今日はジャズ・コンサート(?) 2 [音楽のこと]
今日は久しぶりに逸翁美術館に向かいます。
と言っても、美術品、芸術品の鑑賞が目的ではなく、同館内マグノリアホールで行われるコンサートがお目当て。
「マグノリア・コンサート」は過去に何度か伺いましたが、「ワンコイン市民コンサート」へ出向くようになってからは、何故か日にちがカブりがちだったりで、少し足が遠のいていました。それにワタクシ、「ワンコイン市民コンサート」公認広報員ですし・・・。
が、今日はちょっと面白そう。参考になるというか、勉強になりそうなので、行かないわけにはまいりません。
だーいけの、おーいつで、ずぅーじゃ!!・・・みたいな。
と言うのも、今日のプログラムは『マグノリア・ジャズセレクション 金谷こうすけ THE NATURE@Magnolia ~ JAZZコンサート』ということで、(一応)ジャズ・ライヴなのですが・・・。
THE NATUREこと金谷こうすけ(ピアノ)、中嶋明彦(コントラバス)、YU-MA(ヴァイオリン)のトリオは関西を中心に活動されているユニット。
バンマス(?)の金谷さんはジャズとクラシックを融合させた壮大なコンサートを行ったり、作曲家としてジャズ、J-Popから演歌まで幅広いジャンルを手掛け、プロデューサとして若手の育成にも当たり、ピアニストとしても多方面で活躍されておられる。他のお二方もそれは同様。
ワタシの場合、ジャズはジャズでも、ジャズ・ピアノが好物。それがクール系ならなおよろし。
ジャズ界でメジャーな、サクソフォンやトランペットなどの管楽器系も悪くない。咽び泣くような、すすり泣くような、時に叫ぶような、語りかける息遣いがそのまま聞こえそうで、それはセクシー・・・ではあるのだけれど、よりクラシカルな楽器であるヴァイオリン、ジャズ・ヴァイオリンに惹かれてしまう。鍵盤楽器が真似出来ないような、センシティヴでフレキシブルな表現力は管楽器に負けず劣らず、伸びやかで艶やかなその音色も魅力。
そして、懐深い低音で魅了するのはコントラバス。
この三位一体は強力ですぞ。
ピアノとコントラバスとヴァイオリン、このクラシカルな編成で、ホールの公式HPによると、演目にはアストル・ピアソラ「リベルタンゴ」が含まれるらしい。他はなにが用意されているのか!?
ピアソラはアルゼンチン・タンゴの作曲家として知られていますが、その作品はジャズやクラシックの要素も多分に含み、そのためジャズ・プレイヤーやクラシックの演奏家にも好んで演奏される。「大阪クラシック」でも度々プログラムに取り上げられているので演者、聴衆の双方から人気があるのでしょうね。情熱的でダンサブルなタンゴは大阪でウケるねん、多分。
ましてや、1974年に発表された「リベルタンゴ(Libertango)」は彼の代表作と言っていい。
耳に馴染んだピアソラのタンゴ、クラシカルなトリオ編成でどのようにインプロビゼーションされるのか。参考にさせて頂きたいし、勉強にもなりそう。そりゃあ、行くしかあるまいよ。
で、炎天下BD-1Rを奔らせて、館内の喫茶室IAMでカレーを食べて、開演の時を待つ。
開場が14:15。
さして広くない、キャパシティが100そこそこのマグノリアホール。
そこに設えられているのは、1905年製のSteinway & Sons Grand Piano B-211。大阪大学会館のBösendorfer252(1920年製)とほぼ同世代のコンベンショナルな88鍵ミュージックルームグランドピアノ。こちらも意匠を凝らした脚線美が魅力。装飾的にデザインされた譜面立てが外されてしまって見られないのが残念。
全席自由なので、ピアニストの手元が見える位置を確保したい。開場なってすぐに頃合いの座席を占める。
そうして、15:00、開演の時間。
THE NATUREこと金谷こうすけ、中嶋明彦、YU-MAがホールに登場する。
今回のプログラムは、
1st Set
- White Valentine
- C'est Si Bon(H. Betti,A. Hornez)
- 邂逅
- 色ハ匂ヘド散リヌルヲ
- Minor Swing(D.Reinhardt,S.Grappelli)
- ユーラシアの風
- 斉太郎節(宮城県民謡)
- りんご追分(米山正夫)
- Liber Tango(A.Piazzolla)
