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見せてもらおうか、新型birdyの性能とやらを!! [散歩・散走]

昨年末をもって輸入販売元のミズタニ自転車株式会社の手を離れ、株式会社ファビタ パシフィックサイクルズジャパン事業部から販売されることとなったBD-1改めbirdy。それに伴い、モノコックフレームはリニューアルされて、カーボン製になるとか、そのために¥300,000以上のプライスタグがぶら下がるとかとんでもない噂が飛び交い、注目の2015年モデルはいつ発表されるのかと気を揉むこと7ヶ月。それがようやくお披露目となりました。

 

先に発表、販売されることとなったストレートフレーム版、「BD-1 classic」改め「birdy classic」はフレームに記されたロゴの変更に留まったが、モノコックフレームはさていかなる形状やと首を長ァくすること約半年。大幅な変更を期待していたのだが、いざ蓋を開けてみたら・・・。

ん?! どこが変わったのか? ・・・と思うほど。

太く逞しいメインフレームや特徴的なフロントフォーク、サスペンションに支えられたリアスイングアームの形状も従来のモノと見分けがつかないような。

しかし、初代birdy(BD-1)発表から20年を経て、販売経路と日本国内での呼称が変更となったそれは、コンセプトを「DNAチェンジ」とし、一見変化の少ないフレームはジオメトリーを徹底的に見直し、最適化することによって、MTBオリエンテッドからROADBIKEオリエンテッドとなって、走行性能が向上したという。
birdy(BD-1)のアイデンティティーでもある、フォールディングするフロントフォークとリアスイングアームは、ハイドロフォーム工法に因ってそれぞれ一体成形となり、より高い剛性が得られるようになった・・・らしい。高い液圧を使ったバルジ成形で生み出されたそれらは、ともに従来のものと比べて幾分か細くなって、軽量化に一役買っていると思われるが、機械式ディスクブレーキが標準装備となって、その高い制動力を受け止めるために剛性を高めたと推測される。

コクピット周りも見直され、ハンドルバーのクランプ径が25.4㎜から31.8㎜となり、ステムは3D鍛造一体成形となった。ステム固定部も安定感を増すために変更となっている。
ジオメトリーの改善と合わせて、ケーブルのルーティングが改められて、折り畳みと組み立てがより簡単になり、さらに畳んだ際のサイズもよりコンパクトになったという。

旧来のBD-1がMTBにカテゴライズされていたとは知らなんだ!!

それはともかく、web等々で見る二次元イメージでは今ひとつ違いが分からない。これは実車を見てみないと判断出来ない・・・と思っていたら、お披露目試乗会が開催されることとなった。
販売経路が変わるのに伴い、取り扱い店舗も変わることとなり、関西では大阪のLORO CYCLE WORKSと京都のLORO WORLD RECUMBENTSの2店だけになってしまうとのこと。
LORO CYCLE WORKSで早速の試乗会が昨日から明日、三日に渡って行われるという。これを見ないと語れない。
brand new birdy見たさに雨上がりの市内をひた奔る。

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LORO
の店内に入る。
BD-1が置かれていたコーナーは全てbirdyに置き換わり、今なら通常販売の「Standard Disk」と「Sports Disk」ともに全てのカラーが揃っている。 "通常品"の「Standard」はブルー、マットブラック、ホワイト、ミントグリーンの4色、対する「Sports」はブラック1色でちょっと寂しい。が、
BROMPTONのB-SPORKを意識したのか、オプションとしてKADOWAKI COLOR WORKSによる70色もの豊富なカラーリングを選ぶことが出来る。フォークとスイングアームを別色とするツートーンも選択可能であるらしい。自分のための専用機には好みのカラーリングが相応しい。
"三倍速い専用機"なカラーリングにすることも出来る訳やね。

価格は、「Standard」が¥225,000(税別)で、「Sports」が¥290,000(税別)となっている。オプション・カラーをチョイスするには別途¥20,000が必要。因みに、一歩先んじた「Classic」がレッド、ブルー、ホワイト、スコッチブライトの4色展開で¥145,000と¥155,000(ともに税別)、2014年モデルの「BD-1 DISK-R」は9速だったが、お値段は¥228,900。円安の影響が大きいとはいえ・・・。

折り畳まれた状態では細部が確認しづらい。店頭に置かれた試乗車でそのあたりをチェックしてみる。
「Standard」と「Sports」、フレーム・ジオメトリーは完全に同じ。BD-1がハンドルポストの角度で差別化していたが、そこも同一の仕様。
違いは装備されるコンポーネントやタイヤ、サドルなど。

