竹の秋 [散歩・散走]
京都の冬は底冷え、京都の夏は炙るような暑さ。自転車で洛中を巡るには、春から初夏、あるいは紅葉の頃がベスト。初春の梅見、晩春の桜見、初夏の水郷巡りを経て新緑の候。2012年京都輪行ポタの4回目となる今回のテーマは「秋」。
寒い寒いと言いながらようやく夏らしい陽気となって、暦は「立夏・竹笋生(りっか・ちくかんしょうず)」。筍が生えて来る時候で、古い竹の葉が紅葉して散り落ちて、新しい若芽に命を移す頃。称して「竹の秋」。
本来は陰暦三月の異称で、もう少し早いうちに"竹秋"を楽しめばよかったのだけど、梅の春、桜の頃、水辺の青嵐と順番に巡り付いた、竹の秋。
出遅れた分を取り戻せるでしょうか。チビ輪バッグを携えて、早朝の列車で夏めく京都を目指しましょう。
この番組は"京阪神ポタリング観光協会"の提供でお送り致します(ウソでっせ)。
例によって4時台の阪急電車に飛び乗って、今日下車するのは京都線嵐山駅。
電車を降りて、BD-1を展開したのが6時を少し回った頃。陽射しは夏めいているが、風はまだまだ冷たい。ポタするにはちょうどいいくらいの爽やかさ。
駅から「渡月橋」を渡り、最初に向かうのは「嵯峨野竹林の道」。さて竹の秋を味わうことが出来るでしょうか・・・?
高い竹は青々とした葉を鳴らしているが、その根方には紅葉なった葉が重なり合って、少しく秋めいた風情。キレイに編まれた竹垣もいい感じ。
写真を撮りながら少し登り勾配のついた小径を辿って行くと、路を塞ぐようにちょっと旧いシトロエンDSが停められ、そのドライバー氏も竹林を撮影なう。傍らを通り抜けるついでに声を掛けさせて頂いて、クルマを撮らせて頂いて。
おフランス製のモダンなシルエットが不思議とこの景色と馴染んで、ボディの"ヤレ感"も幻象めいて、絵になるような佇まい。やはりクルマはちょっと旧い60's~70'sの欧州車に限る!!
「大河内山荘」の横をすり抜けて突き当たりが「御髪神社」。日本で唯一の頭と髪の神社だとか。
ネコがお出迎えしてくれているので(?)、ぜひお参りせねば・・・って、白くはなっても全然禿げたりしてませんで、念のため。転ばぬ先の杖・・・ということで?
参拝を重ねるように、次に訪ねたのが「車折神社」。芸能・芸術の守護神とされ、アーティストのパワースポットと呼ばれる同社。境内にはその名も「芸能神社」なるお社もある。こちらもお参りしておかなアカン。なんてったってアイドルですし!?
玉垣にはピンからキリまでずらりと芸能人の名前が並ぶ。東映太秦撮影所が近いせいか、こちらでロケをされるせいか"水戸黄門"さまは"千二百回"って、どんだけェ〜って感じ。因に、黄門様はこの後の場所でも登場するので憶えておくように!!
明日20日(日)は「三船祭」が行われるそうな。
太秦まで来たついでにちょっと立ち寄ってみたいミステリースポット(?)がある。
「天塚古墳」がそこ。秦氏一族の墓と推定される古墳時代の墳墓・・・なのだが、何故か稲荷社となっている・・・らしい。
住宅街に囲まれるようにあって、GPSに頼ったサテライトクルージング走法でも位置が特定出来ず、なかなか辿り着けない。やっと至ったと思ったら、稲荷大神の祭壇が置かれているという石室が見つけられない。全容も見極めにくいし、ちょっとザンネン。ミステリー・ハンターにも川口浩探検隊の隊員にもなれそうにない・・・わな。
そうそう、今日のテーマは「竹秋」で、パワースポット巡りじゃなかった。次へ急ぎましょ。
途中桂川河川敷のサイクリングロードを通ってポタらしさを盛り上げて・・・。
辿り着いたのは、おなじみとなりつつある「城南宮」。
桜のときも、名水スタンプラリーでも立ち寄ったが、今日のお目当ては神苑に咲くカキツバタ。今が見頃だという。四季の花に溢れる同苑には小さな竹林まで設えられている。
まだ誰にも踏まれていない小径を「春の山」から「平安の庭」、「室町の庭」、「桃山の庭」、「離宮の庭」と辿る。
見頃という杜若は少し萎れてはいたが、神苑を独り占め出来ただけでも良しとしましょ。
神苑ではんなりまったりしているうちに陽が高くなって、それにつれて気温も高くなって来る。
次の目的地は少し距離があるうえ、アップダウンを重ねつつも登り基調。洛南から洛東へ、山科は「勧修寺」へと自転車を走らせる。
こちらのお目当ても境内のお庭。"勧修寺氷池園"と呼ばれる池泉庭園の中心を占めるのが"氷室の池"。今ならハスやカキツバタが咲くという。
山科区辺りにも竹林がちらほら見受けられる。葉鳴りを聞いていると少しは涼しい気分になるが、ダラダラと続く登りはキツい。ちょっとだけ根性がいる。涼しいうちに来ていた方がよかったかしらン??