2nd Set
- 夜明け前
- 或る兵士の唄
- レクイエム
- 21回目の始まり
- やさしい気持ちで
- Michelle(Lennon-McCartney)
- Summertime(G.Gershwin)
- Lush Life(Bi.Strayhorn)
- 落日のテーマ
・・・と盛りだくさん。
半分は金谷こうすけさんのオリジナルなのだけど、シャンソンあり、ジプシー・スイングあり、日本民謡あり、タンゴあり、ビートルズあり、ど定番のスタンダード・ジャズの名曲ありとヴァラエティに富んで、さて、それがどんな風に展開するのかと思ったら、最初の楽曲でぐぐっと惹きつけられる。
ざっくり言うと、ヨーロッパ風味のクロスオーバー〜フュージョン系のサウンドとなっているのだけれど、クラシカルなスキルも多用し、ジャズのビートもしっかり感じられるし、強いて言えばこの狭いホールにB-211がちょっとオーバースペックな感じがしなくもないけど、三人のバランスは悪くない。なにより、アコースティックなハーモニーが、耳に優しくて心地いい。
こうすけさんのSteinwayが唄いかければ、それに応えるようにYU-MAさんのヴァイオリンが軽やかに伸びやかに歌う。明彦さんのベースは、控えめながらツボを押さえて、それを支える。
時にギターとパーカッションを加えた5人NATURE、さらにブラスを加えた7人NATURE、ストリングスが加わったSpecial Editionとなる、THE NATUREの中核がこの三名だそうで、練習や打ち合わせをせずにその時々にインプロビゼーションする、変幻自在バンド。メンバーそれぞれが幾つものバンドを掛け持ちしたり、様々なジャンルのアーティストとの共演を経て、多様なテクニックを身につけることでこういう形態になったのだろうと想像される。
こうすけさんの演奏によってフレキシブルに歌い上げるSteinwayの豊かな音色が心を打つのはいうまでもないのだけれど、それよりも魅了されたのがYU-MAさんのヴァイオリン。
このバンドとは別にジプシー・ジャズのバンドもされておられるそうなのだけど、そのプレイは'60年代のブリティッシュ・ロックのテイストを含むような、ワタシにはよりブルージーに響いた。The Yardbirdsのギター・・・三大ロック・ギタリストの演奏を彷彿するような、Jeff Beckに近いブルース・ロックを感じた。
はい、違ったら、ごめんなさい。
ウクレレのように抱えて爪弾いた「斉太郎節」も渋かったし、明彦さんのベースと和した「レクイエムのバース」ではまた別の色香を放って、変幻自在というか柔軟性の高い多彩さには驚かされてしまいました。
THE NATUREのお三方、より多くのメンバーを加えて、次は9月6日(日)に西宮でライヴを行うとか。時間が許せば行きたいところ・・・と思ったら思いっきり「大阪クラシック」の初日とカブる(泣)。YU-MAさんのSpirit Of Gypsyもチャンスがあれば拝見したい。
盛り沢山がアッという間の約2時間、ジャズのようでジャズでない、それでいて、やっぱりしっかりきっちりジャズなライヴ、堪能させて頂きました。楽しませて頂きました。いや、マジ、面白かったよ!!
来週は「ワンコイン市民コンサート」で、『レオニド・ソロコフ ヴァイオリンリサイタル』。こちらはしっかりきっちりクラシック・ヴァイオリンですぞ。予習しなきゃ!!
jojoさんがJAZZとは珍しいですね。
北摂方面ではいろんなイベントやってるのですね。
最近はJAZZライブ行ってないので、そろそろ行きたくなります。
でも自転車も乗らなければいけないし、体がもう一つ欲しいです(^^;;
まだまだ暑いですが、暑さに負けず遊べるときに遊びましょう(^^)
by moto_tip_sp (2015-08-03 18:13)
モトさん、コメントありがとうございます。
ちょうど、ピアノ五重奏(ピアノと弦楽四重奏)でJAZZをやりたいと思っていたところに、この編成(ピアノ、ヴァイオリン、コントラバス)でのジャズ・ライヴ。参考にさせて頂きました。
そうですね。私も今月はコンサートが3つ。全て日曜日なので、自転車に乗る時間が削がれてしまいます。行き帰りを自転車というのはどうでしょう。
by JUN1026 (2015-08-03 20:48)