「Standard」が、SHIMANO SORA(相当)のレバー、ディレイラ、カセットスプロケットを使った9速仕様。「Sports」がSHIMANO 105(相当)のノーグレイドなレバーとディレイラに何故かXTRのカセットスプロケットを使った10SPEED。こちらはタイアがシャワルベ・マラソン、サドルがセラ・イタリア製、ボトムブラケットがホローテック仕様になっていたり、対向ピストンを内蔵するロードバイク用の機械式ディスクブレーキを装備していたり、上位モデルらしい拵えとなって差別化を図っている。

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「birdy Sports Disk」とワタシの「BD-1R JoJo SPECIAL tuned by LORO CYCLE WORKS

細部を検証してみると、メインフレームはBD-1に対して約10㎜延長されて若干細身になった。BBシェルも位置が約15㎜下げられて、低重心化された。ボトムブラケットのシェル幅も変更されて、ロードバイク用がそのまま流用出来るようになった。

ハイドロフォーム工法で作られる特徴的なフロントフォークは、その懸架方法や可動方法は変わらないが、断面形状が変わり、各部の位置、角度も微妙に変更されている。ハブを支える"爪"が延長されて、ヘッド角が変わったことと相まってキャスター角が大きく変わった。BD-1のピーキーでトリッキーだった挙動が代替わりでかなり抑制された・・・はず。ディスクブレーキ専用となって、Vブレーキ用の台座は消えて、ディスクローター側のフォークは大きく抉られ、両フォークの間隔が狭められ、折り畳みサイズのコンパクト化に貢献している。

リアスイングアームもハイドロフォーム成形。キャラクターラインのような抉りが入って、やはり断面形状が変わっている。フォーク同様Vブレーキ用台座が消えて、ディスクローター分だけ肉抜きされて、左右の間隔が狭められた。
前後ともにエンド幅は従来と変わらない。

ディスク専用となってブレーキケーブルの取り回しも見直されて、一見ほとんど変わっていないように見受けられるフレーム(&フロントフォーク、リアスイングアーム)は完全に別物の新型。これは乗り味に大きく影響している・・・に違いない。

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というわけで、まずは「Standard」に試乗してみる。

漕ぎ出しから感じられるのは車体の安定性。BD-1は良くも悪くもそのクイックでピーキーなハンドリングが特徴だったが、そのクセは完全に払拭されて、ごくフツーの自転車の挙動に近くなった。低速域では顕著だった不安定さはほとんど消え去った印象。キャスター角が大きく変わったのとメインフレームが延長されて、BBシェルの位置が下げられたのが手に取るように感じられる。ハンドルバーの径が太くなったことも一因か。

BBの位置が下がったことで、サドル高さも低くなり、足つき性がよくなった。ストップ&ゴーの多くなる街中ではかなり楽になる。20インチ化しているワタシのBD-1から乗り換えるとそのあたりが全く別物に感じられた。

フレーム(&フロントフォーク、リアスイングアーム)の剛性感が高く、踏んだら踏んだ分だけ加速する感覚を覚える。"ROADBIKEオリエンテッド"というのはこのあたりを指すのだろう。"手離し運転"出来るようになったらしいが、危ないので試さなかった。

言葉は悪いが、よく出来たBD-1のばったもんといった感触。似ているが、全くの別物。欠点は見えないけど、個性も乏しくなったような。

Sports」に乗り換える。

Standard」とジオメトリーは同じであるが、ハンドルステムの角度が若干異なり、こちらの方が少しだけ乗りやすいような印象を受けた。ホローテック仕様であったり、タイアが異なるから、軽さも感じられる。
短い距離での試乗とあって、10速全てを使い切ることは出来なかったが、そこそこの走行性能を秘めていると思える。広い車道に出て、クルマと伍して走ってみたい。

birdy.jpg

といいつつ、MercuryBlueが再現できるなら、買ってもいいかなァ。2toneは微妙に下品?

