くにつれ、車窓から麗らかな陽射しが差し込んでくる。
終点の河原町駅で下車し、パッケージを解いたBD-1Rで走り出したのが7時を少し過ぎた頃。風はほとんどなく、温かげな陽射しは降り注ぐが、気温はひと桁、指先に冷気を感じる。
河原町通りを北上し、最初の目的地は出町柳駅近くの長徳寺。その門前にあるオカメザクラ

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そのは、カンピザクラマメザクラの交配種で、イギリスの桜研究家イングラムに拠って作出された。サクラというと日本のもの・・・と思ってしまうが、これは英国ブレンド。早咲きと濃い花色は寒緋桜のDNAに依る。マメザクラ(豆桜)は、フジザクラハコネザクラとも呼ばれ、富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生する自然種。そのハーフが京都で観られるのだから面白い。

美しい花ではあるが、1本だけでは少々物足りない。とはいえ、ソメイヨシノシダレザクラはまだ尚早。とりあえず、下鴨神社にハンドルを向ける。
下鴨神社(賀茂御祖神社)は古くより導きの神、勝利の神として信仰される。糺の森(ただすのもり)とともに、その佇まいが好みで、洛北へ脚を向けた際は決まった立ち寄る。
森は少し寂しくなったようではあるが、東山や嵐山界隈と違って、人影少なく、昔ながらの静けさを保っているのが好ましい。

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静寂の森を抜けて拝殿に至る。京都の社寺の中でも際立って長い歴史を持つその神域には少ない。この時期眼を引くのは椿拝殿前にあるのが、雪と見まごうほどに白い花をつけることから「擬雪」と名付けられた白玉椿。光格天皇が御奉献されたというオリジナルは枯れてしまい、この度の遷宮に合わせて、2代目が植栽されたという。ツバキにしては遅咲きでほとんどがまだ蕾のまま。たった一輪だけ奇跡のように咲いていた。

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下鴨神社
から上賀茂神社(賀茂別雷神社)へ向かう。京都でもっとも古い神社であり、雷(いかづち)の御神威により、厄を祓いあらゆる災難を除き給う厄除明神・落雷除・電気産業の守護神。ITエンジニアリングは電気産業? ・・・になるのかどうか分からないが、疲れとストレスが溜まった頃、年に一度は心身のリセットにと、糺の森と合わせて訪れる聖域。
サクラは交配種も多いが突然変異種も多く、古い社寺が残る京都にはそこだけの名物も存在するが、こちらの境内にも固有の名称を持つ名物が幾つか点在する。中でも眼を引くのが「御所桜」、「斎王桜」と呼ばれるシダレザクラの巨木・・・ではあるが、これもまだ蕾を堅く閉ざしたまま。「風流桜」横の白梅がようやく満開の時を迎える。

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洛北
から洛中上七軒界隈を目指すが、車道を避けて、鴨川に沿った並木を通る。「半木(なからぎ)の道」と名付けられたそこはシダレザクラが川面に向かって枝を伸ばし、それを支えるために組まれた格子木に拠ってトンネル状に連なる。の盛りには距離約800メートルのサクラのトンネルが完成するが、今はまだ寂しげに細い枝々を突き出すばかり。見頃は再来週あたりか?

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千本釈迦堂
こと瑞応山大報恩寺の境内にあるのが「阿亀桜(おかめざくら)」。名称は「オカメザクラ」でも、こちらのそれは俗称で、カンピザクラ系でなくシザレザクラ
阿亀(おかめ)」とは本堂建築の折りに棟梁を務めた大工「長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)」の妻の事で、高次が本堂を建築していた時、重要な柱の寸法を間違えて短く切り過ぎ、責任ある棟梁として苦悩しているのを見て「枡組で補えばどうか」と助言し、夫の窮地を救った。これにより夫は工事を無事に遂げる事になったが、「(専門家でもない)女の知恵で棟梁が大仕事を成し得たと言われては夫の恥」と上棟式を迎える前におかめさんは自害してしまった。その逸話から、良妻の鑑として縁結び、夫婦円満、子授けにご利益があると言われ、全国のおかめ信仰の発祥となっている。うちの奥様にこそお詣りさせないといけないわけですな。ルックス的にはソックリなのだけど・・・。
阿亀桜は例年は3月下旬に咲き始めるらしいが、今年はまだその気配もない。

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が望めないのなら。それも北野白梅町まで来たのだから北野天満宮に寄らないわけには行かない。
菅原道眞公を主祭神とする学問の神様でもある天神さん。受験を目指す学生さんで賑わうが、うちの受験生くん(18)は無事に志望校合格を果たしてくれたので、(今更)合格祈願に訪れた訳ではない。
受験前、うちの(自称)天才児くん(18)に、「天神さんへお詣りしてこい、ゴラァ!!」と優しく薦めたところ、「神頼みは(今更)不要」との応え。半ば諦めちゃってるのかしらとも思ったが、彼のいうことは半分正しい。神仏に願掛けするということは、願いを聞き届けて頂くということではなく、自らの決意を神仏に対して表明することで、いわばシビアな決意表明。自らの願いを挫折した際には神罰・仏罰をもって処して頂くという覚悟。ご利益に甘えてはいけない。それで願いが叶うなら、誰も苦労することはない。よって、受験直前では全くもって間に合わない。学業成就、学業に精進しますという表明ならまだしも、大学受験合格を祈願するなら、それもソコソコにハイレベルなところを狙うなら、高校1年生、遅くとも2年生の春に始めないと手遅れ。
で、今日は御礼参りという訳で。まァ、あと4年(本当は死ぬまで)は学業に身を入れてもらわねばならないし。

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天神
さんといえば、『東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ』。飛梅伝説であるが、飛んで行かずに都に止まったが増えに増え、現在の梅苑には50種で約1,500本、見渡す限りに繚乱する。

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梅苑の入苑券は茶菓の引換券も兼ねて、途中の茶店で一服頂くことが出来る。梅肉入りすり蜜つきの麩焼煎餅菅公梅1包に紅白2ヶ入と「梅昆布茶」。緋毛氈が敷かれた床几で、温かな陽射しを受けながら、温かな昆布茶を呑んで寛いでしまったら、もう走れない、歩けない。撮れ高も十分なので帰路につく。

に酔ってしまって(?!)、「刀剣男士」萌えェ〜な、宝物殿で特別公開中の宝刀「伝安綱作鬼切丸(髭切)』を観てくるのを忘れたorz

さて、来週にはもう標準木も咲き始めかどうか。また寒さがぶり返すそうでもあるし、「第3楽章」は再来週・・・かなァ。とりあえず、このシリーズは「第5楽章 竹の秋」まで続く予定・・・??

本日の結果
Mx.:33.80km、Av.:15.90km、Dst.:35.43km、Tm.:02:13:23


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