「勧修寺」に辿り着いて息を整えてからお庭を拝見。
「勧修寺」は真言宗山階派大本山で皇室や藤原氏にゆかりが深い寺院。醍醐天皇が若くして死去した生母藤原胤子の追善のために胤子の祖父の邸宅を寺に改めたのが始まり。
蓮は早い時間の方がいいのだろうが、まだ美しい姿を留めていた。残念ながら池の中程にあって、Cameraが寄り切れない。
クロード・モネの絵画とは少し違う。クロード・ドビュッシーのPréludeが脳内で自動再生される。
池を見張るかのように配置された石造りの仏像の前を通ってひと巡り。途中に細い石橋を渡らなければならなかったりと少し"キケン"なところもあるが、それをおして観てみる価値は十分ある。
桜の頃には来そびれてしまったが、この季節、水面に揺れる花も負けていないように思える。
ここまで来たついでに「醍醐寺」にも回ろうと計画していたが「勧修寺」で堪能出来たのと、自転車を停めて広い境内を歩くほどの脚が残っていないので、予定を少しショートカット。再び洛南を突っ切って洛西、「洛西竹林公園」へ。今日のテーマは「竹の秋」。締めも竹林。
この辺り、物集女地区も竹の多いところ。"竹の里町"と地名にまでなっている。
ワタシの会社では毎年忘年会は一泊二日、それも大阪を離れた温泉旅館で行われるのだが、この近くのホテルで開催された時があった。宴会の時間に集まればいい、いつ来て、いつ帰ってもいい、土曜の夜の宴会と日曜の朝食まで付いて、温泉入り放題というおきらくな忘年会。時間が自由になるのならと、BD-1を持って行きたかったが当日はあいにくの雨。さすがに年末押し迫った師走の雨の中をポタするわけにもいかず、今日ようやくのリベンジ。竹の名所なら筍の時期がいい!?
丈高い竹も薹が立ってしまった竹の子もいっぱいある。ワタシの背丈より高そうな竹の子って・・・。
竹の里から大原野まで走ろうかとも思ったが、もう十分堪能。走行距離も「竹の秋」も満腹状態。それにかなり気温があがって陽射しもキツい。脚が残っているうちに阪急電車に乗らなければ・・・。
行けなかったところは次のお楽しみとしておきましょう。
さて、初春の梅、晩春の桜、初夏の水郷巡り、竹の秋と駆け足で一気に四季を駆け抜けて(?)、京都輪行ポタは暫しのお休み。夏の京都は暑過ぎます。
ん、冬がないって??
朝も早よから独りでほっつき歩くパパリン。家族に反感を買って、家庭内は冷たい木枯らしが吹き荒れております。
おあとがよろしいようで・・・。
本日の結果
走行距離:58.10km
走行時間:03:49:29
いいですね〜写真美しいですね〜お琴の音が聞こえて来そうな程、風流なポタリングですね♪( ´▽`)
by Fuku_P (2012-05-20 21:03)
Fuku_Pさん、コメントありがとうございます。
そうですね。風流な邦楽が聞こえて来てもおかしくないような風情でした。
竹を少し頂いて来て尺八でも作ればよかった・・・でしょうか(笑)。
by JUN1026 (2012-05-20 21:53)
この時期に「秋」がテーマとは、さすがJoJoさん!!(笑)
感心してしまいましたよ!!(笑)
氷室の池の観音堂・・・いい眺めですね!!
最近少し絵も描くので、描いてみたいです!!(笑)
しかし朝6時からのポタとは・・・!!
道理で嵐山に人が居ない訳だ!!(笑)
by yosshu0715 (2012-05-22 13:02)
yosshu0715さん、コメントありがとうございます。
勧修寺・氷室の池は、坂路を走って辿り着いただけの値打ちがありました。疲れも飛んでしまいました。
桜の時期も紅葉の頃も絵になるかと思います。一度出掛けてみて下さい。
嵯峨野竹林の道には出来るだけ早く、本当は日の出頃に走ってみたかったのですが、さすがにそれは無理。それでもヒトの少ない時に走れて、そちらでも和めました。
こちらも途中にきつい坂がありますが、洛西竹林公園もお薦めですよ。
by JUN1026 (2012-05-22 15:13)