BD-1といえばカスタマイズ。乗っているうちにいじりたくなってしまう自転車で、20インチ化や多段化がその定番。birdyとなってもそれは同じだと思われるが、ノーマルのまま乗るのであれば「Sports」で、カスタムの素材として使うなら安価な「Standard」。劣化や飽きからいずれカスタマイズを施すのであれば、はなから「Standard」を選んで、カラーリングを"自分仕様"にしておいて、おいおいコンポーネントやタイア/ホイールをリプレイスしていくのが面白いのではないかと思う。

ハイドロフォーム成形といい、細部のリファインは性能の向上のためでもあるが、かなりコストダウンを考慮した変更と見受けられる。インストールされているコンポ類もハッキリ言って安っぽい。"素体"と割り切って、好みの色のフレームを仕立てておいて、DURA-ACEやULTEGRA、まァ105でも構わない、それなりのパーツを組み合わせれば、それなりに快適快速仕様になると思う。恐らく、「Sports」でも物足りなくなって、より高性能化したくなってしまうに違いない。"ROADBIKEオリエンテッド"な特性を活かせるようなカスタマイズがハマるはず。
COLOR+などのBD-1用カスタムパーツもほとんどがそのまま流用出来る。新型対応のモノも近々販売されるに違いない。

フォールディング/スプレッドのお作法は従来通り。畳んだ時のサイズもよりコンパクトになったから、ドロップハンドルやブルホーンハンドルに変更したとしても、折り畳んだ際に従来ほど邪魔にはならないと思える。

危なげな"クセ"が消えて、安定性が大きく向上したから、これから小径車に乗ってみようという初心者の方にもオススメ!! ロードバイク乗りのセカンドバイクとしてもいいかも知れない。

BD-1ユーザーで、新型のウワサに惑わされてしまっていたから、一見ほとんと同じに見えるブランニューがちょっとつまらなく感じられて、円安の影響が大き過ぎてコストパフォーマンスだけを考えるとちょっとツライが、いい自転車には違いない。フォルムがほとんど変わらないというのは、それだけ完成された形であったということ・・・だと思う。

もしも尋ねられたら「いい自転車だとお勧めしますよ。ワタシは買いませんけどね」ととりあえず応えるかなァ。
スペシャライズでパーソナライズなカスタマイズを施したBD-1Rが手元にあって、買い換えるには至らない。
強いて2台目とするなら「Classic」を選んで、ライザーバーと軽いタイアに交換し、内装11速のAlfineをインストールして、前後のフェンダーも付けた「コンフォータブルタウン仕様」にするかなァ。今日みたいな雨あがりの街乗り用として最適でしょ?!
・・・といいつつ、よりハイパフォーマンス化した「Sports」というのも有りは有り?! 妄想を見積もってみると、予算として、諭吉先生が70枚ほど必要になってしまう。無理ですな(泣)。


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yosshu0715

僕も試乗してきましたが、僕はかなり気に入りましたよ!!(笑)
大概カスタムしてそれでもはっきりわかるくらい自分のBD-1の重心が高いんで、あの安定感はまさに願ったり叶ったりでした!!(笑)

僕は街乗りはブロンプトン、40〜100KM前後の遠方ライドはBD-1と乗り分けてるんですが、自分の自転車のすぐ横を車が通るとやはりちょっと怖いんですよ・・・!!(笑)
その原因はピーキーなハンドリングと不安定な重心・・・!!(笑)
それが改善されるだけで疲労感が大分違うと思います!!(笑)



一緒に試乗してたpandaさんやあまちょさんなんかも、もう顔に
「・・・いじりたい!!」
とはっきり出てましたよ!!(笑)

あの車体をいじったらどれだけ凄いか、かなり素のポテンシャルが高いですもんね!!(笑)



ただやはり、ネックは値段でしょうね!!(笑)
小径車というより、完全にロードバイクの予算!!(笑)
以前のBD-1と同じ値段ならバカ売れすると思うんですが・・・!!(笑)


ただ来年以降はもっと値上げされるという噂もあるんで、本当は今が買い時らしいですが・・・!!(笑)


前後にサスのある「腰に優しい」スポーツ系の小径車という選択肢が実質これだけなんで、悩ましい限りです!!(笑)
by yosshu0715 (2015-07-21 09:16) 

JUN1026

ヨッシュさん、コメントありがとうございます。
birdy、いじりがいもあって・・・というか、いじりたくなるバイクですね。あれだけの安定感があれば、それこそエアロ系のパーツを奢って、よりビュンビュン系にしたくなります。
エアロスポークが11速対応になれば・・・。総予算が80万円くらいしてしまいそうですが、かなり速いバイクになるでしょうね。
ただ、BD-1のあのピーキーでクイックなハンドリングも味といえば面白い持ち味。クルマの波をひらひらとすり抜ける、それこそ陸(おか)サーファーな軽快感は捨てがたい。
新型もいいですが、私は近いうちに「BD-1R JoJo SPECIAL」を「BD-1 RS-R JoJo SPL.」にアップデートしようと目論んでいるので、birdyは見なかったことにしておきます(笑)。
by JUN1026 (2015-07-23 23:25) 

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